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    きろう

    @k_kirou13

    ⑬きへ~二次創作
    だいたい暗い。たまに明るい。
    絵文字嬉しいです。ありがとうございます。
    まとめ倉庫 http://nanos.jp/kirou311/novel/23/

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    きろう

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    隆ツになるビッchiツと粉かけされた和泉と関ヶ原のプロット

    ※ツカサがビッチ
    ※和泉、関ヶ原にそれぞれツカサが仕掛けている

    ■前日譚
    警備ローテーションで初対面の比治山とツカサ。
    ツカサは比治山を気に入り、その後、何かとちょっとかいをかけてくる。
    自分が同性との恋愛に興味があるかどうか確認するような性質の悪い内容もあり、明らかにからかわれていると判断した比治山。
    そういった冗談はやめるように諭すとツカサは機嫌を損ねる。
    「僕、君みたいに逞しい人が好きなんだよ」
    本気で好意があってのことなら悪いことをしたと思いなおす比治山。しかしツカサは続ける。
    「和泉さんにはフられちゃってね。僕、顔だけなら悪くないと思うんだけど、どう?」
    つまり逞しければ誰でもいいらしい。やはり揶揄われているのだ。誠実な恋愛を是とする比治山はツカサにそういったことはやめるように諭す。
    その場では渋々引き下がるツカサ。少なくとも外見的には比治山の気を惹けていると考えている。
    しかし押してばかりではなびいてくれないことも理解。他の男に目を向けるか、しかし比治山が相当好みで、交流を通して性格的に一緒に居ても良いと感じる部分がある。
    ツカサはワンナイトから交際まで、色々な相手を引っ掛けてきたが比治山は今までに無いタイプだと感じる。身体が良いだけの堅物なら過去に出会って来ているのに何故だろう。閉鎖環境だからか、比治山にしかないものがあるのか。だとすればそれは何だ。


    ■1
    相変わらず比治山に攻勢をかけるが抵抗している比治山。それが面白いのと、比治山の不興も買いたくなくて男漁りも控えているツカサ。
    比治山の情報を確認ついでに趣味の情報収集行為をしていると、同じ警備員の関ヶ原の行動履歴に不審な点を見つける。外部通信記録、コロニー内の移動ログ、物品調達履歴。企業スパイかテロリストか。明確にクロと言えるものではない。むしろシロっぽいグレー。ここでの生活に不慣れだった、規則を失念していたと言われるとそれまで。
    ただ、ツカサの勘では彼は自分と同類のような、他人を覗き見るような動きをしている。ついでに和泉の履歴を確認すると、あっちの権限上ツカサも見れない(見ると足が付く)部分が多いが、状況的に関ヶ原を警戒していると取れる。

    和泉にそれとなく聞いてみるも、それとなくはぐらかされる。ついでに男漁りに釘を刺されるので「今は比治山くんに夢中だよ。片想いだけど」と答えておく。
    和泉は呆れるが、比治山が引っ掛かりそうなのでそっちにも釘をさすべきか、しかし恋愛は自由だしな……沖野も何か本気っぽいし。としばらく静観することにする。

    和泉がはぐらかしたので関ヶ原への疑念に確信を持つツカサ。自分の思い過ごしなら彼ははっきりと否定するはずだ。
    別に正義感は無いが、苦労しているプロジェクトが途中で潰されるのは嫌だ。それに破壊工作を目論んでいるのなら比治山に危険があるかもしれない。
    どうして彼に危険があると嫌なのか。彼だけが気になるのか。和泉はいいのか。
    恋かもしれない。冷静に気付いてしまうツカサ。
    色々な「恋」をしたりされたりしてきたので浮足は立たない。けど、比治山に気に掛けられると特別に嬉しいと思うし、自分も気に掛けてしまう。
    恋かぁ。好きになってしまった。そういうこともあるんだな。
    感情に名前を付けて保存してフォルダ分け。


    ■2
    しばらく比治山へのちょっかいは控えて、関ヶ原と交流を持つツカサ。
    比治山はその様子を見て自分は飽きられたのだと感じる。言い寄ってくる厄介な人間がいなくなって安心できるはずが、どこか残念な気持ちになる。たまにツカサが挨拶をしてきたり、他愛のない雑談で話しかけられるとほっとするし嬉しいと思う。そして、関ヶ原に妬いてしまう。
    ツカサは関ヶ原と楽しそうに会話している。自分の時よりも愛想がいい気がする。笑顔を見せている。身体を近づけている。関ヶ原も自然にしている。自分はもっとツカサに応えるべきだったのではないか。
    いや、彼が関ヶ原を好むならそれでいい。プライベートの見えない男だが、自分よりは多少若い。不器用な自分と違って、彼は寡黙なだけで気の利くタイプだ。
    そう自分に言い聞かせるが、心中はすっきりしない。
    いくら顔がいいとはいえ、年下の、不品行な青年に気を持ってしまったことに思い悩む比治山。自分はそんな人間ではなかったはずだ。

    和泉が比治山の持ち場を訪れた際に、彼もツカサの様子を注意していることを知る。そういえばツカサは和泉にフられたと言っていた。彼もツカサが気になるのだろうか。顔に出てしまい、和泉に否定される。ついでにツカサに惚れてることを認めろと指摘される。
    「年の差が何だ、あっちだって別に未成年じゃない」
    「困ります、俺は……」
    言い淀む比治山。ツカサが今までの比治山の思い描く常識的な相手ではないだけで、実のところ何の障害もないのである。
    「認めるかは別として、」和泉が声を落とす。
    「あいつらの動きに注意しとけ。何かあったらすぐ知らせろ」
    仕事として比治山は気を引き締める。自分には何も分からないが、和泉は彼らについて何か気になること、それも危険性を感じ取っている。最近、配置人員が多いのはそういうことか。
    再び二人の話す様子を観察する。仕事のため、と思うがやはり個人的なひっかかりを覚えてしまう。


    ■3
    関ヶ原は警戒心が強い、と感じているツカサ。
    彼は別に自分に気があるわけではないが、表面上は親密になろうとするのを拒まない。おそらく彼は技術者の自分が持っている情報を狙っている企業スパイだろうと予想する。
    そっちがその気ならこっちもその気だ。デートに誘い、関ヶ原の部屋に侵入を果たすか、自分の部屋に来たなら脳を解析してやる。天才を甘く見るなよ。
    ツカサはビッチである。それも趣味と実益のビッチである。今までもこういった情報を盗んだり便宜を図ってもらうために色々としてきた。天才エンジニアとして名を馳せてからは趣味でしか寝ていなかったが、腕に覚えがあるのである。(注・慢心もしている)

    無事に関ヶ原とのデートを取り付け、関ヶ原の部屋へ辿り着く。ベッドサイドで戯れながら隙を伺う。上裸程度。仕掛けるなら事の後、解析コードをインナーロシターに滑り込ませる算段。
    関ヶ原はツカサの好みとは異なるが、不足はない。比治山をからかい始めてからご無沙汰だったので、そっちの方面で少し期待はしてしまう。
    そうやって気が緩んだ瞬間、関ヶ原がツカサを押し倒し、色事ではなく暴力を行使する調子で行動を封じられる。
    「えっ、待って関ヶ原くん、僕そういう趣味はないよ。してもいいけど、ちょっと打ち合わせしよう?」
    まずいまずいまずい、バレてるかもとは思ってたけどこんなに早計に力に訴えてくるとは思ってなかった。「そういう趣味」なだけならいいけど、これは違う。
    どうにか茶化せないか試みるが関ヶ原は無視。
    「少し黙っていろ。大人しくしていれば乱暴はしない」
    手際よくツカサを拘束し、ポケットから取り出したのは勿論避妊具ではなく携帯用の情報スキャン端末。ツカサもプロテクトはかけているが、そもそもそんな端末を持っている時点で堅気ではない。そしてツカサが関ヶ原を疑っていることは既にバレている。情報を抜かれて、ここに来たことも忘れる。それだけならまだ運が良くて、その後も一方的に利用されかねない。関ヶ原の装備と能力次第。身体的な危険も無くはない。彼はツカサを警戒している。無事に帰すだろうか。流石に自分が失踪すれば騒ぎにはなると思うが。
    とにかくツカサの負けである。迂闊だった。比治山の顔が浮かぶ。色気なんか出さずにずっと彼を揶揄っていればよかった。スパイ調査なんてエンジニアの仕事じゃない。それこそ彼を頼れば適切な手段で警備部として適切に対応したはずだ。
    人を信じないのが自分の悪いところだ。誰もが能力的に自分より劣るから。だから自分には無いもの、一人では出来ないことを求めて他人に身体の関係を求めてみたし、その間だけは他人と対等になれた。自分以外の全てを侮っていた。だが、比治山を信じてみるべきだった。彼は頼りになる人物だ、と確かに感じていた。(たくましい人が趣味なのもこのあたりの屈折)
    ツカサにスキャン端末を近づける関ヶ原。
    「抵抗しないんだな」
    「痛いのは嫌いなんだ。今からでも気持ちいいことするなら君がしようとしたことは忘れてあげてもいいよ。頭の中を覗くよりもずっと君を満足させる自信はある」
    「俺は冗談を言わない」
    「詰まらない人だ」
    諦めて目を閉じるツカサ。
    「くれぐれも頭は壊さないでくれ。商売道具なんだ」
    「身体の間違いだろ」
    「冗談は言わないんじゃなかったの?」
    唐突に関ヶ原に緊急コールが入る。無視しようとするが鳴りやまない。
    「……口をふさがなくても騒ぎやしないよ。これでも自分の身は可愛い」
    コールに応える関ヶ原。
    「はい、関ヶ原です。……今から? 分かりました」
    『悪いな、逢引中だったろ? 子猫ちゃんによろしく』
    「何か勘違いをしてますよ、主任」
    通信を切る関ヶ原。通話の向こうの声は和泉だった。
    「誰かに見られていたかな。僕にも比治山くんから呼び出しだ。聞きたいことがあるから僕の部屋の前で待ってるって」
    すぐにツカサを開放しなければ怪しまれることは明らか。
    舌打ちをしてツカサの拘束を解く。
    上機嫌のツカサ。うきうきとして身支度を整える。
    「君は十分疑われているみたいだから身の振り方には気を付けた方がいいね。今日の逢引で何があったかは黙っていてあげよう」
    「……お前に何のメリットがある」
    「比治山くんに嫌われたくないんだ。僕とは何もなかったと口裏を合わせてくれ。……いや、事実か」
    今更かもしれないけど。


    ■4
    連絡通り部屋の前で待っていた比治山に声をかけるツカサ。
    「お待たせ、比治山くん。あれ、今日は非番?」
    いつもの制服ではない。
    「制服で長々と立っていたら怪しまれるだろう」
    「何を? 私服で人の部屋の前に居る方が僕に気があるみたいで怪しいと思うけど……」
    分かっていてにやにやと笑うツカサ。比治山の顔が赤く染まる。
    比治山はツカサの部屋を張っていた。和泉は関ヶ原の部屋を張っていたのだろう。
    「まぁ入りなよ。聞きたい事があるんだっけ? 立ちっぱなしだった君にお茶ぐらい出してあげるし、何もしないから」
    部屋に招き入れるなり、ツカサの肩を掴み向き合わせる比治山。
    「わっ」
    「怪我はないか」
    「落ち着いてくれ。ドア付近は外に聞こえる」
    比治山の腕をつかみ、部屋の中央まで連れていく。
    ツカサが立ち止まって向き合うと、比治山はツカサの肩に手を置き、見詰めた。
    「お前が無事でよかった」
    「何のことだい」
    「関ヶ原と会っていただろ」
    「まぁ僕はこんなのだから。君も知ってのとおり色々と手は出させてもらってる」
    「……したのか」
    にっこり笑うツカサ。
    「フられちゃった。慰めてくれる?」
    ツカサは比治山が照れて何も出来なくなるだろうと予想した。しかし比治山はツカサを抱きしめた。
    「比治山くん!?」
    予想外のことに心臓が跳ねる。関ヶ原に危険を感じた時にも平静だったのに。

    ~比治山の回想~
    和泉から呼び出されて状況を聞かされた時、比治山は気が気ではなかった。
    沖野司が関ヶ原瑛を嗅ぎまわっている。
    「元々、沖野の素行は問題視されていた。倫理面は兎も角、あの顔であの能力であの経歴だ。どこでどんな組織と繋がっていてもおかしくはない。過去には監視対象になっていたこともある。その時の報告はシロだった」
    しかし最近、妙に関ヶ原に近づき始めた。
    「身内を疑って人を動かすのは難しい。だが沖野司を疑うのは自然だ」
    状況報告から沖野が関ヶ原の部屋に入ったのを知った。廊下にはカメラがあるが、当然部屋の中のことまでは分からない。
    和泉は警備権限で空調等居住設備の動作を監視して異常を検知した。とはいえ、グレーだ。仲良くゲームでもしているのかもしれない。どうするかを比治山に問うた。比治山は私情だと断った上で邪魔をしてほしいと言った。
    和泉は関ヶ原に通信を入れ、呼び出した。
    沖野の部屋付近で待機していた比治山はそのまま沖野を待って後は自由にしろと指示された。
    ~回想終わり~

    関ヶ原に黙っていると言った手前、情報を伝えるか迷うツカサ。ツカサの戸惑いに気が付かないまま強く抱きしめている比治山。
    「君が何の心配をしていたのか分からないけど、」
    結局黙っていることにした。
    伝えた方がいい情報なのは分かっている。だが自分の証言以外の証拠が出せない。まだ隠していても困らないはず。
    それよりは今、比治山の気持ちがこちらに向いていることを楽しみたい。
    「すごく熱烈だね。もしかして関ヶ原くんにやきもちかい」
    「そうだ」
    そうだ? そうだと言った? 鼓動が速くなっていく。
    自分は比治山の反応を喜んでいる。とてもすごく。頬が熱いのは比治山から移った体温だけのせいではない。
    「……どうして?」
    比治山の言葉を期待する。
    比治山は抱擁を解き、ツカサを正面から見つめる。
    「俺はお前を誰にも渡したくない。俺を好いていたのが嘘でないのなら、付き合ってほしい」
    嬉しい。好みの男が手に入ったから? 違う。比治山が自分を見たから。
    ツカサは比治山に笑いかける。これ以上彼の近くにいられない。
    「少し待っていて。シャワーを浴びてくる」
    比治山の顔が赤く染まる。
    「だ、段階を飛ばしすぎだ!」
    「関ヶ原くんの匂いを落としてくるだけだよ。君が望まないなら”何もしない”」
    さっきそう言ったので。
    上機嫌でバスルームに向かうツカサ。服を脱いだ後、比治山にお茶を出し忘れたことを思い出す。

    おしまい。
    もしくは何だかんだすけべパートが発生!



    ===memo
    ツカサに和泉さんにちょっかいかけて欲しい気持ちと、和泉さんが関ヶ原を疑ってたなら森村千尋はもっと別の結末だったと思います!いや後悔してもしきれない見落としがあったのはそれはそれで業なんですけど……の気持ちがぶつかったので、その決着がつかないと仕上げない気配。
    ド定番の流れなのでギミックもうちょい捻るか心情背景盛り盛りたい。
    薬師寺さんには私情を挟まなかった隆俊とも矛盾する~そこは天秤の重さの違いかもしれない。
    前半の足りない隆ツキャッキャウフフは脳内補完してください。
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