誰がために鐘は鳴る 続き きんこんかんとチャイムが鳴る。
四限目の終わりを告げる鐘とともに、生徒たちがわれがちに食堂へと駆けてゆく。ヌーの草原大移動もかくやという勢いに、ところどころ流されつつも環は屋上へと向かった。
昇降口の扉を開けたとたん、まっしろい陽の光が目を刺した。ううとうなりつつ、環はしばしばと瞬きをする。
あたりはがらんとしていた。
空は晴れわたっていて、真っ青ななかに鳥の影がぽつんと落ちている。陽は中天にあって、コンクリートの地面のうえ昇降口の影がくっきりと刻まれていた。
影のなかにはミリオがいた。その隣にはねじれがいて、こちらを認めるなりやっほーとかわいらしく手をふってくれる。ねじれのスカートの上にも、地面に敷いたピンク色のハンカチの上にも菓子パンがいくつも置かれている。
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