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いつも通り形式的な護衛の申し出を断ると、マイクロフトは目的の部屋へと続く長い階段をのぼった。この塔の最上階に囚われている男は、自ら幽閉を望んでいる。護衛などなくとも、マイクロフトが預かった鍵を奪って脱走することなどあり得ない。
ようやく最上階までのぼりきり、重い鉄の扉を開けると、その男ーーーアルバートは椅子に座り小さな窓から外を眺めているところだった。マイクロフトの来訪に気づくと、ゆっくりと立ち上がりこの部屋にたったひとつしかない椅子を譲ろうとする。マイクロフトは謹んで辞退し、再び彼を座らせた。前に面会した時よりも、また少し痩せたように感じたからだ。
「…食事にあまり手をつけていないと聞いたが」
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