「おい、佐野〜」
「………」
「佐野ってば!オイ!!」
「俺は万次郎だ」
「いや、お前は佐野じゃん、こないだそう決まったじゃん?」
武道と一緒に住むことになった3人のマイキーこと佐野万次郎は今日も仲良く?お喋り中。
「金髪は黙れ」
「お前こん中じゃ1番最新の俺なのにマジでガキじゃん」
「"佐野"もタケミっちがかっこいいって言ってたんだからいいじゃん?」
「黙れ黒髪」
マイキーと万次郎が顔を見合わせてハァ、とため息をつく。
ただ今武道はバイト中で家にはいない。
「あーあ、タケミっちいねぇとつまんねぇ」
「それは言える。」
「な〜」
マイキーの言葉に佐野と万次郎も深く頷き3人揃って天井を仰ぐ。
なんだか寂しい。
「なー、お前らって未来の俺じゃん?タケミっちとどんなふうな関係になってたの俺。」
「俺はフィリピンまでタケミっちが迎えに来てくれた」
「へ〜」
「そんで殺してくれって言った」
「は?」
「俺は一緒に心中した」
「「は???」」
「フッ…」
いや、笑った。怖っ。
「だからタケミっちは俺のことが一番好きだ」
「いや、なんでそうなんだよ?タケミっちが1番好きなのはこの俺、マイキーだろ」
「は?俺なんてわざわざフィリピンまで来るくらいだぜ?俺が1番だろ」
「「「いや、俺だろ?」」」
「ただいま〜」
「「「タケミっちおかえり!!!」」」
「あ、う、うん、ただいま〜」
すごい勢いで3人に迎えられ武道は一瞬尻込む。
「タケミっちタケミっち!」
「ん?何?マイキーくん」
「タケミっちは俺ら3人の中で誰が一番好き?」
「…え…?」
「もちろん俺だよね?タケミっち?」
にこりと万次郎が詰め寄り武道の腰を抱く。
「あ、いや、その」
「テメェ万次郎その手どかせよ。タケミっち俺だよね?」
猫のようにゴロニャンと下から上目遣いで詰め寄るのはマイキーだ。
「俺だよな…?タケミっち?」
「ヒッ!?」
最後に後ろから抱きしめて詰め寄るのは佐野だった。
カチャリと何か丸く硬いものが背中に当たる。
脅しじゃん。
マイキーと万次郎が佐野を白い目で見ると、武道は慌てて3人の腕の中から逃れた。
「あああああの…!」
「「「ん?何?タケミっち?俺だよね?」」」
笑顔の圧力怖い…!
「いや、オレ3人とも大好きなんで…それじゃダメ…すかね?」
「「「………」」」
「えへへ…」
「「「好き…タケミっち」」」
今日も3人仲良くタケミっちが大好き♡