ワードパレット6夜の散歩6夜の散歩
『夢のような』『前世の話』『流れ星』
「なー、まだ呑み足りないだろ?」
その一言から始まった夜の散歩はコンビニで買った適当な酒とつまみと共に河原に辿り着いた。
「この時間は暗いね」
「こんなに暗かったらなにしてもバレないよ?」
「えっ、ゲロ吐きそうなの?」
「そうじゃなくてさぁ」
おそ松兄さんの顔がグッと近づく。少しだけ酒の匂いがした。こんなに暗いのに、どんな顔してるのかは分かってしまう。
「やっと2人きりになれたねってこと」
分かってたよ、僕も。分かってて気づかないふりしてたんだ。
「そう、だね」
「なんか歯切れ悪いなぁ。お兄ちゃんとイチャイチャしたくないの?」
「したくない、わけじゃ……」
「じゃあ、とりあえずキスでもしておこうぜ」
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