ロマ普になるようなならないようななってるようなやつ「貴方は結局誰が好きなんですか?」そんな問い掛けをメモ帳にご丁寧にペンまで持った状態でずいずい顔を近づけ聞いてくる、此奴たまに容赦無いなんて思ってる、そんな俺様プロイセンは此処本田邸の掃除を手伝い(勝手に乗り込んだとも言えるが)に来た訳なんだけどよ、それが今この状況。唐突になんでだ???!
「いい加減白状するべきですねプロイセン君。」
「はぁあ!?」
「頻繁にイタリアちゃんイタリアちゃんとか言ってキャッキャッしてるかと思いきや夢を見てたのかおにいさま、その、俺様…恥ずかしいぜー!!なんて変な寝言言ってました!とーっても気になりますね、ぶっちゃけどっちが好きなんですか、答えるべきだと思いますが?」
「ちょ、はぁ?え…俺様…寝言?」
コタツでウトウトしながらぼーっとしてて寝ちまってたな、なんて事はあった、あったけどよ、そんな寝言言うほどに寝落ちしてたなんて事あったのか!?っつーかなんつー寝言だ。
ってか、全然覚えてねぇ。
「で、どうなんですか」
「し、知らねー!知らねぇそんなの!」
「ほうほう、知らないというのですか、そうですか。……だそうですよイタリア君、どうしましょうかね?この鈍感くん。」
「ヴェ、困った奴だなぁお前ほんと。」
「はぇ!?」
急にひょっこり顔を出してきたイタリアちゃんはホントに困った様子でくるんとした癖毛がしなしなしていた。
なんでそんな困ってるんだ、っつーかこれ何、尋問?
俺様の気持ちって今そんなに大切なのか?
「寝言先のその人にどうやら本気で想いを伝える気も無さそうですよ」
「え、可哀想、同情しちゃうよ俺……」
しかもこの言い方だと俺様はどうやら可愛い可愛いイタリアちゃんはそっちのけらしい、マジで覚えてねぇよ何なの!?
「ねぇ、お前ほんと自覚無いの?兄ちゃんに何聞かれた夢だったの?正夢なの知ってるんだからね俺、兄ちゃん1週間前から不機嫌なんだから!」
開眼させプリプリ怒る様子も可愛いイタリアちゃん……いやいや、待て、正夢?正夢!?
「お前夢だと勘違いしてるんでしょ、そんな事ないんだからねサッサと答えだしなよ兄ちゃんそんな気長じゃないんだからさ」
ガクガクと揺さぶられながら思考がプツンと飛んだ。
いや、うん、そんな時にふと思い出した、泥酔したお互いのノリだったんだろーななんて思いながら「お前はいい加減腹を括れよ、逃げ回ってんじゃねぇ、何時まで保留にしておくつもりだよ」
「い、いいいや、だってよ、だってあれは事故だろ!?ぶつかってキスしちゃった奴だろ!?」
「んなわけあるかカッツォ!!」
「ひぇ」
ギロッと睨む様に顔を近づけられて「ン何アレを事故にしてぇならこっちは既成事実ってことにしておいてやるよ」と思いっきり酒を口に含んでからの口移しべろちゅーを噛まされそのまま全ての思考も停止していた。
いやほんと、今更思い出したけどすげぇ恥ずかしい!!!なんで恥ずかしいかって彼処はバーだったんだぜ!?既にお兄様は酔ってたけど、だからって勢い良過ぎたろって、因みにだがそのままお兄様はタクシーを呼びホテルまで直行、そのまま俺達はフラフラで寝落ちした。
ベッドにもたどり着けずに、玄関でバタンってやつ。
……嫌ってたら逃げてるし、分かってるからキスも受け入れたことも自覚してるし、はぐらかしてる訳じゃねえけど、確かに本人には言ってねぇな……。
お兄様、多分分かってるンだろうけど、なんかこのままじゃあ悔しいから俺様も次は何か仕掛けるかな何て回想から帰って来たらむすっとした可愛いイタリアちゃんの顔が間近だった。
「で、兄ちゃんには言う気ないの!?」
「え、え?あー……それは、ほら、まだ時期じゃねえ……だろ?」
「ヴェえええ、にほんんんんプロイセンがまた逃げようとしてるよおお」
「なんて人なんですか貴方は、ちゃんと向き合いなさい!」
「ち、ちが、ちゃんと向き合うっつの、タイミング悪いからもう少し準備くらいしてぇんだよ!」
ふんっと鼻息荒く言うと目を丸くしたイタリアちゃんと日本はぱぁっと表情が明るくなった。
「これで兄ちゃんが仕事から逃げようとしなくて済むよGrazie日本!!!」
善意のつもりじゃなくて、……って事はちょっと悲しかったぜ。ケセセ。