エメ零生ifの進捗『——では、これで授業を終わります』
休み時間に突入し自由に過ごし始める生徒達の中、零生は座ったまま俯いていた。
(おかしい……こんなの、おかしいよ……!)
少し顔は暗いが、それ以外はいたって普通に見える。しかし零生には変化が起こっていた。一見すると分からない、それでいてはっきりとした、彼にとって大きな変化が。
(なんで、こんなに、からだ……)
無意識に手が下腹部を押さえてしまう。今まではこんなことなかったはずなのに、奥が疼いて仕方がない。他人からの視線を受けるたび、鼓動が早くなる。
原因は分かっていた。しかし……
(でも、あんなこと、またするのは……)
あんなこと。それはつい一週間ほど前のことだった。
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