土曜21時、いつものバーで。
学生時代からの長い付き合いになるメンバーとの集合の連絡だった。
チームで組んでる情報屋という仕事柄もあるけれど、もはや集まるのは習慣に近い。
なんとなく誰かが声をかければ、理由なんてなくても自然と集まる4人組。それが僕らだった。
その心地よい関係性に1人加わったのはいつからだっただろうか。
カランコロン。
扉についたベルを鳴らしながらバーの扉を開けると、カウンター席にいつものメンバーと、もう1人の姿が見えた。
最初こそ、誰かが彼女をここに誘うたびに、挨拶のように「なんでここにいるの?」と悪態をついていたような気もするけれど、気がつけば、むしろ居ない時にはつい不在の理由を確認してしまうくらいには彼女はすっかり自然にここに溶け込んでいる。
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