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    sa____yu__

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    同棲してる社会人の二人の休日のお話

    #ブラネロ
    branello

    AM11:00 瞼が開く。あまりにも軽くはっきりとした目覚めに、少なくとも早朝ではないだろうと考える。しかし腕の中にはまだ、ネロがいた。
     俺の腕の中に潜り込むようにして目を閉じているネロは、普段であれば俺より早く起きて朝食を作っている。
     さて、今は何時か。答え合わせをしようと手探りでスマートフォンを探していると、ネロが小さく唸ってうっすらと目を開けた。
    「……はよ」
    「おはよ」
    「あんた全然起きそうにねえから、遅めの飯にしようと思って二度寝したんだよ」
     その言葉を聞きながら、手に触れたスマートフォンを手繰り寄せスリープを解除する。時間は正午まで一時間を切っていた。
    「何時?」
     聞かれ、画面を見せる。
    「うお、寝過ぎた。ブラッドあったけえからさ」
    「確かに空気が冷てえな」
    「朝はもっと寒かったよ。冬来てるなって感じ」
     もそもそとネロが体を起こし、布団の中に空気が入る。ほんの数日前までとは鋭さが違う空気だ。
     一緒に起きて、伸びをする。深呼吸も一つ。馴染みのある空気が近付いている気配がした。
    「すぐ飯食うよな」
    「おう!」
     俺より一足先に、ネロが洗面台へ向かう。その後をついていきすがらキッチンを覗いたが、まだ料理の形跡はない。
    「まだ何も作ってねえよ。これからだともう昼飯だな」
     続く足音が途絶えたことに気付いたネロが振り返ってそう言う。返事の代わりにきゅる、と腹が鳴って、前を行く男が小さく笑った。
    「すぐ作るから、待ってなよ」
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    44_mhyk

    SPOILERイベスト読了!ブラネロ妄想込み感想!最高でした。スカーフのエピソードからの今回の…クロエの大きな一歩、そしてクロエを見守り、そっと支えるラスティカの気配。優しくて繊細なヒースと、元気で前向きなルチルがクロエに寄り添うような、素敵なお話でした。

    そして何より、特筆したいのはリケの腕を振り解けないボスですよね…なんだかんだ言いつつ、ちっちゃいの、に甘いボスとても好きです。
    リケが、お勤めを最後まで果たさせるために、なのかもしれませんがブラと最後まで一緒にいたみたいなのがとてもニコニコしました。
    「帰ったらネロにもチョコをあげるんです!」と目をキラキラさせて言っているリケを眩しそうにみて、無造作に頭を撫でて「そうかよ」ってほんの少し柔らかい微笑みを浮かべるブラ。
    そんな表情をみて少し考えてから、きらきら真っ直ぐな目でリケが「ブラッドリーも一緒に渡しましょう!」て言うよね…どきっとしつつ、なんで俺様が、っていうブラに「きっとネロも喜びます。日頃たくさんおいしいものを作ってもらっているのだから、お祭りの夜くらい感謝を伝えてもいいでしょう?」って正論を突きつけるリケいませんか?
    ボス、リケの言葉に背中を押されて、深夜、ネロの部屋に 523

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    TRAININGお題:「昔話」「リラックス」「見惚れる」
    盗賊団の伝説を思い出すネロが、ブラッドリーとの初めてのキスを思い出すお話です。軽いキス描写があります。
    かつての瞳 ブラッドは酔うと時折、本当に時折昔話をする。
     普段はそんな様子など見せないくせに、高慢ちきな貴族さまから後妻を奪った話だとか(彼女はただ可哀想な女ではなく女傑だったようで、しばらく死の盗賊団の女神になり、北の国の芸術家のミューズになった)、これもやはり領民のことを考えない領主から土地を奪い、追いやった後等しく土地を分配したことなど、今でも死の盗賊団の伝説のうちでも語り草になっている話を、ブラッドは酒を飲みながらした。俺はそれを聞きながら、昔の話をするなんて老いている証拠かなんて思ったりして、けれど自分も同じように貴族から奪った後妻に作ってやった料理の話(彼女は貧しい村の出で、豆のスープが結局は一番うまいと言っていた)や、やっと手に入れた土地をどう扱っていいのか分からない領民に、豆の撒き方を教えてやった話などを思い出していたのだから、同じようなものなのだろう。そしてそういう話の後には、決まって初めて俺とブラッドがキスをした時の話になる。それは決まりきったルーティーンみたいなものだった。
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