無題何があって私はここまで不幸なのだろう?物心ついた頃から家は借金で夜逃げは当たり前、なのに父親も母親もお互いの不倫に金を湯水のように注ぎ私にはお金は回さないから着る服も無いから同じ服しかなくて、それをキッカケに虐められて親から逃げたくて高校はどうにかして定時制で奨学金制度で通い卒業してからは奨学金を返済している生活。
まだ奨学金返済だけなから良かったのに縁を切ったと思ってた親が私を知らない間に借金の連帯保証人にして夜逃げして捕まらないからと借金取りが私の家や職場に押しかけて来て職場からは置いていけないと言われクビになった、そこからは転げ落ちるように夜の仕事で親の借金を返す日々になって、やりたかった事も思い出せない生活になった…
「よぉ」
そんな日々の中で出会った、この人と居ても幸せになれないなんて分かってるのに私は引き返すなんて言葉が覚えられない。
「今日はどうしたの」
「あー、スった」
「何回目?」
「忘れた」
フラフラと突然現れる彼、身長もあるけど筋肉がすごくあって何の仕事してるのか?と1度だけ聞いたことあるけども彼は何でも屋なんて言ってはぐらかして教えてくれた事がない。
大金を1度で稼いでパーッと使うのが彼で賭け事の才能がまるで無いのによく競馬やら色んなレースに賭けては負けていて、久しぶりに会った今も負けていた。
「お前こそ相変わらず不幸な面してんな」
「うるさい」
ニヤニヤとした表情で言われるけども顔が無駄に良いこの男は客の男たちをかき集めても勝てない、顔も身体もイイのだ…
「家に入れろよ」
「はぁ…」
他にも女が居るのに何で私の所なのだろう、そんな事を何度も思いながらも私は彼を家に入れてしまう。
「何か食べもんは?」
「はぁ…」
座ってテーブルに肘をついて手に顎を乗せて私が何か出すのを待ってる、自然と私は冷蔵庫から材料を出して焼きそばを作り出す。
「悪ぃな、お前は?」
「同伴で食べてきたから」
嘘だ、私の売り上げはかなり悪い愛想が無い無愛想だと言われ話も続かないから客がつかない、どうにかしてギリギリ借金を返せるくらいの稼ぎしかないから食事もできる限りは抜いてる。
彼は食べ始めて私はシャワーを浴びに行った、彼のタッパならあれだけでは足りないだろうけど適当に冷蔵庫から何かしら出して食べるだろう…
「おえっ…」
客に無理に飲まされたのが今になって吐き気が酷くて、でも何も食べてないから胃液ばかりが出てきて喉が痛い。
「なんだ、やっぱり何も食ってないのか」
いつの間にか真後ろに立ってる彼、メイクも何もかもがぐちゃぐちゃな私を見て何が良いのだろう?そのまま私は風呂場で彼に抱かれた、いつもの事だ彼は私がこう辛い時にめちゃくちゃに抱いてくれる…何もかも忘れられる感覚に堕ちれる…
「ごほっ」
「今回も盛大に喘いだなぁ」
「うる…さいっ…!」
体力も底知れない彼にここまで抱き潰されて平気な女は居ないだろう、彼は水を飲みながら…
「あー、俺再婚する事になったからもう来ない」
「え?」
再婚?というか彼は元々結婚してた事すら知らなかった、私が喋れない事をいい事に彼は話続ける。
「まぁお前とはたまにヤる関係だったし、一応?言っておこう思ってな」
たまに…あぁ、そうだ彼にとって…甚爾にとって私はそんな存在だったのだ…
「そんじゃ二度と会うことはないだろうからな」
そう言って服を着て出ていく彼、私は彼にとって何もないそんな存在でこれからもそうなのだ…
終わり