【学パロ】一人の男として 「湊くんと仲良くなりたいんだよね」
「天沢さんからお願いしてくれない?」
そう言われ朱里は「はあ」と曖昧に頷くことしかできなかった。クール、しかし顔がいいことで有名な朱里の後輩である湊康平。学年は違うが文化祭実行委員にたまたま同じ時期でなったことにより朱里は康平と顔見知り、よく話す後輩、くらいの仲になっていた。そしてそのおかげというべきかせいというべきか朱里はこう言った頼み事をされることが増えていた。とはいえ、康平本人がそういうのを嫌うため「康平くんに聞いてみないことには…」と当たり障りのない返答をするしかないのだが。
はぁ、と重く深くため息を吐く朱里を顔色ひとつ変えず康平が見ている。
「元気なさげですね、先輩」
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