どすけべリエテオ作業中のテオに声をかけたリエーレがいきなり口付けをして、とある魔術を飲み込ませる。油断しきっていたテオは解析する間もなくそれを体内に入れてしまい、自身を襲う変化にその魔術を理解する。
それは『相手を発情させる』『男性に子宮を生成する』効果を持つ魔術だった。
リエーレが何日もかけて大量の魔力を注ぎ込み、生み出した術式はそう簡単に解けない。テオは急いで解呪しようとするが、そんな暇は与えないとリエーレが迫る。リエーレはテオを壁際に押し倒すと服を無理矢理脱がせ、自身の股間に生やしたペニスをテオに挿入した。
早く解呪しようと術式の解析を始めるテオ。しかし魔術のせいか頭ははっきりせず、膣内に感じる快感に声をあげないよう耐えるのに必死だった。
「どうしてこんなことを?」
そう話すテオの顔にいつもの余裕は無い。リエーレはくすりと笑い、
「旦那様がいつまでたってもアタシを孕ませてくれないというのなら、アタシが旦那様を孕ませるまでですわ」
と話す。テオの腹部にはリエーレのペニスの形がうっすら浮かんで見える。
「今の発情した旦那様なら、確実に受精するでしょうね……うふふ、一体どんな子が生まれるのか楽しみですわ♡」
テオの腹を何度も撫でるリエーレは嬉しそうだ。
声を押し殺し、荒い息をこぼすテオは、ずっと下半身に視線を落としている。解呪は中々進まないようで、いよいよ焦りが見えてきた。
そんなテオを邪魔するかのように、リエーレは顔や首元に何度も口付けをする。
「そう我慢しなくてもいいんですのよ、旦那様……♡ こんなにきゅうきゅうと締め付けてきて……可愛らしいですわ♡」
優位に立っていることに興奮を覚えているのか、リエーレが腰を打ち付ける速度はだんだんと早くなる。締まる膣内はもう受精準備が整っている。
「ああ、旦那様……! アタシの愛、受け止めて……っ!」
快感に耐え切れず、ついに射精した――その瞬間、リエーレは膣内の変化を感じ取った。まさかと思ってテオを見るとその顔には笑みが浮かんでおり、リエーレが疑問を口にしようとする間もなく、テオから口付けをされた。
頭を強く掴まれたリエーレは、逃げようとしても逃げられない。深くまで舌を入れられ、ようやく離れた唇からは涎が糸を引く。リエーレの顔は酷くとろけていた。
恐怖と快感に震える脚は立っているのが精いっぱい。そんなリエーレを見つめるテオの瞳は、とても暗かった。
「随分と、勝手なことをしてくれたね」
呟いたテオはリエーレの開いた口に手を突っ込み、舌を引っ張り出す。そこには複雑な紋様が刻み込まれており、赤黒く不気味に光っていた。
舌を掴まれたリエーレの身体はびくびくと痙攣する。その顔は嬉しそうにも見えるが、とても苦しそうにも見える。
テオがリエーレに刻んだ術はリエーレが組んだ術式の応用。快楽を上げると同時に、苦痛も同じほどに上げるものだった。
「あ……っ! だんな、さまぁ……はぁ……っ!」
言葉に出来ぬ感覚に、震えながら嗚咽をこぼすことしか出来ないリエーレ。どこか悔しそうな表情を浮かべているリエーレに対しテオは、
「君と僕では、頭脳も経験値も魔力も、何もかも大きな差があるんだよ。僕を出し抜こうだなんて、一生かかっても無理だね」
と、ズボンを履き直しながらリエーレを見下す。
額の汗を拭き、いつもの落ち着きを取り出したテオ。壁際に寄り掛かるリエーレに近付き、首筋をそっと撫でた。襲い来る快楽と痛みに、リエーレは激しく痙攣するしかできない。
上手く喋ることもできず、ただ身をよじるリエーレ。テオは追い打ちをかけるように、リエーレの腹部を何度も強く押す。
先程より強くなる感覚に耐え切れず、リエーレは何度も嗚咽と涎をこぼす。自信満々な普段の表情とはかけ離れた弱々しい表情で、愛液やら精液と尿の混ざった液体やらを下半身から垂れ流している。
テオはリエーレの頬を撫で、
「この術はあと5分くらいすれば自然に消えるし、痕や後遺症も残らないから安心していいよ。僕はシャワーを浴びてくるから、ここの片付けはよろしく」
そう言ってリエーレに背を向ける。
部屋の外に出ようとしたテオは足を止め、振り返る。
「そうそう、僕は君と子供を作るつもりは一切ないから。未来永劫、絶対にね」
嘲るような笑みを浮かべたテオは、それだけ言い残して部屋を去っていった。