1時間で息絶える話「すきだからつきあってほしい」
酒に酔った真っ赤な顔で、呂律の回っていない舌ったらずな声だったが、それは間違いなく告白の言葉だった。いくらこの手のことに鈍いロナルドでも勘違いしようがないほど、真っ直ぐな言葉だった。
だから、ロナルドは。ならばもうあと一時間でこいつとの付き合いも終わるのかと、二日酔いにも似た胸の痛みに顔をしかめた。
「おい、きいているのかばかるどぉ! へんじぐらいせんか、ばかめぇ……」
「あーはいはい聞いてる聞いてる」
ぐいぐいと頬擦りせんばかりに密着してくる半田に水の入ったグラスを押し付けてやると、わりあい素直に受け取ってくれた。やはり、だいぶ酔っている。今日はやたら酒のペースが早いとは思っていたのだが、今の半田は完全に出来上がっていた。そうでなければロナルドの肩に頭を預けて、甘ったれた声で告白してくるなんてとんでもない行為を半田がしでかすはずがないのだ。
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