酔いどれゆまおさ 今日は中学校の同窓会
修も遊真も二人ともお酒を飲んだ。
近くで開催されたのもあり、二人とも歩いて帰る事にした
修は明日も仕事なのでいつもよりかなり控え目
遊真は珍しくぱかぱかコップを開けてにっこにこ
いつもは三雲の方が飲むのにな
何か楽しい事でもあったのか?
聞かれた修は困った顔で汗をダラダラ流していた
二次会のお誘いを丁寧に断って遊真と二人外に出る
冷たい風が心地良い
遊真が少し先をフラフラと歩き、それを後ろから眺める修はヒヤヒヤしていた
そんな修の気持ちを揶揄うように遊真が人の流れに逆らって、でも綺麗に避けながら進んでいく
まるで踊るように泳ぐように進む姿を通りすがりの人たちも微笑んでその姿を目で追っていた
揺れるマフラーとコートの裾
風にふわふわ舞い上がる漆黒の髪の毛
きれいだな
ぼんやり眺めていた修に
遊真がくすくす笑いながら振り返り、
「オサム〜走ろう」
差し出した右手に修は躊躇わずに左手を重ね、
「随分楽しそうだな」
問いかける
弓形にした紅い瞳を修に向けて
「さあ、なんでだろうね」
ご機嫌に答えた遊真
「なんだそれ」
ふっと修がため息を吐き
「できたらゆっくり行ってくれ」
メガネを直しながらそう言うと
「酔ったお前は新鮮だ」
こんなに陽気になるとはな…
「続きは家で二人で飲もう」
照れた仕草で遊真の手を握り締め、それを悟られない様にぐいぐい進んでいく修の耳が真っ赤なのを、遊真だけが気がついた
*遊真がピッチ早く飲んでいたのは修がかまってくれなかったからです