「暑……モリヒト、アイス食べよ」
梅雨明け十日とはよく言ったもので、晴天続きの通学路はアスファルトの照り返しも強く、暑い。
「いや、オレは別にいらん」
「えーっ、こんなに暑いのに?」
暑くなる前にと出掛けたものの、帰る頃には最高気温に到達する時間だった。ただ歩いているだけで汗は出るし、こんな日はミハルのように日傘が必要かもしれない。
何かと趣味が合うから、モリヒトとケイゴはよく休みの日によく一緒に出掛けていた。
開店と同時に店を巡り、適当な店でランチをして帰る。よくある行動パターンだが、それ故に気温のことを忘れていた。
今年一番の最高気温、エアコンを適切に利用し、不要不急の外出を避けましょう、とうたう天気予報。わかっていたのに、まさかそんな時間に屋外にいるとは。
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