ミホゾ🦅⚔️/鰐ゾ🐊⚔️ アラブパロ スラム育ちで賞金稼ぎをしている少年、ゾロ。一匹狼だったが同じ賞金稼ぎのくいなに出会って手合わせをしたり協力したり云々するようになる。ある時からくいなを見かけなくなっておかしいなと思っていると亡くなってるのを偶然見つける。呆然としているとこちらを窺っているチビ達に気付く。
「何だテメェら」
「そのおねえちゃんがごはんくれたの」
「こいつが」
「おなかいっぱいだからっていってた」
遺体のそばに膝をついて見ると折れそうなほど細い。手首は枝のようで頬も痩けていた。
「腹が減ってねェわけねェだろ…」
くいなが稼いだ金を殆どチビ達のために使っていたことを覚ったゾロは自分なりに弔って和道一文字を譲り受け三刀流に。チビ達の面倒も見るようになった。
賞金稼ぎという不安定な収入源でチビ達を食わせてやりながらギリギリの生活をして数年。16歳になったゾロは裏路地で暴れていた時に偶然クロコダイルに目を付けられてスカウトされる。最初ゾロは拒否するが、チビ達の生活基盤を整えてやると言われて承諾した。殺しでもやらせられるのだろうと思ってたいたが、ゾロを連れ帰ったクロコダイルは身綺麗にさせて食事と寝床を整えることしかしない。不審に思っていると肉付きがよくなってきた頃に舞踊や剣舞を仕込まれ始める。
そのうち鍛錬と稽古をするゾロに触れてくることが多くなってきた。自分で気付かないうちにゾロの体は少しずつクロコダイルの手で作り替えられていく。そして触れられるだけでゾクゾクした感覚を覚えるようになった時、クロコダイルはゾロを自分の寝室に呼んだ。
「おれを誘ってみろ」
「は」
「おれを誘ってその気にさせてみろ」
男を誘う目線、声、腰つき、指の滑らせ方。全てクロコダイルを相手に磨かせられた。じっくりと仕上げられたゾロの体は柔軟に、急速に手管を吸収した。最中に首を狙うことも正確に出来るようになった。
「これなら殺されても仕方ないだろうな」
クロコダイルは満足そうに笑みを浮かべて頬に触れてくる。
「じゃあおれに殺されるかそうすればおれは自由の身で金は持ち逃げだ」
「クハハッそれは出来ねェな。お前はあのガキ共を見捨てられねェだろう」
ゾロは憎らしい弧を描く唇に歯を立てた。
19歳になったゾロは踊り子として潜入したりハニトラで油断させた相手の寝首を掻いたりすることを専門にBWでクロコダイルに使われていた。18から始めた仕事はもう随分手に馴染んだ。
ある時ゾロはミホークを暗殺を命じられる。ミホークは酒の輸出入など商売を手広く扱うかなり上級の貴族で、気紛れに同じ貴族の事業潰しをするなど好き勝手しているので色々な方面から恨みを買っているらしい。依頼主はそのうちの1人だった。
ゾロは踊り子としてミホークの暇潰しの道楽に紛れ込んだ。道楽貴族は煌びやかな宴をつまらなさそうに眺めていた。それでも鷹のような目は強烈な印象を与え、背中にゾクリとしたものが走った。
いつも通りゾロはハニトラを仕掛けてみるが暖簾に腕押し。ベッドまで持込めないかもしれないと焦り始めた時「言い値を出す。今夜来い」とだけ耳打ちされた。そんな素振りは見えなかったが、と怪しみつつもその晩ミホークの屋敷の寝室に通されるゾロ。部屋に入るとミホークはサイドテーブルにワインを置いたまま寝台で微睡んでいた。チャンスだ。そっと近付き、踊り子の衣装に隠していた短刀を取り出した。鞘から刀身を抜き動脈を断ち切ろうとしたその時、ゾロを鋭い視線が射抜いた。自分に跨り短刀を振りかざした踊り子にミホークは少しも動揺を見せない。バレていたのか。作戦失敗、即ち死。チビ達のことが脳裏を過ったが、多分この男にはどう足掻いても自分は勝てない。ゾロは相手に短刀の柄の方を向け直した。
「失敗した。殺せ」
「なぜ命を投げ出す」
「戻ってもどうせ殺される。ここで逃げ傷を付けてまで帰る意味はねェ」
「だからおれに殺せと」
「そうだ」
「遺す者はいないのか」
「いる。が、あいつらだってもう何も出来ないガキじゃねェ。スラム育ちなら強かに生きていくさ」
「無益」
ゾロの視界がひっくり返った。鷹の目が見下ろしている。いつの間にか短刀は奪われ遠くに投げ出されていた。柔らかい寝台の上に縫い付けられた両手はビクともしない。
「……おれは殺せと言ったはずだ」
「一度はおれに抱かれるつもりで来たのだろう。わざわざ暇潰しの機会を逃すのは惜しい」
「はっ、おれは暇潰し程度かよ」
「最中にどう寝首を掻くつもりだったのか、せいぜい手管を見せてみることだ」
この後ゾロはミホークに抱き潰されるし屋敷の中で飼われるようになる。多分帰ってこないゾロに焦れたクロコダイルが直々に乗り込んできたりミホークにガチギレしたり何やかんやする。