(無題):司レオ 星奏館の居室の扉を開けた時、司はこの後のことを考えていて気もそぞろだった。
今日のところは学院での授業と個人レッスンを終え、その他アイドルとしての予定は入っていない。実家関係では最近大きな行事を終えたばかりで、一息つけている状況。そうであれば、この後は制服を着替えてアンサンブルスクエアで事務所周りの事務作業を片付けてしまおうか。そんな風に先のことに思考を巡らせていたところで、突如として目の前に広がった光景に、ぎょっと鞄を取り落とす。
「レオさん⁈」
「あっスオ〜! おかえり〜」
我が物顔で自身のベッドの上に楽譜を散らすその様子だけなら、司もそこまで驚きはしなかっただろう。
「おかえりって、あなた、その」
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