誰に似たのか「母乳なんて出ないだろ、俺もあんたもさ。これ、どうすんの……?」
「いや、第一声がそれかよ」
二人の間で体を小さく動かしながら眠る赤ん坊を見下ろして、ブラッドリーが比較的冷静に突っ込みを入れる。
そういうこと、が起こることがあるのは知っていた。肌を重ねてなお、そういうこと……確率としては、長く生きてきた双子が過去に一度確認したかどうか、くらいの稀なそれ……が自分とネロの間に起こるとは、ブラッドリー自身思っても見なかった。
赤ん坊は、ふわふわと細い黒と銀の髪が生えていた。
肌の色といい、どう見ても。
「あんただよな」
「俺寄りだな。にしても生まれたての人間よりサルッとしてねえもんなんだな」
「普通の生まれ方する赤ん坊の月齢でいくと、もうちょっと後の状態じゃねえかなこれ」
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