「ぎゃあああああああああああああ」
「………」
「ヒッ…!?……〜っ!!ぎゃあ…ああ…!」
「うるせーよタケミっち、つーかどこが怖ぇんだよ?」
「ウグッ…ヒッ…ごわいじゃないでずがあああ〜!!」
「どこがだよ?」
「ぎゃああああああああああ、あ、あ、」
「っるせ………」
タケミっちから一緒に観ようって言ったくせに。
全くもって怖くないホラー映画にずっとぎゃあぎゃあ騒いでいる。
「マイギーぐんなんでそんな余裕なんでず?ごんなにごわいのに〜!」
再び叫び倒して俺の腕に引っ付いてくる。
正直ホラー映画なんかよりこいつを色んな意味でどうにかしてやりたい。
…わかってやってんのか…?
「ギョエエエ…!?!?死ぬ!死ぬ!!」
…んなわけねぇか…
にしたって引っ付きすぎじゃね…?
「ぎゃあああ………もうムリ…」
「じゃあ見るのやめれば?」
「見ます!」
「なんでだよ…!」
「ここここれを全部見終わればもっと強くなれる気がして…!」
なんだそれ?んなわけなくね?
本気で言ってんのか…?
「んん〜!」
いや、目瞑っちゃってんじゃん。
最早1番盛り上がる怖いとこ見てねぇじゃん。
つか…
「タケミっち」
「はい?」
「怖くなくしてやるよ」
「え?ギャッ!?」
座って見ていたソファに押し倒してちょっと激しめに唇を奪った。
「ンンッ…!」
舌を入れれば苦しそうな表情をして、目には涙を溜めている。
ゾクゾクする背中に抑えられない気持ち。
全部欲しくなる。タケミっちの全部が。
「ン、マ、イキーくんっ…ぁ…ン」
何度も舌を絡めては角度を変えてキスをする。
ずっとこうしてたい。
目が少しずつトロンとしてきてタケミっちの両腕が俺の首に回された。
「怖くなくなった?」
一度唇を離してそう聞くとコクコクと恥ずかしそうに頷く。
「このまま続き見るか俺とキスするかどっちがいい…?」
「………マイキーくんとキスする………」
「ふーん。じゃあホラーの続き見よっか?」
「えっ?!」
「ウ、ソ♡タケミっち可愛い♡」
「…あ、の、キス以上のこともしたい…です…」
このあと朝まで抱き潰した。