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    nekomata002

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    #ローコラ版ワンドロワンライ
    大遅刻です!
    お題「赦しを乞う」で初ワンドロ参加

    ロー関連になると狂気的な部分が出ちゃうコラさんとそれをわかっているローの話です。

    そこは雪の降る島だった。
    街の中を少し歩いただけでこの島が貧しい島だということが分かる。
    しかし、だからと言って海賊を襲うのは間違いだろ?
    この島にしか存在しない医学書を求めて来ただけで長居するつもりはなかったのだが市場に出たところで街の人たちに囲まれた。
    皆口々にローの名前と懸賞金30億ベリーがどうとか、そんなことばかり言っている。恐らくこの貧しい街を復興させるためにローを捕まえて海軍に引き渡すつもりなのだろう。
    ローもその無謀過ぎる考えがわかったのか、呆れたようにため息を吐きながら「殺すなよ、街人全員縄で縛れ」と船員たちに命令を下していた。

    ハートの海賊団は殺生はしない
    それは船長のローが決めたルールだ。

    今回の相手は海賊でも無い海軍でもない市民だ。ローの中に殺すという選択肢ないし、相手の人数がこちらより多くても戦力はハートの海賊団の方が圧倒的に上だ。
    ローが能力を使うまでも無くハートの船員たちだけで敵の半分以上は無傷のまま縄で縛られている。

    ーだから油断した

    ドォン!という銃声が市場に響く
    次に「キャプテン⁉︎」というベポの焦った声。敵と応戦していた俺はベポの声に驚き振り返った。
    そこには、俺が世界で一等大事な子供が血を流し胸を押さえて蹲る姿があった

    「ー⁉︎」 

    その瞬間、俺の体内の血がグツグツと凄まじい音を立てて沸騰していくのを感じて…

    気づいた時にはローを撃った男の背後に俺は立っていた。どこから撃ったかなんてローが撃たれた場所から方角を割り出せば、すぐにわかる。男が振り返るより先にサイレントをかけて男の頭を目の前にある木箱の上に踏み付けた。バキバキと音がする、それは木箱の音か、男の鼻の骨が折れた音なのか

    まぁ、そんなことはどうでもいい…

    足の下で男が踠き、何が許してくれ、助けてくれと声を出しているが気にせずに足に力を込める。

    ミシミシ…バキバキ…死…ぬ…助けて

    あぁ、そういえばローと旅していた時に俺がドジって転んだせいで市場の果物ひっくり返しちまったことがあったな。
    その時に間違えて踏んで中身をぶち撒けちまったスイカの感触に似てー



    「ロシナンテさん‼︎ダメです‼︎」
    「…シャチか」

    小さく、けれど強い力が俺の両腕を押さえ込み男から引き離す。
    振り払うことも出来たが、シャチはローの大事な仲間だから傷つけたくはない

    「シャチ離せ」
    「離したらアンタ、この人殺すでしょ?」
    「…ローを撃った」
    「キャプテンなら大丈夫です」
    「少しでもズレてたら心臓に当たってた」
    「ペンギンがすぐに治療したんで大丈夫ですって!」
    「…」
    「だぁぁっもう!めんどくせぇなぁあ!
    また俺コレ言わなきゃなんねーの?
    はぁ〜…


    ロシナンテさん!アンタ元海軍だろ⁉︎
    海軍が民間人殺していいのかよ⁉︎」
    「っ⁉︎」

    シャチの言葉に真っ暗になっていた視界が張れる。俺の目の前には呆れた表情を浮かべるシャチの姿が映った。

    「……シャチ?あれ、俺何して…」
    「落ち着きました?」
    「えっ、あ…うん」


    ー俺はいま、何をしようとしていた?


    「とりあえずソイツ気絶してるんで
    縛っておきますよ?
    ロシナンテさんはそっから一歩も
    動くなよ?」

    「…」

    縄を持ったシャチが顔面から血を流して泡を吹いて倒れる男を縛った。

    ーアレは俺がやったのか?

    シャチの声が聞こえるまでの記憶がない。ローが撃たれて頭の中に黒い渦みたいなものが現れて…

    俺はまた、やってしまったのか?

    「…っ」

    ローと再会してハートの船員になってから俺は時々、この現象が起きる。
    それは決まってローが危険な目に遭ったり、ローが死にそうになったとき、自分でも制御出来ないナニかが体の奥から出てくるんだ。

    もう少しで、あの男の頭を踏み潰し
    殺してしまうところだった。

    あの男は民間人だ

    民間人…

    海賊から海軍が守るべき存在

    センゴクさんがずっと守っている存在を俺は…俺は…っ 


    「っうぅ、ごめんなさい、センゴクさん…ッ」

    俺はその場に膝をついて
    許しをこうように涙を流した…




    ◾️



    ペンギンの治療が終わる頃には愚かな街人たちは全員縄で縛られていた。
    最後の街人、俺を撃った男の近くには泣いてるコラさんとそれを慰めるシャチがいる

    「…」

    緩んでしまう口元を手で隠すと後ろから「キャプテン」と咎めるような声でペンギンがすぐ隣に立った。

    「アレ本当は気づいてたでしょう?
    キャプテンならあの攻撃避けられたのに
    なんで避けなかったんですか?」

    「愛を試してんだよ」

    「…歪んでる」

    「自覚済みだから安心しろ」

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