ある「元」光の戦士の6.01その14 テメノスルカリー牧場に高台がある。
側には魔装砲が備えられている。監視を立てて罪喰いを迎え撃つための設備なのだろう。
今、ここに立つのはフィーネだけだ。大罪喰いが倒れ、はぐれ罪喰いも冒険者やそれを志す者に日々討伐されて数を減らしていると聞く。
もはや、罪喰いを恐れる生活は日常ではなくなった。冒険者が増えた背景にエリディブスの扇動があることを思うと複雑な心境ではあるが。
以前にもフィーネはこの場所を訪れた。イノセンスを討伐した直後、再びノルヴラントに光があふれた時のことである。
水晶公は連れ去られ、自身の身体も限界で、失意のどん底にあった時期であり。
罪喰いにならずに済んだのは、リーンの尽力によるものだ。光の巫女の力を受け入れた、彼女の覚悟があったからだ。
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