捕虜の女の子尋問するやつ「嫌だ嫌だ許してください!!お願いです殺さないでください!!」
先程拘束した捕虜が何か叫んでいる。耳障りだ。
「えっと…どうしますか少尉…黙らせますか?」
「そうしてくれ。頭に響く。」
どうやら顔に出ていたらしい。面倒事を進んで引き受けてくれるとは、私は優秀な部下を持ったな。
「な、何をするつもりで……嫌だ…!ヤダヤダ許して!し、しにたくない!!」
「少し黙っていてください…」
彼女は捕虜の腹にライフルを押し付ける。そうすると捕虜は息を飲んで体をガタガタ震えさせながら黙った。ようやく話が出来る。
「さて。君が我々連邦軍をどう思ってるのか知ったことではないが別に私達個人として君を殺そうとしている訳じゃない。あくまで私達の目的は君と対話することだ。分かったか?」
「ひぁッ…し、死にたくないです…」
そういうことを言ってるんじゃあないんだが…
もしかしたら彼女を殺さないで捕虜に取ったのは失敗かもしれないな。今ならまだ間に合うか…?
どうするか少し考えているとうわ言のように死にたくないと繰り返す様子に痺れを切らしたのか横の彼女は銃床で捕虜を殴打した。
「うびゅッ……うぁ"…」
「あ…その、質問に答えて欲しいんですけど…えっと…少尉の質問の答えになってない…ですよね…?理解したか…教えて貰えますか…?」
普段は気弱そうなのにナチュラルにこういう事をできるあたり、怒らせたら怖いのだろうな。
「わか"っりました"ッなんでも知"ってることなら吐きます"だからごろさないで"…」
「そ、そうですか…つつ次同じような事があったら…えと…脚を撃ちます…」
そこまで許可した記憶はないのだが…まぁ、情報を引き出すためならば多少の威圧行為は誤差の範囲内だろう。
「…落ち着いたか?なら次の質問に入らせてもらう。君の所属と名前、それから故郷についても教えてくれ。」
「だだ、第19義勇装甲て偵察大隊第4中隊第2小隊所属ッ、ザラ・アレクサンダーソン2等衛生兵ですッ…こっ国籍はノーデン共和国で、南部のエルラント出身です…」
エルラントか。田舎町だが観光地としてはいい場所だったな。ヴラド湖の畔の料理屋も絶品だった。そのまま田舎に引きこもっていれば良かったものを
「エルラントか。何年も前だが開戦前は旅行に行ったことがある。そこから最前線とは、運がなかったな。さて、次の質問だ。君達が運んでいたあの文書、どこに運ぶ予定だったんだ?」