最低な嘘「あーーやりたくねぇ~~…」
俺の眼前に置かれたそれなりに大きい机には女の子達から借りた可愛いが露出の多い服が何着か並んでいる。フリルが付いたもの、腹が冷えそうな程丈が短いトップス、それはもはやパンツが見えるんじゃないかってくらいの長さのスカート、背中が大きく開いたワンピース。どれを取っても俺にとっては最悪だ。__彼女達には申し訳ないけど。女装癖を持たない俺にとっては着る機会なんて露ほども無い服たち。
そもそも俺が貴重な休みの夜の時間を使ってまでレディースの服を選んでるのは全部一昨日の朝のあの電話のせいだ。
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クラブでの仕事を終え、始発の電車に乗ろうと、人が疎らな街をのんびり歩く。歩く俺の視界に入る人々は様々だ。酒に飲まれたサラリーマン、颯爽と歩くOLらしき女性、よく分からんじいさん。まぁでもそんなもんだ。夜よりも少なからずは治安が良い朝のその街を一つ一つ楽しむように歩く。
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