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    キユ(空気な草)

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    ぼっちで開催中🍓🍚応援期間。
    前にあげたのは攻め攻め🍓だったので今度はぴゅあを目指しました。【1飯】

    お砂糖1つにミルクは少なめ お年玉を貰った。
    それは子供がもらうものだろうと断ろうとしたのだが「ニ歳未満は子供」と認められなかった。
     ヘド博士、ブルマ博士とそのご両親、4人から戴いたポチ袋に入ったお金の使い道をどうしようかと考えた。2号はグレートサイヤマンの特集が載っている雑誌を買うらしい。あとで読ませてくれ、頼む。
     オレもサイヤマン関係のグッズでも買おうか、でも彼のグッズはとても希少なもので滅多にお目にかかれない。さてどうしようかと街を歩いていると心地の良い匂いが鼻をくすぐってきた。
    (この匂いは……彼の部屋でよく嗅ぐ香り……)
     買うものが決まった。店の扉を開けるとカランと鈴の音がする。店員の優しい挨拶を聞きながら店内へと歩を進めた。

    「あ、こんにちは1号さん!……その荷物は?」
     いつもと同じく窓からの来訪に彼は笑顔で応えてくれた。いつもなら手ぶらで来るオレが紙袋を持って訪れたので彼はそれにすぐに気づいた。
     隠していたわけではない。だが少しだけ言葉にすることを躊躇った。今更ながらこんなことをして呆れられてしまうのではないかと不安にかられたからだ。2号の様に明るく周囲に振る舞っているわけではないオレがこんなことをして彼の中でのイメージが崩れてしまったらどうしよう。
    「1号さん??」
    「……すまない、その……これは、お前に……いや違うな……これでお前の時間を……」
     言葉が出ない。声帯の機能に異常が発生したのだろうか。あとでヘド博士に診てもらおう。彼と交流をするようになってから頻繁に起こる身体異常。あまりにも頻繁に起こるそれに修理をお願いしたのは随分前のことだ。しかし修理することは難しいらしく超天才であるヘド博士ですら「時間がかかるよ」と言っていた。なぜかその隣でにやにや笑う2号がいたのでそちらは殴っておいた。
    (なんてタイミングの悪い…)
    「おーい?1号さん!」
    「うわぁ!!?」
     気づいたらすぐ目の前にある彼の顔。思わず大声で叫んでしまった。
    「近い!当たるだろう!!」
    「だって、1号さんずっとぶつぶつ言ってるから……で、それは何なんですか?新種の虫とか!?」
    「違う!」
     キラキラした目で袋を見ているが中身は全く違うものだった。これ以上期待させると折角買った品物を渡せなくなってしまう。やれ、やるぞ1号。最高傑作の意地を見せるときである!
    「これで!お前との時間が欲しい!!!!」
     今度は手に異常発生だ。震えが止まらず、彼に差し出した袋がかさかさと小さく音をたてている。
    「ボクの時間?……中身、失礼します」
     袋を受け取り中を漁っている彼の姿を只管見ているオレの今の気持ちは死刑囚だ。やるなら一思いにやってくれ。

    「…………コーヒー豆??」
     あの時道で嗅いだ香り、それは彼がこの部屋でよく飲んているコーヒーの香りだった。飲んだことはないのだがいつもいい香りだと、もっと嗅いでいたいと思っていたので直ぐに分かった。
     店内に入った瞬間、あまりの豆の種類に戸惑ってしまったが恐らく品種は間違えていない……筈だ。
    「確か、その品種をよく飲んでいるだろう……」
    「……よくわかりましたね」
     どうやら正解だったらしい。安心した、どうやら嗅覚は正常に機能しているようだ。
    「それを、飲みながら……お前と二人だけで話が……したいと…………おもって……」
     彼は多忙だ、頻繁に会いに来ているが長い間過ごせているわけではない。それが少し物足りないと思ってしまった。でも彼の仕事の邪魔をしたいわけではない。要は買収行為だ。ヒーローにあるまじき姑息で卑怯な手口だ。
     彼はなんて答えるだろうか。否定か、罵倒か……いっそのこと一発思い切り殴ってくれればオレの異常が直ったりしないだろうか。
    「1号さん、飲み物飲めるってことですか?」
    「あ、あぁ……問題ない」
    「なんだ!早く教えてくれれば良いのに!!」
    「ちょ、引っ張るな!」
     強い力で腕を引っ張られて足が外壁にぶつかった。そういえばまだ外にいたのだ。決して低くはない窓に足を掛けて中へとお邪魔する。
     いつも通りの少し汚い部屋。そこにわずかに香るコーヒーの残り香。バレないように深く深呼吸をして匂いを堪能させてもらう。
    「1号さん、コーヒー初めてですか?それなら砂糖とミルクも用意しときましょう」
    「よ、よろしく頼む」
     どうやら嫌われることも呆れられることもなく買収は出来たらしい。いつもよりもニコニコとした笑顔を浮かべてオレの座る場所を作ってくれている。
    「随分と嬉しそうだな……?」
    「当たり前じゃないですか!」

    「1号さん、わざわざ買ってきてボクと飲みたいと思ってくれる位にはボクのこと好きになってくれたんでしょ?仲良くなれて、ボクとっても嬉しいです!!」

    「コーヒー準備してくるんで座って待っててくださいね!」と部屋を出て行ってしまった。言われた通り、ソファに座るペネンコの隣にお邪魔する。
    「……」
    「…………」
    「………………」
    「……………………すき????」

     は!!!!????






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