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    くらむ

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    オレ/僕専用の。

    #司類
    TsukasaRui

    ワンライ『オレ/僕にしか分からない』(2023/04/26) ぐっ、と背を伸ばし固まった筋肉を伸ばす。
     今日の課題としていた演出の方向性も決まり、あとはワンダーランズ×ショウタイムの四人で作り上げていくだけの段階まで持っていくことが出来た。
     簡易図面を机へと運び終えると既にソファに座っていた司が手招きする。
     キシ、と二人分の体重を受け止めたソファが音をあげるのを聞きながら、肘置きに体を寄りかからせた司へと背を向け体重を預けた。
     彼は定期的にこうして自分を腕の中に閉じ込める。
     最初は恥ずかしさもあり抵抗していたこともあったが、なんだかんだ彼から届く体温の温かさが癖になってしまい、今では大人しく腕の中に収まるようになった。
     ソファでは狭いだろうからマットレスでも用意しようかと提案をしたが、どうやら彼はソファという狭い空間での触れ合いが好きらしい。

    「ん?…類、シャンプー変えたのか?」

     溜まっていた疲労が襲いかかり夢と現の狭間でうとうとしていた時、突然後ろから投げかけられた言葉で意識が急浮上する。
     慌てて逃れようとするも、しっかりと固定されてしまっており身動きが取れない。

    「つ、司くん!!君は一体何を…!?」
    「何って、お前の香りを嗅いでいるだけだが」

     何をそんなに慌てているんだ、とでも書いてあるかのような表情で平然と返されてしまい力が抜ける。
     抵抗を諦めて体を反転させると、全くもって平常な表情をした司の顔がそこにあった。

    「人の匂いを嗅いで、何が楽しいんだい…」
    「類の香りは落ち着くからな。普段から機械に触れているお前が、実はとてもいい香りがすると知っているのはオレだけなのではないかと思うと…つい、な」

     照れくさそうに返されてしまい、止めようという気が失せてしまう。
     すると湧き上がってくるのは、好奇心だった。
     シャンプーを変えたのか…という疑問は、つまり司が類から受けとった匂いが違うものに変わっていると感じたから生まれたものだろう。
     確かに昨日は母が知人から使用意見が欲しい、と貰ってきたらしいシャンプーに変わっていたが…本当にわかるものなのだろうか。
     そして、なにより……自分も、気になってきてしまったのだ。
     抱きしめてくれている司の首元に顔を寄せると、鼻から息を吸い込んだ。
     空気に運ばれ届いたこの匂いには覚えがあった…司の部屋のものと似ている。そう認識した途端、なんだかふわふわとした感覚が身体中を包み込んだ。
     成程、これは確かに落ち着くかもしれない。

    「っ、類…もういいだろう?」
    「……君ばかり、ずるいよ。僕にだって権利はあるはずだ」
    「だがな……オレも、まだ足りないんだ」
    「いやだね」

     自分の首元に顔を寄せようとし動く首を固定すると、再び鼻から息を吸い込む。
     異性の匂いは遺伝子の都合で良い匂いに感じやすいとどこかで見たことがあるが、同性はそうなる事は少ないらしい。
     自分達はその数少ない中に入っているのだろうか…それとも、遺伝子を超える何かがあるのかもしれない。
     胸の中があたたかい気持ちでいっぱいになって、再び眠気に襲われ始める。

    「類?」
    「………ん、ぅ…」
    「眠いのか?」

     離れていく香りを逃したくなくて、足を絡ませる。
     思いっきり抱きしめたら微かな呻き声が聞こえた気がしたが、よく分からなかった。
     首元に小さく息がかかりこそばゆい気持ちが生まれるが、すぐに気にならなくなった。

    「………やはり、類の香りは…落ち着く」
    「……ん、ぁ……?」
    「ああ、すまん…寝ていいぞ。後で起こしてやる」
    「…………んー………」

     背中を撫でる温かな手に導かれるように、既に殆ど残っていなかった意識を手放した。
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    たまぞう

    DONE先にポイピクに載せます。
    日曜になったら支部に載せます。
    将参のお話。この間のとはセカイは別になります。
    ちょっと痛いシーンがありますがそこまで酷くないです。
    寧々ちゃんが森の民として出ますが友情出演です。
    最初と最後に出ます。
    何でもいい人向けです。
    将校は参謀と同じ痛みを感じて(物理的)生きたいというよく分からないお話ですね。
    誤字脱字は見逃してください。それではどうぞ。
    将参(友情出演寧々)「ねぇ、その首の傷痕どうしたの?」
    「っ、っっ!?」

    仕事の休憩中に紅茶を飲んでいた時のこと。
    正面の窓から現れた少女に私は驚き、口に含んでいた紅茶を吹き出しそうになった。

    「っ、ごほ…っ、げほっ、ぅ………。来ていたのですか…?」
    「うん。将校に用事があって……というか呼ばれて」
    「将校殿に?」

    森の民である緑髪の少女ーーー寧々は眉を顰めながら、私の首をじっと見つめている。そこには何かに噛み千切られたような痕があった。

    あの日のことを話そうか、少し迷っている自分がいて。
    どうしようかと目線を泳がせていると、寧々が強い力で机を叩く。

    「ほら!話して!」
    「………わっ…!わかり、ました」








    あまりの気迫に押された私はぽつりと語り始めた。
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