お前に呪いをくれてやる「明日は道侶殿の誕生日だろう? 道侶思いの貴殿のことだから、当日に祝いたいに違いないと思ったんだが。違うのか?」
色の白い肌がいつにも増して白くなっていく。江澄の目の前にいる男は、初対面の人間でも一目で顔色が悪いとわかるほどにみるみる青ざめていった。いつも余裕綽々な顔をしている人物のらしくない姿に、ほんの少し胸がスッとする。精々慌てふためいて、右往左往すればいい。道侶になったことに浮かれているからこんなことになるのだ。
これは八つ当たりだ。人の気も知らないで幸せな毎日を過ごしているくせに、肝心なところをひた隠しにしようとしている愚か者への、ほんのささやかな嫌がらせ。
(精々肩身の狭い思いをするんだな)
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