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    ひじのくぼみ

    @hijinokubomi

    主に父水を書いてます

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    ひじのくぼみ

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    これは拙作ショタ×ショタ父水「冥婚前章」https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=22135470のモブ視点の中学生時代の番外編です。生まれ変わった水(記憶なし)を追ってきた父が変身砂を使ってショタ姿になり幼馴染として育っているという設定の話。はじめてネームドモブが出てきますが、菊池晴香ちゃんは父のことも水のことも別に好きじゃないです。

    左隣の水木くんと右隣のゲゲ郎くん 見ようによっては逆カプに見えるかもですが、父水のつもりで書いてます。
     誤字脱字多分たくさんあります。

     放課前のホームルーム。今日は二年生になって二回目の席替えをする。このクラスの席替えは一ヶ月に一回。席順はくじ引きで決まる。一列は左が男子で右が女子の組み合わせで成り、通路を挟んで三列作る。
     できるだけ後ろの席がいいとか、同じグループの子の近くがいいなあとか、ぼーっと考えながら引いたくじに書かれていた文字は7番。窓際の後ろの方。よっしゃ!!
     今回はなかなか運が良かったと、うきうきで指定された場所に机を持って移動していた私。今日この日から一ヶ月間ずーーーーっと次回の席替えの日を待ち遠しく思って過ごすことになるなど、この時には全く予想していなかったのである。
    「よろしくな」
     一瞬眩暈がした。貧血とかじゃない。笑いかけてきた今回隣の席になった男子の顔面の良さにした眩暈だ。水木くんか……。
    「……あ、うん。よろしく」
     カースト上位の女の子たちの視線が頭に突き刺さる。うん。わかる。みんな学年一の綺麗なお顔を持った人と仲良くなりたいよね。あーあ、運が良かったのか、悪かったのか。接し方を間違えるとヘイトを買いそう。
    「水木!今回は隣じゃ!」
     いや、間に私居るんだけどね。満面の笑みで私を通り越して水木くんに声をかけているのは、通路挟んで隣になったゲゲ郎くん。冗談みたいな名前だし、銀髪だしで一見ヤンキーだけど、性格は優しいしおじいちゃんみたいな喋り方するギャップのすごい子である。とにかく個性的なこの子が一番水木くんに強火なのは有名な話。まじで水木くんにしか興味ない。一対一だと割と感じのいい奴だけど、水木くんがいるとずっと水木くんだけを見つめてて、他は空気も同然になる。二人は幼馴染らしく、「こいつ人見知りだからごめんな」と何度か水木くんがフォローしてるのも見たことあるけど、ズレてるよなあと毎回思っていた。
     そしてゲゲ郎くんは強火かつ同担絶許なので、誰かが自分抜きで水木くんと話そうもんなら、さっきの女子たちの比じゃないくらいに強い視線で突き刺してくる。未だ不在の水木くんの彼女の座を狙う女子たちが、水木くんになかなか近づけないのはこんなわけもあるのだ。セコムというか鉄壁の壁というか、とにかく強いガードマンが常に側にいるから。自分が一番仲良くないとヤダみたいなすっごいめんどくさい子、女子では何人か見たことあるけど、男子でここまで一人の友達に執着するの子って珍しいよね。一方の水木くんも、幼馴染のそんな面倒臭い仕草をうざいとは一切思わないようで当たり前みたいに受け入れているし、なんなら嬉しそうですらあると私はちょっと思っている。
     あーあ、この二人に挟まれるんか。絶対邪魔だと思われてるじゃん、ゲゲ郎くんに。これから耐えられるかなあ。
     

    「まじで気まずい」
    「うちもあの席は無理。相当空気読めないときついでしょ」
    「それかガチで狙ってるかじゃないと戦えないね」
     昨日の席替えの一部始終を見ていた友達たちに愚痴を漏らせば、心底同情される。現在も私の席は我が物顔のゲゲ郎くんに座られているので、友達の机に寄りかかっていた。顔を寄せ合って楽しそうに笑う二人をここから見ている分にはどうぞお好きにやって下さいなのだが、もう朝のホームルーム5分前。そろそろ席に戻らないといけない。重いため息を心の中でついて、意を決して安全地帯を離れると、同じクラスになって3カ月目、徐々に見慣れてきた銀髪に声をかけた。
    「ごめん、そろそろ席に戻りたいんだけどいい?」
     できるだけなんでもないように笑って声を掛ければ、学年一の美形と戯れてた銀髪は「そうか。もうそんな時間じゃったか」とすんなりどいてくれた。良かった。ほっとはしたが、贅沢言うと私は他人の体温が移った椅子が苦手だ。毎日これが続くのかと憂鬱な気分で席について、違和感に気づいた。あれ?あの生ぬるい感じがない。……じゃあ、まあいっか。

     事件はホームルームが終わって、1時間目の数学に起こった。担当の先生が入ってきて開口一番にゲゲ郎くんが言ったのだ。
    「しもうた!先生、わし教科書を忘れてしまったんじゃ!水木に見せてもらってもいいですかのう」
    「……菊池に見せて貰えばいいじゃないか」
     菊池晴香ちゃんはゲゲ郎くんの隣の女子である。
     みんなの視線を一斉に集め、またゲゲ郎くんからジトーっと効果音のつきそうな視線を送られた晴香ちゃんがそっと自分の教科書をノートで隠すのを私は見ていた。
    「……先生、私も忘れました」
    「何やってんだお前らは!?やる気あるのか!?」
     可哀想すぎる。私が晴香ちゃんでもきっと思わず同じことをしてしまうであろう状況だ。あまりに理不尽で同情をせずにはいられない。自分だったら暴れている。
    「仕方ない。予備分があるから、今日は二人でこれを見なさい」
     頭を掻いた先生が、イライラしたように一冊を二人に差し出した。……残念だったねゲゲ郎くん。晴香ちゃんはただただ不憫。でもまあ流石にこれでもう授業に入るだろうと教科書を開こうとした時だった。
    「……ひっ、ひぐ、ひっ……、ワシは水木と見たいんじゃあ」
     クラス中がギョッとした。先生も教科書を差し出したまま固まっている。しかしゲゲ郎くんの嗚咽と目から溢れる大粒の涙は止まらない。え?泣いてる!?中二男子がここで泣く!?
    「みずきと、みずきと」
     誰もが何も言い出せぬ状況で、隣からガタリと音がした。
    「ちょっとごめん」
     そう声をかけられて、私の後ろを水木くんが通っていく。それからの様子はもう口を開けたままぼーっと見ているしかできなかった。
    「泣くなよ」
     水木くんは、ゲゲ郎くんの肩を抱いて、流れるような仕草で袖口でゲゲ郎くんの涙を拭った。「王子…?」思わず漏れ出たというようにそう呟いたのは晴香ちゃん。私より間近で喰らっているので仕方ない。ゲゲ郎くんは水木くんの胸に顔を埋めてまだグズグズと言っている。
    「先生、お願いします。今日だけ、今だけ、僕と菊池さんで席を変わってもいいですか」
     キリリとした美形が先生に訴えかける。
    「お、おおお、おう」
     中二の男子に駄々を捏ねられ泣かれた衝撃と、美形からの真摯な懇願に混乱したであろう先生からは、返答と鳴き声の中間みたいな音が出ていた。それに猛スピードで反応したのは晴香ちゃんである。ものすごい勢いで机の上のものをかき集めて、私の隣に走り寄ってきた。そして今度は水木くんのノートたちをかき集めて、自分の席に置いてまたすごい勢いで戻ってきた。
    「あ、菊池さんありがとう。迷惑かけたな。ほら、ゲゲ郎も泣き止んで謝れ」
    「すまんかったのう。ありがとう」
     水木くんの胸から顔を上げたゲゲ郎くんはボロ泣きしていたのが嘘みたいに、ニコニコの綺麗な笑顔だった。「一体なんだったんだ」これがクラスと先生の総意だったと思うが、誰も何も言い出せない。
    「ほら、ゲゲ郎」
    「うむ。すまんのう」
     他が黙り込む中、水木くんが机をくっつけてゲゲ郎くんに教科書を見せている。ピッタリと体を寄せて、教科書を覗き込むゲゲ郎くんの声にはひとつも申し訳なさそうな声は浮かんでいない。うっきうきだ。めちゃめちゃご機嫌である。そこでさっきの水木くんに負けないくらいキリリとした声が上がった。
    「先生、授業を始めましょう」
     晴香ちゃんである。声はキリリとしているが、顔は死んだ魚みたいな目で黒板だけを見ていた。そして普通に自分の教科書を出している。
    「お、おおおう」
     また鳴き声見たいな返事をした先生も、もちろんそこにツッコムほどバカじゃないだろう。これまでの時間を無駄にして事を振り出しに戻すだけなのだから。
     粛々と授業が始まる。中学校の教室、普段であればそれぞれザワザワと思うことを口にしただろう状況だ。しかしそうするとあまりに面倒臭いことになりそうだと思ったのか、誰もが口を閉ざし、ただ黒板に書かれた数式を見ていた。チラリと右に目線を移せば、シャーペンも持たず隙間なく水木くんに寄り添って嬉しそうに笑うゲゲ郎くん。私は先生の動揺を表すように震えた文字を板書しながら、ノートの端に「お疲れ」と書いて切り取り、晴香ちゃんに渡したのだった。
     
     
     
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    ひじのくぼみ

    PROGRESS奥様と倅と三人で平和に暮らす父がある男と友になる話
    ⚠️父水です
    ⚠️男性妊娠あります
    ⚠️水が子持ち人妻ですが、モブ水ではありません
    ⚠️不貞の共犯者な二人がいます
    未定「さて、ワシも出てみるか」
     朝、仕事に出かける妻を見送り二度寝をしたら、起きた時には太陽は真上に昇っていた。ボリボリと頭を掻きながら居間に行けば、ちゃぶ台の上には握り飯と書き置きがある。鬼太郎は寝こけた自分を放って先に昼飯を食べて友だちと遊びに行ってしまったらしい。この田舎には一週間前に越してきたばかりなのに、よくすぐに友だちができるのものだ。まだ子ども故なのか、類稀なる社交性を妻から受け継いだのか。用意された昼飯を食べて、自分もまだ挨拶できていない仲間を散歩がてら回ろうと家を出た。
    「よう考えたらまだ昼じゃったな」
     妖の仲間に会うなら夜出てくるべきだったと思うが、寝起きでどうも頭が回っていなかったようだ。結局誰に会うこともなく、ブラブラと歩いていると雑木林を見かけた。暑さや寒さには強い体質であるが今日はなんだか日差しが妙に辛く感じる。日陰を求めて迷わずそこへ立ち寄った。涼しい風が抜けていくまばらに生えた木の間を通っていくと、徐々に太陽に焦がされた皮膚が冷えてきて心地よい。ここのように少し暗い場所なら妖たちにも会えるかもしれんと、足取り軽く歩いていればある大木が目に入った。その大木の周りには他の木はほとんど生えておらず、一本だけまるで隔離されているようだった。
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    ひじのくぼみ

    PROGRESS麻酔科医×医大生パロの父水♀
    完成したらちんどんさんに捧げたい
    ⚠️どっちも人間
    ⚠️この後父に水をNTRされるモブ彼氏あり
    ⚠️書き手は医学部じゃないので、細かいところは目をつぶって…
    未定 夢だろうか……。
     自分と手を繋いで歩く一目惚れの相手を見下ろす。十分前までは二度と話すどころか、見ることさえ叶わないと思っていた相手である。
     昨日、水木と引き離された後、すぐに呼び出しがあった。呆れ顔の医長に「立派なセクハラだよ」と叱られ、指導医は解任、二度と水木に接触しないようにと厳命された。なんと世知辛い。ただ出会ったのが指導医と学生の関係というだっただけなのに。
     さらに辛いことには、この気持ちが水木本人に全く伝わっていなかったことである。確かに上手く話かけられてない自覚はあったが、まさか嫌われていると思われていたとは……。学生課に訴えられたということは、怖がらせてもしまったのだろう。
     絶望的すぎる人生二度目の恋の行方に、昨晩は一人息子の鬼太郎が寝た後ひとり泣き明かした。なんとか今日も仕事には来たが、彼女に会うことはもちろんできないし、学生がオペ室に見学に来ている間は隠れていろと医局に閉じ込められて、姿を見ることもダメなのかとまた涙が出た。
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    ひじのくぼみ

    MEMO父水マイルド不倫verのあらすじ。
    最近、以前呟いた不倫父水を読みたいですと言って頂いたけれど、いきなり本物の不倫を書くのはハードルが高すぎるので(モブを使わない話ではできるだけ誰も悲しい思いさせたくないため)同じ系統でマイルドな話でワンクッション置かせてほしいですと言っていたやつのあらすじ書きました!送り主さんへ届けっっっ!!
    ⚠️不貞の共犯者な父水出てくるから苦手な人は絶対踏まないでください。
    あらすじ妻と倅と3人で暮らす父。
    父視点
    ある日散歩に出掛けてある大木を見つける。その木には窓のような樹洞があって、覗き込むと美しい瞳を持つ男がいた。人間のようで同族にも似た雰囲気を持つその男は、自分を知っているような反応を見せた。どこかで出会ったことがあるのかと聞けば、「いいや」とおかしそうに否定される。そこからは他人行儀な対応をされる。
    どうしてここにいるのかと問えば、住んでいるから。一人でかと問えば、夫と子どもとと言う。そこから話が弾んでいく。初めて話た気がしないくらい、息の合う会話に居心地の良さを覚えもっと仲良くなりたいと思う父。そこから出てきてくれないかと頼むが、ひとりでは外に出てくれるなと言われていると断られた。俺の夫はやきもち焼きだから、帰ってくる前にそろそろお前もここから去った方がいいと言われる。「気になっていたがお主の夫は幽霊族、ワシと同族ではないのか?」と聞く。
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