今日のごろ未だ謎の多い生命体「ごろ」。世界各地でさまざまなごろが確認されているものの、個体差の幅がかなり広く、綿の詰まったやわらかな命ということ以外は何も分かっていないのが現状です。
今日のごろは東京都内に生息するごろ。ごろの歴史は古く、初めて文献に名前が出たのはギリシャ時代という説が有力です。学名はGoro Gossypium familiaris、人間と共存するごろは、通称「家ごろ」と呼ばれています。
実は最近の研究で、自立行動をするごろは人間の男性とも意外と相性が良いと発見されました。どのように相性が良いのか? 今回はそんな家ごろの生活を覗いてみましょう。
「お? なんだ、今日は一人か?」
こちらのお家では二体のごろが生活をしています。家の主は獅子神敬一さん(26)。ご自宅でのお仕事が主ですが、ごろとの生活もうまくいっているとのことです。
「オマエも留守番か、ってな……いつもの相棒はどこ行った?」
「仕ごろ」
「仕事かあ、アイツといっしょじゃねえか」
今日はどうやら片方のごろが不在のようです。こちらのお家のごろは、少しだけ言葉を話せるようですが、これも個体差があります。
ごろしし、と呼ばれるお留守番個体はこころなしか主である獅子神さんによく似ています。
「いつ帰ってくるんだろうな」
「午後」
「そっか、そうだよな、そういやアイツも夜勤だからもう帰ってくる時間だよな」
こちらのお家のごろはつがいのごろです。生憎もう一体のごろ――ごろさめは仕事に出ているようで、獅子神さんと二人そろってのお留守番なのでした。
二人とも、寂しいね。はやく帰ってこないかなあ。