「千斗さん、朝ごはんできたよー」
「へぇ、だいぶ上手くなったな」
「へへー。そうでしょ?」
ニコニコと笑うエプロン姿の百瀬は新妻感満載で、えろ可愛いと千斗は思っていた。
決して料理が上手いとは言い難い百瀬だが、バイトの成果もあってコーヒーを淹れるのはなかなかの腕前になっていた。
テーブルの上に並んだ、大雑把にちぎられ、切られた野菜サラダに、焦げの見え隠れするフレンチトースト。
最初の頃の消し炭状態を思えばかなりの上達と言える。
鼻歌を歌いながらコーヒーをドリップしている百瀬を背後から抱きしめて、千斗はその首筋に顔を埋める。
昨夜の情事の跡を洗い流したようで、ほんのりと使っているボディーソープの香りが鼻先を擽る。
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