のぞまね会話「落ち着いたら…真練は何かやりたいことはある?」
タブレットの画面を伏せてから、望海が尋ねる。
「うーん、そうですね…」
真練も悪戯に捲っていた本を閉じた。
「きっと計画が成功したら、世界はすっかり変わってるんでしょう?思ってる通りにはいかないですよね」
「そうかもしれないね」
少年はそう言って、少し笑ってから答えた。
「そうですね、今でも出来るけど2人で公園でピクニックしたり、美術館にも行きたいなぁ。隠れる必要も無くなりますし、望海さんと一緒に暮らしたいんですけど…いいですよね?そうしたら家のものを買い物にも行きましょう。自分で家具揃えるのって、楽しそうだなぁ」
どうやら彼の中では、世界が変わっても望海と一緒にいるということだけは絶対らしい。
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