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    エース

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    エース

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    4/9のムパラの無配。
    ムンナ/未分裂/カップリングなし
    マークは地球、僕は月?じゃあ君は?

    Ceres 夕食を終えて、皿洗いをしているとスティーヴンとジェイクが何やらヒソヒソと鏡で話しているのが聞こえてきた。
     ”ヒソヒソ”とはいう物の、小声で話すだとか物理的な距離だとかいうの物は俺たちにとってさして意味の無い物だ。なにせ互いの声は身の内から聞こえてくる物なので。
     とはいえ話しかけられている訳でも無く、また互いのプライベートはそれなりに尊重するべきなので、俺は特段耳をそばだてる気は無かった。だが二人の会話の中に”マーク”という単語が幾度か出てきた。
     自分が話題に上がっているとなれば、聞き耳を立ててしまうのも仕方がないだろう。

    「ね、マークが太陽なら僕らは何かな?」
     何をどうしたらそんな話題になるのか分からないが、世界の中心とも言える太陽に例えられると面映ゆい。
    「太陽って柄か?」
     それに対してジェイクはすぐさま否定の言葉を返した。
     自ら太陽を自称する気は更々無いが、即答で否定するのは失礼じゃないか?まぁ……月の神のアバターだしな、うん。
     流しに溜まっていた皿が全部洗い終わったので今度はコップに手を付ける。全員が全員、各々好きなコップで好きな飲み物を入れるせいで我が家には一人暮らしに見合わない量のコップが置いてある。
     洗い物は増えて面倒だが、食器を減らそうという話になったことは無い。多分、これからもならないだろう。
    「うーん……。じゃあマークは地球?」
     太陽の次は地球とは、これまた過大な評価を貰ってしまった。生命で溢れる、命の惑星に例えられ嬉しいような、照れくさい気分になり少しだけ口角が上がった。
    「ならお前は月だな。……ずっと傍に居る」
     それは確かにその通りだ。スティーヴンはずっと俺の傍に居てくれた。スティーヴンが俺に気が付くよりも、ずっとずっとその前から。だが仮に俺とスティーヴンが地球と月だとして……。
    「じゃあ君は?」
     そう、ジェイクは?
     ジェイクだってずっと……俺が、彼を認められるよりも前から、ずっとずっと傍に居てくれた。
     俺はジェイクが何と返すのか気になって、より注意深く耳をそばだてた。
    「そうだな、私は…………ケレスかな」
     ケレス?
     聞いたことが無い、知らない星の名前だった。……星の名前だよな?
    「ケレス~~?何で君は妙な所で控えめなの」
     スティーヴンの呆れたような物言いに、やはり有名で無いが星の名前らしい事は窺えた。だがどうやらスティーヴンはケレスという星を知っているらしい。
     それにしても控えめとは……一体?この男は”控えめに”言っても控えめという言葉とは程遠いと思うのだが。
    「じゃあ他だとして、何だ?」
    「そうだな…………。僕ら二人で月、かな」
    「ハァ? 月は一つしかないだろ」
     二人の会話はいつの間にかヒートアップしていて、最早ヒソヒソ話では無くなっていた。
     それだけケレスか月かという話題は二人にとって重要な話なのだろうか?
    「馬鹿だな。月には表と裏があるだろ」
     確かに、惑星としては一つだが月にはそちら側しか見えない表の面と、決して地球からでは見る事の出来ない裏の面がある。
    「……お前が表で私は裏?」
     表のスティーヴンと裏のジェイク。中らずと雖も遠からず、といった所だろうか。
    「かもね。でも表裏一体、表だけじゃ成り立たないよ」
     でしょ?と続けるスティーヴンに、言い返せないのかジェイクは押し黙った。
     スティーヴンの言う通り、表の面だけでは成り立たない。それに、地球に住む人間はもう月の裏側がどんな形をしているのかだって、ハッキリと識っている。
     
     だがそう、初めにジェイクが自らだと例えたケレスとは?
     最後のコップを乾燥棚に置いてタオルで手を拭きながらスマートフォンを目で探す。
     二人に尋ねたら早いのだろうが何となく答えてくれない気がしたのでケレスについて自分で調べてみることにしようと思った。
     スマートフォンの検索欄に”ケレス”と打ち込めばあっという間に答えが出てくる。何とも便利な世の中になったものだと感心しながら検索結果の一番上に出てきたページを開いた。

     ケレスまたはセレス。火星と木星の間の小惑星帯に位置する準惑星。海王星軌道の内側にある唯一の準惑星でもある。既知の太陽系の天体の中で三十三番目に大きい。
     氷と岩石で構成されており、小惑星帯の全質量の約三分の一を占めていると推定されている。十五ヶ月から十六ヶ月ごとに衝を起こす度に視等級のピークを迎えるが、極めて空が暗い地域以外では最も視等級が明るい時期であっても肉眼で観望するには暗い。

     他にも発見の歴史だとか名称や分類について、など多くのことについて書かれていたが今重要なのはそこじゃない。
     ”火星と木星の間の小惑星帯に位置する準惑星”
     この部分だ。
     ジェイクはスティーヴンが俺を地球に例えた時、肯定はしなかったが否定もしなかった。その上でスティーヴンの事を月だと言い、自らをケレスだと言った。月よりも、ずっとずっと地球から遠い、そんな星だと。

     俺はケレスを調べる為手にしていたスマートフォンを机に叩きつけるようにして置くと二人が映る鏡までズンズンと歩み寄った。
    「ジェイク!!」
    「うわっ、何だよ。急に大声出して」
    「お前も俺の月だ!!」
    「は、ハァ!?」
     ジェイクは急に何を言い出すのかとギョッとした顔をしているし、スティーヴンはポカンとしている。だがすぐに俺の言葉の意味が分かったのだろう、ジェイクはカーッと頬を赤らめたし、スティーヴンはクスクスと笑い出した。
     俺はそんな二人に急に何だか自分が恥ずかしい事を言った気がしてきて口をモゴモゴとさせた。
    「ええと……だから、その……おま、お前……もっと地球に傍にだな……」
    「クッ、フフッ」
     ジェイクは被っても居ない帽子を下げて顔を隠そうとして失敗しているし、スティーヴンに堪えきれないと言った風に笑われ俺まで頬が熱くなってきた。
    「マァク、ね。大丈夫だよ」
    「……何が」
     不貞腐れた態度で答える俺に、スティーヴンは珍しくニッと不遜な態度で笑って見せた。
    「月と地球には引力があるから、”僕たち”は離れらんないよ。……ね、ジェイク」
     それにジェイクはあぁ、クソッと口悪く吐き捨てると苛立ったように髪の毛をぐしゃぐしゃとかき混ぜた。これはジェイクが思い通りに行かずイラついている時と、それから照れている時にして見せる仕草だ。
    「あぁ……”引力”だからな。……離れられなくても、仕方がない」
    「素直じゃないなぁ」
    「五月蠅い」
     ”引力”だから、仕方がないからと理由を付けて。もしかしたら本当は離れたいのかもしれないし、そういう日もあるだろうけど、でも。
    「あぁ……傍に居てくれるなら、それで十分さ」
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    エース

    DOODLEムンナ マク♀ステ 仮面舞踏会パロ
    あめさんとのお喋りで盛り上がったやつ。何かちょっと書きたかったのと違うんだけど、一旦これで。
    この後無事二人は再会し、お喋りに興じるがジェがマクの仮面を借りてステに会いに行きジェステも始まる。三人が顔見知りに(顔は知らない)になった頃漸く名乗り合うマクステと、出会って速攻名乗るジェイク。
    マスカレード! 仮面舞踏会。それは一時身分やしがらみを忘れ、享楽に耽ける場。表向きは日々の憂さ晴らしや拙い秘密の遊戯と言った所だがその実、密通や淫行が蔓延る会もそれなりにあった。
     俺はそもそも舞踏会というものに興味が無く、それは仮面を被っていても同じ事だった。寧ろ相手が誰か分からない分厄介な事も多い。そしてそんな俺がこの仮面舞踏会に参加している理由は、単に兄弟のお目付け役だった。いや、半分がお目付け役、半分が兄弟に無理矢理引き摺られて来たせいだ。
     俺の双子の兄弟であるジェイクはこういった華やかな場が好きで、好んで顔を出す。そして俺なんかより遥かに上手に様々な思惑に満ちた、この見掛けばかり豪華な生け簀を泳ぐ。今日も俺を連れ出すだけ連れ出して、自分はサッサと舞台の中央に躍り出てしまっている。
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    エース

    DONEムンナ マクステTOS天使疾患パロ。三人の誰でパロディするか悩みに悩んで、結局マクステだなとなりました。理由としては、TOSの公式CPはロイコレだと思っているので、それならば三つ子でやるならマクステしかなかろう、と。
    配役の方は〝何かと契約して人で無くなる〟ならそれはマークだし、〝普段は抜けてるのに大事な人の事はちゃんと見てる〟のはステだろう、と思ったから。なのでロイコレからのマクステ解釈です。
    消えた涙 ぼんやりとベッドボードに背を預け窓の外を眺める。明るすぎる都会の空ではろくに星も見えないが、こうして朝まで時間を潰すのにも随分と慣れた。ただ静かに息をして、隣で眠るスティーヴンを起こさない様に気を付けていれば良いだけだ。
     窓の外を眺めるのに飽きたら今度は隣のスティーヴンを見る。それを繰り返していれば、朝までそう時間も掛からない。
     今日もやっと日付が変わった所だ。朝までのあと六時間くらいを、いつものように窓の外とスティーヴンとを往復しながら過ごそうかと思った時、隣の塊がゴソリと動いた。
    「マァク……、眠れないの?」
    「スティーヴン……悪い、起こしたか」
     窓から振り返るとスティーヴンが眠たそうにしながら目を擦っていた。静かにしていたつもりだったが、やはり隣で体を起こしているべきでは無かったのだろう。いっそベッドから離れて、そのままソファで過ごすべきだったと後悔した。
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