ハッピーエンド・バースデイズ バースデイ・パーティーのほとぼりが冷めた夜九時前、依央利は主役の部屋に押し掛けた。色も形も大きさも多様なラッピング包装のプレゼントを抱えながら。
「な、何ですかこの量のプレゼントは」
扉を開けた理解は少し体を反らして声を上げた。そしてプレゼントなら既に貰ったことを告げたのだが、依央利は頑なに引かずズカズカ部屋に入っていった。全てのプレゼントを並べるのに五分程かかった。
「えっへへ、これぜーんぶ僕が用意したんですよ! ねぇほらほら、開けてみて!」
依央利があんまりにも急かすので、所狭しと並んだプレゼントに圧倒されつつも、理解は順番に封を開け始めた。最初に出てきたのは依央利の部屋にある犬のぬいぐるみ、その色違いだった。顔には理解が掛けている眼鏡に似た装飾が施されていた。
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