ミリオ君と治崎の味噌汁「これ」
やった気付いた。
「うん、治崎のとこの聞いてきた。」
治崎と同居を始めて一ヶ月たった。最初の一週間が過ぎた頃、一緒に住んでるのにお互いの事を知らなすぎるということで夕食とその後15分だけは出来るだけ一緒に過ごすことになっている。
「治崎のところ麩が入ってるんだね、俺初めて入れたかも。美味しいね。」
「ああ、お前いつもワカメと豆腐だよな。」
返ってきた。いつも唾が飛ぶからって黙ってろって顔するのに。嬉しい。
「時間無くてだしとお味噌は今までのだけどね。」
ドキドキしながら返事をする。もうダメかな?
話は返ってこなかったが、治崎の珍しい顔が見れたから良しとする。
治崎はあまり自分の事を話さない。俺だからだろうかと思って前の担当の人間に聞いてみたが同じようで、そこまで嫌われていないようだと安心した。
「ねね、次の当番の時治崎作ってよ。お味噌と出汁分けてもらったからさ。」
「あー、うん。」
「やった!でも具材切るのはまだ危ないから俺がするね。」
片付け中、返ってこなかった会話を続行させた。ようやく会話らしい会話が治崎と出来るようになってきたので、通形はこの15分間をどうにかあと2、3分延ばせないかと考えている。あっちもそうだといいけど。