タイトルは考え中 愛する人はさいごまでエゴイストだった。
蝉の声。
潔と歩くどこかの小道。
入道雲は空高く、どこまでも行けてしまいそうな気がした。
『もう疲れたんだ』
潔の言葉。
『じゃあ、全部捨てて、どっか行こう』
少年だった。
どこまでも行けると信じている、万能感に溢れた子ども。
必要最小限の荷物と、サッカーボール。
ドリブルをして、パスをして、どこかにあるゴールを探していた。
何もかも投げ出した自分達はどこまでも行けるって信じていた。
『蜂楽、ここまでありがとう』
潔は持っていたボールを蜂楽に渡した。
『潔?』
『ここまででいいよ。俺、ここから先は一人で行く』
そう言って潔は一人で走っていく。
『待って!』
蜂楽は追いかけた。
1806