子ども部屋の御伽噺:TRUMP(ダリ+ウル) 陽も月光も同様に遮る、重いカーテンはまるで緞帳のようだ。
明るさの遮られた一室を、更に区切るようなベッドの天蓋の内側で、ウル・デリコは今が昼なのか夜なのかを考えていた。
使用人が水差しを交換に来た折に時刻を尋ねれば良かった。
しかし、軽蔑を隠そうとしない彼らの余所余所しさは、こうして伏せっている間は特に、何倍もこの身を苛むものだ。
時計はベッドの天蓋の影へと隠れていて、身体に燻る熱のせいで、自分にはそれを窺い見る体力もない。意識を手放そうにも、これまでずっと眠っていたからか、目だけが妙に冴えてしまっていた。
こういう瞬間に鎌首をもたげる不安を……不安と呼ぶにはあまりにも衝動的な激情を、ウルはよく知っていた。そして、諦めにも似た心地で、それにまた呑み込まれるのは時間の問題だと思った。おそろしい、おそろしい。いずれ、必ず至るーー。
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