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    yasu_zomigi

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    yasu_zomigi

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    現パロサゾの初夜。クソ童貞サンジくんがやらかすだけ。

    #サンゾロ
    SanZoro
    #現パロ
    parodyingTheReality

    捌くのは得意なので ゾロは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の光源を除かなければならぬと決意した。ゾロには普通の初夜がわからぬ。ゾロは、脳筋である。竹刀を振り、同輩と剣を交えて暮して来た。けれども屈辱に対しては、人一倍に敏感であった。

    「馬鹿かテメェは!?」
    「へぶらっ」

     殴り飛ばされた勢いで金髪の男は奇妙な声を上げてベッドから転がり落ちた。ゴスッと鈍い音がしたので頭でも打ったのだろう。それで馬鹿が治れば御の字だが、「殴るこたねェだろ!!」とか何とか頬を押さえて喚いているのであまり期待は出来なさそうである。

    「そのままタンスの角にでも頭ぶつけて死ねばいいのに」

     全裸でラブホのカーペットに転がる男へ向けるは絶対零度の視線。ゴミを見るような目で見ている自覚はある。そしてそんな目を向けられて男のナニが余計にわくわくしているらしい様子に軽く絶望した。もうダメだこいつ。

    「だってよぉ……仕方ねぇじゃんか……」

     股間は元気溌剌のまましょんもりとする男の手にはスマホ。輝くライト。つい数十秒前までこれが、ゾロの股間を明々と照らしていたのだ。それを再認識して、ブチ、と改めて何かが切れる音がした。

    「テメェ、股間照らされて何事もなかったかのように続けられると思うか? あ??」
    「だってどこに入れるのかわかんねェんだもんよ!!」
    「だからってライトアップする奴があるかこのクソ童貞!!」

     開き直りやがった相手に対しベッドを叩き潰す勢いでマットレスに拳を振り下ろしながら叫び、沈黙。怒りのあまり肩で息をするゾロの呼吸音と時計の秒針の音だけが響く空間がここに出来上がった。

     気まずそうにしつつ頬を腫らして全裸で正座している男──サンジはこれでも一応ゾロの恋人である。元はただの喧嘩相手だったのだが紆余曲折を経てこの関係に収まった。で、いざ事に及ぼうということになり、ホテルまで来たわけだが。
     サンジは所謂童貞なのに対し、ゾロはまあ何やかんや色々経験している。それなら自分が負担の大きい受け入れる側をした方がいいだろうと提案するとサンジは食い気味に賛同し「筆おろし……」云々と呟いていた。ゾロにとって相手が未経験なのは欠点ではない。AVだのエロサイトだのしか知らないまっさらな男を自分好みに腰を打ち付けてくる男に出来ると思うと興奮さえする。だからノリノリでホテルに入ったら。入ったら、だ。
     前戯を一通り教えてやりながら済ませていざ挿入というところで止められ。ゴムを付け忘れたとチェストを漁りだし。やっと付けたかと思うとフットライトは点けておくのかと言い。明るさを調整して今度こそと思ったら薄暗くした部屋でよく見えないと言われ。突然ベッドを降りて放置され。戻って来たかと思うと鞄に入れっぱなしにしていたスマホを持っており。神妙な顔つきでライトを点け。そして股間をライトアップされた。

    「手ェ繋ぐとこからとか言ってたし実際手を握るのに1週間かけてたから大体は察してたけどよ……」
    「はい……」
    「それにしたって手際が悪すぎンだろうが」
    「……はい……」

     ゾロは金色のつむじを見ながら大きなため息を吐き出した。全裸のまま正座で項垂れている哀れな姿を見ていると怒りから呆れ、同情へとゾロの気持ちは移り変わっていった。そして今度は長くため息を吐き、

    「あのよ、」
    「はい」
    「おれはテメェが童貞だろうが早漏だろうが別に構わねぇ」
    「早漏ではないです」
    「黙って聞けや手順ぐるぐるコック」
    「すみません……」
    「クソ童貞なのは構わねぇが、こういうトンチキなヤり方はごめんだ」
    「はい……」
    「このままヤらせたらどうせまた妙な真似しやがるだろ。そこで、だ」

     ベッドを降りてサンジをひょいと抱え上げる。そして、突然のことで目を丸くして間抜け面を晒し声もなく硬直しているのを乱雑にシーツの上に投げ捨てた。無様に転がった恋人にふんと鼻を鳴らし、今度は自分がベッドに乗り上げる。それからこれまた乱雑にサンジを仰向けにひっくり返して丁度股間辺りに跨った。サンジはしょげているがサンジのサンジは未だ硬度を保っている。それに手を添え、ついさっきスマホライトで照らされていた後孔に導く。その様子を凝視するサンジの鼻から赤い液体がつうと流れ出し、ゾロの入り口がサンジのものにぴたりと宛がわれた。

    「今日はマグロでいい。捌くのは得意でも、捌かれるのは初めてだろ?」

     ゆらゆらと腰を揺らしてふっくら盛り上がった後孔の縁に先を引っ掛けて遊びつつ、ゾロはサンジの片目を覆う長い前髪を払ってやった。ふたつのぐるぐる眉毛に、ふたつの青い宝石。興奮と期待に揺れる宝石に映っているのは己の姿。それに言いようのない満足を感じ、自然と口角が上がった。

    「前に言ってたよな……料理はジジイのを見て学んだってよ」
     ぺろり、と舌なめずり。
    「よく見て、学べよ」
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