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    もっち

    @mochitto0110

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    もっち

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    趣味。

    大寒も過ぎたし飛梅の開花もしてしまった。

    にわとりはじめてとやにつく「おまたせしましたー!カタ麺味玉付きね」

    ───時間はお昼のピークを少し過ぎた頃、店内はまだ多くの客で賑わいを見せている。
    厨房では次々にラーメンが作られており、調理人の踊るような手さばきはまるで魔法のようだ。
    そうして出来上がった一杯をダンとカウンターに置いて、店主であるひろしがそう声をかけた。

    「味玉のトッピングは頼んでいないのじゃが」
    まさか殿は怪訝な顔をしてそう答える。ラーメンのプロである彼女が、注文を間違えるなんで思わないのだが。

    「いいといいと!わざわざ東京から来店してくれたまさか殿へ、アタシからのサービスやけん」
    そう答えて彼女はニカッと笑う。
    「それに、大寒の日の卵を食べると、その一年は健康になれるって言うけんね!」

    大寒。一年で最も寒さが厳しい季節。
    本州の南に位置し、朱雀の加護を受けている九州であれど寒い時は寒い。加えて、自分は東京から空を飛んできているからエネルギーを使っている。体が、温かいものとカロリーを欲している。そう、具体的には安くて美味くてすぐ食べられるラーメンとか。
    なので、太宰府に行く前にひろしの経営するこのラーメン屋に立ち寄ったのだった。

    「なるほど、サービスならば有難く頂こう。あ、替え玉カタ麺3玉追加で」
    「かしこまりましたー!」

    やはりラーメンは美味い。全国各地、様々なご当地の味があり、飽きることがない。博多特有の細い麺すすりながらまさか殿は思案した。
    その幸せそうに食べる顔を見て、ひろしの胸にじんわりと嬉しさが広がる、料理人としてこれ程やりがいを感じることはない。やる気が満ちた彼女は、ハチマキを締め直し、次のラーメン作りに取り掛かった。

    スープまで飲み干し、ほうと息をついてどんぶりを置く。
    先ほどまで冷えていた体もすっかり温まり、じんわりとした幸福感に包まれている。
    そうして会計の為にカウンター越しに店主に声を掛けた。

    「美味かった。ご馳走様」
    「ありがとうございましたー!あっ!まさか殿今から太宰府に行くんなら、おつかい頼んでもよかかな。さっき言った大寒卵、天神様にも差入れしたくて」
    あの方はいつもアタシ達が住むこの土地を守護してくれているから。と卵をくるくると新聞紙に包みながら話す。
    「分かった。渡しておこう」
    そう答え、包みを受け取り店を出た。
    古くからの友人が福岡の守護者としてずいぶんと慕われているのが分かり、まさか殿は嬉しく思うのであった。

    場所は変わって太宰府。
    海に近い市内よりも、ここはずっと寒い。
    割れやすい卵を懐に抱えている為、本州から飛んできた時よりは速度を落として飛行
    天満宮と同様、たくさんの梅の木が植えられている庭を見渡し、ふと一本の梅の枝を見る。そこには、早くも開きそうな白いつぼみが数個。まだこんなに寒いのに、もう春の気配が近いらしい。

    庭を通り過ぎ、入口で声をかけると、中から家主が出迎えてくれた。
    「やあ、まさか殿いらっしゃい。外は寒かっただろ?中にどうぞ」
    「ああ、お邪魔する。と、これ。ひろしからの預かりものだ。これをお主に渡して欲しいと頼まれた」
    「わ、立派な卵だね。僕らの時代では卵は希少でなかなか食べられなかったけど、この時代はいいねぇ。美味しいものがたくさんだ」
    どうしんが包みを受け取り、嬉しそうに答える。

    「大寒卵というそうじゃの。それを食べると一年間健康で過ごせるんだとか言うておった」
    「ああ、なるほどね。それならいつも以上に有難く頂こう。
    何にしようかな…いっそのことそのまま生のまま飲むとか」
    「おい、本気か」
    「はは、冗談だよ。さ、中でお茶でも淹れるから入ってくれ」

    こんな差し入れをもらったからには、明日のお祈りはもっと力を入れないとね。
    にこにこと話す彼に、かつて怨霊と恐れられた面影は無い。まあ、自分も人のことは言えないのだろうけど。

    「そうだ、沢山卵があるんなら、おでんでも作ろうかな。そうしたら、福岡のみんなにも食べてもらえるしね。せっかくだからまさか殿もどうだい」
    そんな魅力的な話に誘われて断る理由などない。
    「うむ、良いな。妾も手伝おう。おでんには日本酒が合うだろうな」

    飲みすぎて健康を損ねないようにね、と苦笑した声を聞きながら、まさか殿は楽しくなるだろう今日の夕食について早くも思いを馳せた。

    ──その後、太子から寒稽古に無理やり付き合わされているので助けてくれ、と晴明から救助要請が入るのはまた別の話。
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    ムーンストーン

    DONEメガンテを巡るポップとダイの攻防戦。(ダイは籠城戦です。外から友軍が来ないと敗ける…)R-18は念の為。
    ほぼ会話オンリーです。ダイが弱々で、アニメ58話冒頭の戦意喪失ダイにキュンとなって衝動的に(略)
    別の話になる予定だったので後で統合するかもしれません。
    魔法契約設定も含めて捏造だらけですが、ダイ大の「メガンテは魔法が使える人ならだれでも使用可能」設定だと契約なしで使えるかも?と妄想しました。
    The Point of No Return 回帰不能点〜ダイ酒場兼宿屋は夜になってもざわめきが消えない。
    人里離れたデルムリン島育ちのダイが人の気配の濃厚さに気疲れしているのを悟ったポップはダイに先に風呂へ入れと促した。
    カラスの行水ですぐ部屋に戻ったダイと入れ替わりにポップが一階の風呂に行くと、ダイは寝る前の準備として二人の荷物をすぐ持ち出せるようにそれぞれのベット上の足元に置いた。
    それは二人がデルムリン島から冒険の旅にでたときからの習慣だった。

    不思議なことに魔王軍に夜襲をかけられたことはほとんどないが、野生動物や凶暴化したモンスターに襲われたことは何度もある。

    ダイが相手を剣で切り払えば返り血で服や荷物が汚れるし、ポップがうっかり最近出力が上がり続けているメラを放とうものなら山火事になりかねない。
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