生まれ変わった記憶持ちの不死川実弥余生義勇、実は鬼化炭治郎との接触が影響して恋仲になった不死川が先に逝った後も不老で生き続け仲間全員を見送って来たんだけど、一人きりなのは寂しくてずっと引きこもっていた。鬼の血も薄れた百年後、普通の人として生きるようになったある日恋人の生まれ変わりと出逢う。
名前は実弥。
昔と同じ同姓同名、瓜二つ。目が合った瞬間人目も憚らず抱き締められ涙声で名を呼ばれた。どうやら百年前の記憶が有るようで義勇をずっと待っていたと言う。長い間孤独な時を過ごして来た事と二度と会えないと思っていた恋人に会えた喜びで涙が止まらない義勇。自分が百年前から生き続けて来た事を告げ再び一緒になる。
長年夢見てた実弥と過ごす日々。幸せだと感じているけど事ある毎に百年前の実弥と恋仲だった短い期間を思い出すようになる。
怒涛の記憶を引き継いだ、少し怒りっぽくとても優しい、間違いなく己の愛した実弥なのに、笑顔が少し違う、手の硬さが違う、傷の数や目の鋭さ、色んな場所が、何もかもが違う。
百年前の実弥が目の前の彼を許してくれない。よそよそしくなった義勇に気付いていた実弥。義勇が自分を見ているようで見ていない事、その思いを察していた。不死川実弥は自分以外他に居ないのに、何故駄目なのだろう。
「ごめん、お前は、実弥じゃない…」
「それでも俺は、お前を離す気はねェよ」
その後も二人で日々を重ねやがて何年も時が過ぎ、今度は実弥が義勇を看取る事になるが、どんなに思い出を積み上げようと、どんなに愛情を注ごうと、死ぬまで義勇の一番になれなかった不死川実弥の生まれ変わりの話し。
「なァ義勇、俺が一番だって言ってくれよ」
「…愛してる、実弥の次に、2番目に」