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    あさぱの

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    あさぱの

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    流花でもない。小説でもない。考察でもない。 湘北VS山王を見たただのファンが書いた感想、と言う形で語ってます。 ネット記事みたいなノリで読んでください。 最後端折っちゃったけど、もう眠いのでここで終わります。変なところがあったらこっそり教えてください🙃 復活上映ありがとうございます!の気持ちを込めて。

    #SD

    ある高校バスケファンの雑感【今年の山王戦を見たかい?】

    そう聞かれたら、例年通りなら「あぁ見たよ。決勝戦を」と答えていただろう。
    今年はたまたま、近くでインターハイが開催されていて、知人に誘われたものだから、さてさて今年の山王の仕上がりを見てやろうくらいの軽い気持ちで初戦から会場へ赴いたのだ。初戦と言ってももちろんシード校であるから、2回戦からのお出ましである。相手は初出場の神奈川県代表湘北高等学校。せっかく初出場で1回戦を突破したというのに、2回戦で山王相手とは。かわいそうにとは思うが、トーナメント制の致し方ないところだ。それ故強豪チームは1回戦から出てこないのだろう。せっかくIHまで来て初戦が山王なら自分なら絶望してしまう。

    会場についてまもなく両チームがコートに現れた。なんというか、対照的だった。坊主頭に揃えられて、きっちり統率された山王軍に対して、赤い坊主頭を筆頭に、全員が個性の塊のような湘北賊。随分やんちゃそうなチームだとは思ったが、ここまで来ているからにはそれなりの実力も伴っているのだろう。さて王者山王に挑戦者の湘北はどんな試合を見せてくれるのか。
    期待とともに席につくと、間もなくして試合開始のホイッスルが鳴った。


    【白熱の前半戦】

    開幕は衝撃的だった。湘北の赤い(比喩ではない。真っ赤だ)坊主頭、桜木が挨拶がわりと言わんばかりのアリウープをぶちかます。山王部員たちの息のあった応援が響き渡る、完全アウェイの場内だと言うのに、何ひとつ怯んでいる様子は見られない。対する山王の選手たちも派手な開幕に動じることなく、すぐに同点のシュートを決める。
    面白い。何もかも対照的ではないか。派手な湘北、堅実な山王。個人技が光る湘北に洗練されたチームプレイの山王。
    前半戦は湘北のSG、三井の得点力が圧倒的だった。3Pシュートが次々とネットに吸い込まれるように決まっていく。まさしくノリに乗ってるシューターそのものだ。それに対しチームプレイで確実に点を返していく山王。一進一退の攻防だ。
    あれだけ3Pを決められても、2点差で折り返したのはさすが山王というところだろう。


    【王者の本領】

    しかし後半に入った山王は別物だった。小手調べはもう終わりだ、と言わんばかりに猛攻を仕掛ける。いや堅守というべきか。お家芸のゾーンプレスの始まりだ。二人がかりで小柄な湘北PG宮城をマークする。前半で湘北の動きを見切った山王サイドがまさしく襲いかかったのだ。
    そこからはまさに圧巻。湘北ボールがセンターラインを超えることすら難しい。手も足も出ないとはこのことだ。完全に飲み込まれてしまい、点差がみるみるうちに広がっていく。
    個人の能力としては確かにお互い引けを取らないと言ってもいい。だがチーム力と経験というのは一朝一夕でつくものではないのだ。その点で山王は圧倒的強者だった。
    当然湘北も活路を見出そうともがいている。けれどどの手を打っても山王にはこう映っただろう。
    「そのパターンは知っている」と。
    当然だ。山王は常勝チームだ。今までいろいろな相手を対戦し、強い相手に勝ってきたチームだ。いくら湘北が個人技に優れていても高校生レベル。それ以上の技術を持つ相手ともやり合った経験がある、山王の選手にとってはそう目新しいものではない。
    焦りからかファウルもかさむ。疲労も明らかだ。
    これは厳しい。一方的な展開となってしまったこの試合を見ている者たちはみな、そう思っただろう。この状況を打開するには、山王の裏をかく作戦を講じるしかない。そしてそんなものはそこいらの高校生ができるものではない。


    【伏兵桜木躍動】

    伏兵と言ったら怒られるかもしれない。けれどそう言わせてほしい。なぜなら彼は誰が見てもすぐわかるくらいの初心者だったからだ。確かに彼の身体能力には目を見張るものはある。数年後にはすごいプレイヤーになっているかもしれない。だが現状ではまだまだ素人と言ってもいい。山王とやり合うにはまだまだ未熟だ。一点を除いては。
    一度ベンチに戻った桜木は高らかに(退場ギリギリの)勝利宣言と共にコートに戻って来ると、自分の仕事を思い出したかのようにリバウンドに徹した。そしてあの山王相手に高さで競り勝ち、リバウンドを制したのだ。偶然ではない。連取したのだから。
    最初に崩れたのは野辺だった。リバウンドを取れない焦りからだろう。彼もまたリバウンドに定評のある選手のはずだった。やむなく河田もマークにつく。けれどその結果赤木がノーマークになった。
    赤木が倒れたのには肝を冷やしたが、雄叫びをあげた後の赤木は憑き物が落ちたようだった。そしてまるでその声に呼応するように三井の3Pも息を吹き返す。
    湘北の歯車が噛み合い、回り始める。反撃の狼煙だ。


    【沢北の慢心】

    おそらくその緩やかな崩壊を誰よりも感じていたのは山王PGの深津だったろう。冷静沈着でチームの要である彼がまさかのところでインテンションを取られることになる。しかしそこからはエース沢北がギアを上げた。だがしかし、ギアを上げすぎたとでも言うべきか。彼も新しい挑戦者を前に個人の楽しみを優先してしまったように見えた。なぜなら彼は驚くべきことにボールを誰もいないところに放り投げ、まるでヨーイドンとでも言うかのようにボールに向かってダッシュしたのだ。試合中にしかも山王の選手がそんな遊びをするなんてありえない。結果的には彼はボールにいち早く追いつき、点を上げて実力差を見せつけたのではあるが。
    確かに1体1では沢北に勝てる高校生は現状いない。実際得点を重ねる沢北に勝負あったかに思われた。
    けれどそれを相手…つまりはマッチアップしていた流川に火をつけ、逆に湘北をチームとしてまとめる結果になったのだ。
    沢北に一対一で競り勝てないと理解した流川の動きは一変した。まるで二人目のPGであるかのように赤木、三井へとパスを回し、そうかと思えば隙をついて自分でも切り込んでいく。
    河田と桜木の空中戦もさることながら、沢北と流川の地上戦も実物だった。
    試合の中で成長し段々チームとしてまとまっていく湘北、に自分たちのプレイを見失っていく山王。点差が徐々に縮まっていく。会場のボルテージも最高潮だ。

    その後桜木選手のケガというアクシデントが起こるが、結局プレイを続行した。これについては言及しない。賛否両論あるだろうが、簡単にここで語れるものではない。


    【勝負の行方】

    けれど相手は王者山王だ。さすがの対応力で終盤になって立て直す。もうここまで来たらどちらが勝つかはわからない。あの会場にいたものは誰しもが息を飲み、手に汗を握っただろう。
    そしておそらく皆の心の片隅で芽生えたのだ。『王者が倒される歴史的瞬間をこの目で、この場で見てみたい』そんな思いが。
    もしかしたらそれが『山王にこんなところで負けて欲しくない』という気持ちに、僅かばかり勝ったのかもしれない。
    最後またプレスにシフトした山王のディフェンスを掻い潜る宮城の瞬間に鳥肌が立ったのを覚えている。
    湘北の気迫のこもったディフェンス、起死回生の4点プレイ。逆転につぐ逆転。息すらできていたのかわからないくらいの緊張感。

    結果はご存知の通り、湘北の勝利で幕を閉じた。いやはや大金星。大番狂せ。今大会最高のドラマだ。
    最後流川を囮にしてブザービーターを決めたのは桜木だった。伏兵などと書いて申し訳ない。断言しよう。「山王が今までに出会ったことのない不気味な存在」として彼は勝利のために必要不可欠な存在だった。


    ではもう一度対戦したら湘北は勝つことができるか?

    おそらく現状では難しい。
    なぜなら山王はもう桜木花道という存在を知ってしまったからだ。もう一度対戦するとなれば、相応の警戒をし、完璧な対策を練って、湘北に臨むだろう。他の選手に対しても同様だ。勝ち目はない。
    ただ現状ではの話だ。
    次なる対戦の時にはお互いチームも変わる。成長もする。お互いどんな仕上がりになるのか楽しみでしょうがない。できることなら来年もまた、このカードを観戦したいものだ。そのためにも是非とも桜木選手の一早い回復を願いたい。


    そして最後に一言。
    今年も山王は良かったぞ!!!
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