(お腹減った……)
ぐう、と聞いた訳でもないのに、自分の腹の音がした気がして目が覚めた。
「うわ、充電してない」
残り十五パーセントのスマートフォンを点け、時間を確認する。
深夜一時。異様な空腹、充電が残り少ないスマートフォン。それだけで、全てを察した。
ひとまず、定期連絡帳と化したメモアプリを開き、ウルフからの伝達事項を眺める。珍しく何も残っていなかったから、どうやら今回は睡眠欲が一番勝ったパターンらしい。それならば、この空腹も納得だ。
ぐう、と今度は本当に腹が鳴った。ウルフに変身する前は何をしていたか思い出す。そういえば連日寝不足だった。
このままもう一眠りしようと思ったが、腹は減った、目は冴えている。スマートフォンを充電ケーブルに差し込んだところで、そのまま眠るはずもない。
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