~第一話~
「オッケーです!一旦チェック入りまーす!」
ある日の某スタジオ内、シャッター音が鳴り止みスタッフたちが忙しなく動いていた。そして、その中心にいるのは、反物を扱う大手企業青柳グループの兄弟会社として独立し、若くして社長を務める青柳冬弥だ。
「うん、問題ない。これで行こう。」
「分かりました。では、本日の撮影は以上となります!皆さん、お疲れさまでした!」
スタッフが声をかければ、スタジオ内の全員からそれぞれ挨拶が返ってくる。そして、そのまま速やかに撤収作業が開始された。
「社長、お疲れ様です。少しお話したいことがございます。この後、少々お時間よろしいでしょうか?」
「お疲れ様。あぁ、問題ない。」
そう言って声をかけてきたのは、冬弥の秘書を務める女性だった。
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