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    ParAI_t

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    ParAI_t

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    ドロライ参加作品、お題は第一回の「笑顔」です
    ふふ、本編更新前に上げれば仮にどんなにおかんむりでも夢が見れるのだ…!(何)
    こんな感じの何度も不器用に励ます系の話書いてる気がするので、これはきっと私のサビですねえ
    まあ、口下手なのを自覚しつつも、言い直ししつつ懸命に言葉を選ぼうとする推しが好きなのでしょうがないね
    さて、次章はかっこいい推しが見られることを祈りつつ、TLで元気に狂おうと思います←

    ##クロアス
    ##ドロライ

    start over / クロアス------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------








































     多忙な業務の合間を縫い、今日もクロービスの執務室には恒例となった休憩の時間が訪れていた。

    「あっ、このクッキー美味しいですね!」
    「その感想を聞くのは今日だけで五度目だな」
    「お、美味しい物は何度美味しいって言ってもいいんですっ」
    「……そうかね」

     祝賀式典の最中に魔王の封印失敗の報を受けてから、アステルは気がそぞろとなっている。命がけの戦いを制して平和な世が訪れたと思ったのも束の間、終わったはずの戦いが再度幕を開けたのだ。それは、絆を十分に高めたグランスレイヤーと共に持ちうる力を全て出し切ってもまだ足りない、という認め難い結果を示している。ただの村娘から勇者へと成長し、ようやく使命を果たせたと喜んでいたアステルにとって、この事実は落胆するのも無理からぬ話だろう。
     不幸中の幸いにもこれまで積んだ鍛錬のおかげでレースに支障は出ていないが、時折物憂げに揺れる瞳は暗く沈んでいる。このところぱったりと、人嫌いの耳に馴染んでしまった騒々しさは鳴りを潜めていた。

    「君が落ち込んでいては全体の士気に関わる。しっかりしたまえ」
    「すみません……」

     見るからに先ほど以上にしょんぼりと、わかりやすくアステルが萎れていく。下手に口出ししては余計に悪化させそうだ、という己の予測を見事に的中させたクロービスは小さくむうと呻いた。こういう時あの赤い厄介な同僚ならば言葉巧みに宥めすかすのだろうが、それほどよく回る舌は生憎持ち合わせていない。慰めることも励ますことも得手とは言い難いが、どうにか気分を紛らわせてやれる手段はないものか。検討を続けていくうちにある事に思い当たったクロービスは、立ち上がると椅子から少し離れたところへとアステルを手招きした。

    「こちらに来い」
    「え?」
    「……いいから早く」
    「は、はい!」

     じとりと睨む鋭い眼光に弾かれたように立ち上がったアステルは、おずおずとクロービスの前に立つ。そうしてさらなる厳しい言葉の数々を覚悟し強張った身体は、アステルの予想に反してふわりと優しく包まれた。ほのかに香る石鹸と紅茶の匂いに、抱きしめられている事を理解したアステルは頬を上気させ動揺し始める。

    「く、クロービスさん!?」
    「なんだ。私に抱かれると安心する、と言ったのは君だろう」
    「それは、そうなんですけど……!」

     緊張から驚き、そして恥じらいへ、くるくると変わったであろう表情を想像し、クロービスは口元を緩める。続いて更にゆったりと、言い含めるように落ち着いた声音を重ねていく。

    「君は、よくやっている」
    「…………はい」
    「自分の役割を果たそうと、君は最良の決断をしたのだ。もう少し自信を持ちたまえ」

     淡々と事実を告げる言葉が、先の見えぬ戦いへの不安で重く凝り固まった心を解していった。同時に幾分速まったクロービスの鼓動に、アステルは笑みを零す。世辞のように聞こえる事もあるだろう、と以前ぼやいていた黒魔道士は、今は大切な存在を癒そうと苦手としている言葉を紡いでいた。

    「……ふふっ、ありがとう、ございます!」

     眩い笑みを取り戻したアステルに、やれやれと溜め息をつきながらも満足そうにクロービスも笑みを返す。こうして二人の新たな土地への旅路は、希望と共に再開されたのだった。
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    ParAI_t

    MOURNING11月のカレンダー没案です。
    クリスタニア編でリーン様が不穏なこと言ってた印象が濃い辺りの頃に書いたので、今思うと「とにかく無事に終われ!?」みたいなノリをひしひしと感じる←
    アプリ版だと第一部のラクリモッサでしばらく三柱でお茶会してないみたいな話があったので、こんな風な日常に戻ってたらいいよねぇみたいな願いを込めてます。
    いやぁ、今週のクリスタニア編も楽しみですね☺️
    11月カレンダー没案(サシャ・リーンハルト) ほう、とついた息が白く漂う。もうそんな
    季節になったんですねー、としみじみとして
    サシャは陶器の音をテーブルに響かせた。
     本日の茶会は鮮やかに色付いた秋を
    鑑賞しようと屋外で行うことになっている。
    外気での冷却も計算に入れてあるから、
    ティーポットの中身はそろそろ飲みごろに
    なるはずだ。あとは二人を待つだけですね、
    と視線を上げれば、はらりと赤や黄が高い
    空に散っていた。かつての戦いと同じ季節が
    これほどまでに穏やかに過ごせているのだ、
    とサシャはゆるりと目を細める。
    「おや、あいつはまだ書類と格闘中かな」
    「年の変わり目も近いですからねー。魔道
    交信ではもうすぐ来ると言ってましたがー」
     そうしてさらりと金の髪を揺らす赤い鎧も、
    358

    ParAI_t

    DONEドロライ参加作品です。お題は「いい夫婦の日」。
    モブ秘書がクロアス夫婦+子供を観察してる謎の話になります。需要は私にある(澄んだ瞳)
    キャラスト3話で父さん母さん呼びしてたのに、なんか今は父上母上呼びしてるから、つまり結婚後はこんなんじゃない?みたいなノリで書きました。
    いずれ職場で「パパは〜」とか言っちゃう話も書きたい。結婚後でなくても天惺獣関係ならスレイヤー全員やらかせる余地はあるしな…!←
    困惑メラビアン−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−































     どうも直属の上司は厳しい人柄、らしい。風の噂でそんな評判を聞きつけて、グランロット王国宮廷魔道士長、クロービス・ノア付となった新任秘書は、緊張に身を固くして部屋の扉を叩いていた。出迎えた予想と違わぬ鋭い眼光に気圧されつつも、準備をしていた甲斐もあり用件は滞りなく進んでいく。
     魔王との長きにわたる戦いを終えたグランスレイヤーともなればこの威厳も当然か。多方面に渡る業務内容を迅速かつ正確無比にこなしていく姿に、秘書は自分なりに答えを得て、一礼し退出しようとする。そうして顔を上げた刹那、廊下からかすかに幼子の声が聞こえてきた。
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    ParAI_t

    DONE※いつも以上に原作の行間にクロアスをねじ込んでいます
    ※※特に本筋ではないのですが、若干ガレル・パレル編のネタバレを含みます

    オトメ勇者初恋Webアンソロジー寄稿作品になります
    ほぼほぼ謎の青年C(AとBがないのが作為的とか言わない)が活躍しているクロアス(?)な雰囲気ですが、お楽しみいただければ幸いです
    今週のクリスタニア編と矛盾しないといいなあ…(直し入るとめんどいなという顔)
    キャンディタフトは甘やかに揺れる / クロアス----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
















     その名の通りに飴で出来ているかのように、小さな白い花は甘く香っていた。

    「クロービスさん。頼まれてたもの持ってきましたけど、どこに置いておきますか?」
    「ああ、机に空きがあるだろう。そこに頼む」
    「はーい」

     年代物の深緑の図鑑から目を上げ指示を出したクロービスは、すぐに意識を机に戻すとリストへチェックを入れる。本日この時間のクロービスの業務は、実験室での魔法薬の調合だった。王城に併設された植物園から運んできた花の色と香りに、何かを思い出したアステルはなんの気なしに口にする。
    4742

    ParAI_t

    DONE※オトメ勇者最新話(第57話)ネタバレ
    お題は「神無月」です
    今週もまたすごい展開でしたねえ
    推しの心情深掘り第2弾ということで、今週の展開を踏まえた今回もまるで先行きが明るくはないお話です
    毎週のお題に合わせて可能な限り続けていきたいけど、多分そのうち矛盾すると思う(確信)
    書いてて思ったけど、メインストがトゥルー爆走してるなあと思うと同時に箸休め回をくれ…!
    イチャコラさせる暇がないんだよなあ
    裁きの光は虚ろにて / クロアス----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------



















     勇者は、死んだ。エルドアの淡々とした発言を聞いたクロービスは、しばし呆然と立ち尽くしていた。六天魔という異常事態を片付けねばならない、と理性が警告を発しているものの、目の前の光景はとうに現実味を感じられなくなっている。
     いつかの悪夢のように魔物に命を狙われたとしても、守ってやれるはずだった。それがこの現状はどうだろう。女神の声を聴く者は、これほどに呆気なく希望の光を握りつぶし平然としている。傷つき悩み、憂い惑い、それでも譲れないもののために何度でも立ち上がって剣を振るっていた少女を切り捨てる事が、この聖なる地の正義だった。
    1108

    recommended works

    ParAI_t

    DONE予期せぬエラーが発生しました / クロアス

    みみみさんのツイートを思い出し笑いしてたら、興が乗ってしまったので書きました
    予定では前者を採用するはずだったのにおかしいな…?🤔
    いつも以上にやらかしているクロービスさんをお楽しみください←
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    書庫の貸し出しカウンターの奥にある、司書室の休憩スペースにて。平素はグランロットの死神と恐れられる黒魔道士が、生気を失いテーブルに突っ伏していた。

    「いっそ殺してくれ……」

    クロービスとは長いつき合いになるがこんな顔は初めて見るかもしれない、とサシャとリーンハルトは苦笑する。
    先日レースで出くわした魔物からアステルをかばった際に、クロービスは一時的に記憶をなくしていた。現在は記憶を取り戻したものの、喪失中に恋人へ酷い態度をとった事が忘れられないらしい。顔を合わせるのが気まずいためか、ここ連日アステルから逃げ回っている。

    「魔物の影響ですし、彼女も気にしないといってましたよー?」
    「だからといって許されることではないだろう……!」
    「そもそも普段から、落差を感じられるほど優しくもしていないでしょうに」
    「……うるさい」

    キッと睨み付けるクロービスに、彼女から聞いた話が元なんですが、という言葉をリーンハルト 2801