この子に私の人生が変えられたのは事実。もちろん、いい意味で「荷物が乗って移動の足になるのが欲しかった。ただ、ちょっと刺激が欲しかったのかも。」
チューニングとの馴れ初めを語ってくれたのはK市在住の若葉チャン。最近は女のコの走り屋も珍しくないけど、彼女のシビックはちょっと違う。
なんせ、心臓部にはチューンドのK24Aターボが詰め込まれている!スワップキットが出ているからと言って、実際に積んでみると色んな障害がでてくるものだけど…それでもEG型シビックにしては驚異的な420psオーバー/45kg-mという現行車越えのスペック。
しかし昔の車にこんだけのパワーを与えちゃったもんだから、当然それなりの補強も必要だよね。
というわけで、ドア開口部にスポット溶接を施したり、ワンオフのロールケージを組み込んだり、マシン本来の弱点を徹底的に強化。
車内はドンガラ2シーター仕様で外装もパーツをFRP製品に置き換えつつウィンドウもフロント以外はアクリル製、軽量化のための工夫のおかげでロールケージやエンジン本体の重量増加を含めても車重は純正とほぼ同じ約1000kgに収めている。すげー。
「軽さは速さに直結するから。とは言っても、夏にエアコンレスで走れる気がしないからエアコン周りはつけたままだケド…」とのこと。最近暑いから、その気持ちはよーくわかるゾ!
トランスミッションはクワイフ製の5速シーケンシャルミッションが搭載されている。
更に足回りもサーキット向けにガチガチに固められており、クラックス製の車高調にRPM特製ダンパーがセット。
純正ではキャパシティ不足のブレーキもSPOON製が装備、サーキットで問われる総合戦闘力を高めている。
「FFはパワーじゃない。400psもあるマシンに乗っておいてアレだけど、パワーに頼るんじゃなくてトータルバランスで光らせるマシンだよ。」
速さを追求されたマシン、そして本人がストイックにそれを追い求め続ける限り、この子は彼女の期待にきっと答えてくれるんじゃないかな。
サーキット仕様とは言うものの車検はちゃんと通ってるみたいで、お世辞にも街乗りがしやすくは無いみたいだけどバイトの通勤にも学校への通学にも使われてる愛されマシン。
取材の時間はちょっとだけだったけど、氷みたいにクールな印象を受ける若葉チャンをここまで楽しそうにさせてるのを見ると、ちょっと羨ましくなっちゃう。
それにしても、こんなふうにチューニングカーと向き合えるってサイコーだよね。
Civic SiR-II (EG) '93
DRIVER:西純 若葉
エンジン:K24A改
最高出力:420ps
最大トルク:45kg-m
吸気方式:TB
駆動方式:FF
車両重量:1000kg
パワーウェイトレシオ:約2.38kg/ps