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    MAcaROn_3923

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    MAcaROn_3923

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    相互さんの素敵イラストを元に妄想したお話を、書きたいところだけ書きました!
    本当は考えてた設定とか書きたかったんですけど、話を書いてるうちに上手くまとまらなくなったので、とりあえず書きたいところだけ…😌

    王子☕️×黒百合🥞のお話です。

    頭を空っぽにして、何も考えずにお読みください😌

    王子×黒百合空はよく晴れている。雲ひとつない快晴だ。こんな日は外に出て、動物達と過ごしたり花を愛でたいものだが、あいにく今日は外に出られるような暇は無い。仕方が無いから、窓から眺めるだけで我慢することにしよう。

    「冬弥様。それでは、私はここで。また後ほどお迎えにあがります。」
    「あぁ。」

    扉が閉まり、ようやくできた1人の時間に息を吐く。
    今日のスケジュールはあまりにハードだ。お偉方との会談に、次の舞踏会に向けての服の採寸やらデザイン相談。午後は、隣国への訪問。その他にも夜までぎっしりだ。
    今は、父さんや兄達が繁忙期だから細かなことはこちらに回ってきているのだ。毎年この時期はこうだが、いつまでたっても慣れない。

    「……」

    瞼が重い…。昼食前に、少し仮眠をしておいた方が良さそうだ。

    「ん?」

    ベッドに移動しようと腰を上げた時、ふと机の上に1輪の花があることに気づいた。

    「これは…、黒い百合?こんなもの、いつの間に……」
    「随分と不用心だな。」
    「!!」

    突然聞こえた何者かの声に、バッと顔を上げる。窓の方を見れば、開け放たれた窓に真っ白なカーテン。そこに舞う黒い花びらと、その中に、黒がいた。

    「…誰だ…」

    窓辺に座り込んでこちらを見つめるのは、オレンジの髪の青年。肘をついて、鶸色の瞳でこちらを見ている。不思議な雰囲気を放つ彼から何故か目を離せない。
    一体いつの間に…。

    「鍵くらいかけとけよ。良いとこのお坊ちゃん。襲われても知らねぇぞ?」
    「誰だと聞いている。」
    「今そんなこと重要か?」
    「…当然だ。」
    「ふーん。なぁ、黒百合の花言葉、知ってるか?」
    「質問の前に名乗ったらどうだ。」

    この青年、普通じゃない。緊張からか、心臓が少しうるさく鳴る。
    後ろ手に机を探り、引き出しを開けてもしもの時用に用意しておいた短剣を手に取る。

    「"呪い"だよ。」
    「…っ!?」

    気がついた時には、青年が目の前にいた。思わず後ずされば、机にぶつかる。

    「あと、"恋"。なぁ、あんたはその黒百合、どっちの意味だと思う?」
    「は…?」
    「その黒百合は、オレからの贈り物。気に入ったか?」
    「そんなわけっ…」
    「オレが怖いか?」
    「っ、」
    「……」

    え…?今、微かに、ほんの少しだが青年が悲しそうに見えた。いや、気のせいか。この青年が悲しむ理由なんてどこにも…

    「…ほら、自分の身は自分で守らないとだろ。」
    「っ…!」

    青年は突然こちらの短剣を握った方の手を掴んだかと思うと、鞘から抜き、それを自分の喉へとあてがった。
    つぷりと皮膚に刃が沈んで、彼の首に赤い筋が伝う。

    「ッおい…!」
    「なんだ、人を切ったことが無いのか?そうだよなぁ。あんたみたいなお人好しは、人なんて傷つけたことないよな。」
    「ッ…!」

    一歩青年が前に踏み出せば、刃が更に白い肌に沈む。
    妙に視界に飛び込んでくる赤に、グラりと頭が揺れるようだ。

    「やめろッ…!!」

    思わず青年を突き飛ばす。
    カタカタと震える手で、ドクドクと激しく脈打つ鼓動を沈めるように胸を握った。

    「っ、はぁ…ッ…はっ…」
    「……」

    青年は、感情の読み取れない表情で自分の首に触れると血を掬い、舐めた。

    「……同じなんだよ…」
    「ぇ…」

    その時、扉の向こうから足音が聞こえた。そちらに気を取られ、青年から視線を外した。ハッとしてもう一度前を向いた時、唇に温かさと柔らかな物が触れた。ほんの少し感じる、鉄の味。視界には、目の前に青年の顔。
    青年は、俺にキスをした。

    「…っ」

    少しして、唇が離れる。突然のことに思考が停止して、ただ呆然と立ち尽くす。
    青年はまた、窓辺に行くとそこに立った。

    「…じゃ、またな。」
    「…!待てっ…!」

    止める間もなく、青年は背中から外へと落ちた。ここは三階だ、落ちたら死んでしまう。咄嗟に窓へと駆け寄り下を覗いた。

    「え……」

    しかし、そこには誰もいなかった。なんの痕跡も。

    「…一体なんだったんだ…」

    青年は、"また"と言っていた。また会う機会があるというのだろうか。

    「……」

    そっと、まだ先程の感触が残っている唇に触れる。あれは…キス……だったよな…。どうして……。
    徐ろに、机の上の黒百合を見る。


    『どっちの意味だと思う?』


    そう彼は問うたが、一体なんだと言うのだ。俺に呪いでもかけた…?いやでも、そんな挙動は見られなかった。なら、…恋…?一体誰が誰に…。彼はこれを贈り物だと言った。彼が俺に恋を…?
    いや、そんなはずはない。俺は、彼のことを一切知らなければ会ったことすらないのだ。

    「…お前は一体、誰なんだ…」






















    「……」
    「良かったのかい?名前、言わなくて。」
    「見てたのかよ…。」
    「少しね。で、本当に良かったのかい?久しぶりだったんだろう?」
    「……。…いい。あいつが生きてるのを見れたならそれで。」
    「……。」
    「オレが関わると、碌なことがない。…ッ"…!」

    青年は、苦痛に顔を歪めて胸を掴み背を丸めた。

    「けれど、早くしないと、もう君の体がもたないよ…。」
    「っ………」
    「どこに行くんだい?」
    「…帰る。」
    「……そうかい。なら、一緒に行こうか。帰ったら、体見せてもらうからね。」
    「…意味ないだろ」
    「見せてもらうよ。」
    「……わかった。」

    森の闇に、2人の黒が溶けていった。
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