Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    Kaigawa_omake

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 9

    Kaigawa_omake

    ☆quiet follow

    まだ導入しか書けてないよふぉろわ~

    お疲れ私ちゃんがリエーレさんにでろでろにされる夢小説(仮)「はぁ……今日も何も上手くいかなかったな……」
     大量の荷物を抱え、街灯に照らされた道を歩く。どんなに頑張っても全てが空回りしてしまって、周りからも白い目で見られる、そんな日々。
    「私、どうしてこうなんだろ……」
     ため息を一つこぼした、その瞬間。

     ドンッ

    「うわっ!」
     どしん! 何かにぶつかって思い切りよろけてしまった。バランスを崩した体は思い切り地面に打ち付けられ、プリントが山のように入った鞄は手を離れる。
     無慈悲にも、鞄の中身は地面に広がった。
    「いてて……あっ、ヤバ……っ! 踏まれる前に拾わないと……!」
     急いで起き上がるも、周りから向けられる視線に上手く拾えない。あちこちに散らばる紙はいつ飛ばされるとも分からないのだから、さっさと集めなければいけないのに、手が震えてしまって掴めていない。
     ああ、私ってば、こんな時までぽんこつなんだ。泣きそうになるのを抑えプリントに手を伸ばすと、ふと誰かの指が私の手に触れた。
    「っ⁉」
     思わず手を引っ込めかけてしまった。その間にも、白い指先は目の前のプリントを拾う。
    「……ふう、これで全部かしら? はい、どうぞ」
     差し出されたのは、綺麗にまとめられた紙の束。夢中だったせいで気が付かなかったが、知らぬ間に拾ってくれている人がいたようだ。世の中捨てたものではない。
    「あ、すいません……ありがとうござ――」
     顔を上げた私は、思わず息をのんだ。なにせ目の前にいたのは、とんでもない美人だったのだから。
     いわゆるOLらしい服装の彼女は、一般人とは思えないオーラを発していた。整った顔立ちに。しゃがんでいても分かるモデルのような引き締まった体型。白いシャツの胸元はボタンがいくつか開いていて、女性の私でもドキドキしてしまった。
     長いまつげの奥にある桃色の瞳が私を見つめている。ぷっくりした艶やかな唇も、ウェーブのかかったベビーピンクの髪をかき上げるその動作も、全てが色っぽい。
    「……? これ、貴女のじゃなくて?」
     首を傾げる女性に、私はようやく我を取り戻した。慌てて女性のくれた紙束を受け取る。
    「あっ、すいません! ありがとうございます。助かりました……!」
     しゃがんだままお辞儀をすると、女性は微笑みを浮かべた。大人びている容姿だけれど、その笑顔はとても可愛らしい。
     しかし女性はどこか悩まし気に私を見つめている。
    「ごめんなさいね、アタシが貴女にぶつかってしまったから……怪我はない?」
     ああ、さっきぶつかったのはこの女性だったんだ。確かにちょっと痛くはあったけれど、謝罪を述べたうえにプリントまで一緒に拾ってくれるなんて、きっといい人なんだろう。
     そんな人に心配なんかさせられない。私は勢いよく立ち上がり、女性に笑ってみせた。
    「あっはい! 全然大丈夫です! ほら、この通り――っ!」
     突如私の右足首に痛みが走った。またよろけてしまう。そう思ったが、私を受け止めたのは冷たい石畳ではなかった。
     触れた頬に柔らかく温かな何かを感じる。ちらりと見てみると、色白な胸の谷間が見えた。鼓動が早まり、頬が熱くなるのが分かる。
    「……! す、すみません! わた、私……!」
     すぐさま離れようとしたが、そんな私を女性の細い腕が包み込んだ。
    「そんなに慌てないで。怪我が悪化したらいけないわ」
     生暖かい吐息が額にかかる。女性は落ち着いた様子で私を支え直し、足元に視線を落とす。
    「さっきの衝撃で捻っちゃったのかもしれないわ。このまま帰らせてしまうのも申し訳ないし……とりあえず、近くのホテルにでも入って休みましょう?」



    「……はい、これでもう大丈夫」
     赤くはれていた足には、水で濡らしたタオルが巻かれた。心なしか、痛みが少しずつ引いてきているような気がする。
    「あ、ありがとうございます。わざわざここまでしてもらっちゃって、なんだか申し訳ないです」
    「いいのよ。元はと言えばアタシのせいなんだから」
     美しい女性――リエーレさんは、私を見上げて微笑んだ。
     捻った辺りを優しく撫で、私の隣にリエーレさんは腰掛ける。揺れる柔らかなベッドに私はまたよろけそうになった。
    「わっ」
    「あら、大丈夫? 随分と疲れてるのね」
     心配そうに私の顔を覗き込むリエーレさん。なんだかずっと気を遣わせてしまって申し訳ない。
    「そんな……いつものことなので大丈夫ですよ。こんなの別に慣れっこですし――」
     ふわりと、私の全身をリエーレさんが包み込んだ。伸ばされた腕が私の頭を優しく撫でる。
    「ダメよ、そんな風に自分の気持ちを誤魔化すなんて……こうして貴女ばかりが苦しむなんて良くないわ」
    「でも……」
     頬に触れた手が私の顔を上げる。そこには聖母のような微笑みを浮かべて私を見つめるリエーレさんがいた。
    「ねえ、よければアタシに話してくれない? こんなに苦しそうな貴女をアタシ、放っておくなんてできないわ」
    「リエーレさん……」
    「遠慮しないで。ほら」
     背をさする手が暖かい。桃色の瞳に見つめられているうちに、だんだん胸の奥に隠していた想いがどろどろと溶けだして――
    「大丈夫、全部出していいのよ……」
    「あっ……私、わたし……!」
     気付けば頬を涙がつたっていた。それと同時に、抱えていたもやつきが全て口から吐き出される。
    「私、毎日、頑張ってて……でも何にも上手くいかなくてっ……いろんなこと、やってるのに、誰もっ、褒めてくれないし……私のことなんか、誰も必要としてないんだって……っ!」
    止まらない涙も、嗚咽交じりの愚痴も、リエーレさんはただ黙って聞いてくれる。それで時々、私の背中を優しくさすってくれるのだ。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    Namako_Sitera

    DOODLEヨルン×ウ・ルダイ。ウ・ルダイのトラスト匂わせアリ。身長差に関する捏造もあり(ヨルンがちょい小柄、ウ・ルダイが長身設定)
    付き合ってるのか付き合ってないのか微妙なラインだけど少なくともウ・ルダイはもうめちゃくちゃ好きみたいな感じになってるヘキの詰め合わせみたいな小話。問題は略称に困ること。ヨルウ・ル?ヨルダイ?
    ウ・ルダイさんの特別な虫除け。「(うーん 杞憂だとは思うんだけど……ねぇ? どうしよっか、ウ・ルダイさん?)」

     あくる日のサンシェイド。照り付ける日差しも中々の陽気な街並みを歩きながら、行商人ウ・ルダイはとあるちょっとした懸念にため息をついた。
     今回の用事は討伐依頼、砂漠で徒党を組んだ盗賊団を蹴散らす仕事だ。とはいっても砂漠の盗賊は曲者だらけ、居所を特定しないと話にならない。なのでもちろん情報収集からになるのだが、ウ・ルダイのちょっとした懸念はそこにあった。
     サンシェイドの大通り、一歩前を歩いてそれとなく歩きやすいようにしてくれているヨルンの横顔を見る。印象的な目つきに銀の髪、武骨な雰囲気だけどよく見たら小柄で実はウ・ルダイよりも背が低い。いや身長に関してはウ・ルダイが勝手にでかいだけなので仕方がないのかもしれないが。顔がいいというわけではないが目を惹く容姿をしているのは違いない、このウ・ルダイが目を離せないのだから絶対そうなのだ。しかもそれに対して本人はまったく無頓着なのが猶更悩ましい。
    2053