ケミカル飲料(塩見 久遠)☆quiet followDONEミキ♀クラ♀。にょたゆりえろ。男性向けに近いかもしれない。やることやってるだけなのでR-18。注意事項を確認してください。パス付。成人しているかどうか、正直にお答えください。 Age verification Tap to full screen .Repost is prohibited Let's send reactions! freqpopularsnackothersPayment processing Replies from the creator Follow creator you care about!☆quiet follow ケミカル飲料(塩見 久遠)DONETwitter(X)にアップしていた文章をまとめたものです。ノスクラが成立するまでのお話。アップした時点から若干の修正を加えております。氷の花が咲くところ1.花に秘める ―花というものは、これほど冷たいものだっただろうか 頬に、額に、唇に。触れるどころか視界を塞がんばかりの花々に埋もれながら、そんなことを思った。 頭を振ってみれば、冷たくて甘い匂いのするそれらは音もなく落ちていった。そうして漸く視界が開けた。それでも目に映るのは花ばかり。 青・白・紫。そんな色が散見される。種類も多様なようだ。 何故、これほどまでに花に埋もれているのかといえば、例の如く吸血鬼のポンチ能力のせいである。 街中で能力を発動させる吸血鬼が現れ、ひと騒動起きる。それに巻き込まれるのも、最早何の変哲もない日常である。 しかし、今回に限って言えば、一筋縄ではいかなかった。その能力というのが、 12647 ケミカル飲料(塩見 久遠)DONE私による私のためのアドベント企画です。根底はノスクラ。メインはクラさん。12/2~12/24までTwitter(X)に短編を1日1本アップしていきます。こちらにはそれを継ぎ足す形でアップしていきます。星降る夜の贈り物(2023年アドベント企画 ノスクラ)0 「お前宛てに荷物を送った」 そんな簡潔なメッセージが届いたのは数日前のことだ。そして、今、目の前には大きな段ボール箱がどっしりと構えている。側面に貼られたラベルをみるに、壊れ物らしい。 カッターで傷を付けないように配慮しつつ、そっと蓋を開ける。すると、そこには真っ白な梱包材が存在を主張していた。当然といえば当然なのだが、肝心の中身を確認するべく、梱包材を取り払った。 やっとのことでお目見えしたのは、木製の家だった。二つ折りにされた状態であり、小さな鍵がついている。その鍵を外して広げると、一から番号が記された面が並んでいる。箱の厚みを考慮するに、沢山の小箱が収められているのだろう。まるで、今自分が住んでいるマンションのようだと思った。 23584 ケミカル飲料(塩見 久遠)DONEノスとクラ♀。ノスクラ♀成立済。二人が初めて手を繋ぐまでのお話。相手に触れるのは簡単だけど、手を繋ぐのは意外と難しい。ふれて、つないで 女性の手というものは、下から掬い上げるものだと思っていた。それは挨拶の一環だったり、エスコートの一場面だったり多岐に渡る。しかし、いずれであっても、非力なそれは仰々しく、恭しく扱うべきものと認識してきた。 それが今はどうだろう。目の前に差し出された手は確かに小さく華奢な造りをしている。しかし、こちらに掌を向けて勢いよく伸びてきたそれに、か弱さはまるで感じられない。その仕草は子どもが菓子を強請るようにも見えなくはないが、彼女に限ってそんなことをするとは思えない。 ―では、この手が意味するところはなんなのだろうか? 目の前の青白い掌をじっと見つめるが、答えは見つからなかった。すると、彼女はこちらが何も反応を返さないことに痺れを切らしたらしい。もう一歩距離を縮めたかと思えば、 1758 ケミカル飲料(塩見 久遠)DONEノスとクラ。春の卵のお話。隠し味程度ですが、信仰や風習への言及を含みます。書き始めはノスクラと思ってました。2023/4/9にTwitterにアップしたものに一部修正を加えています。月夜に満ちる、春の息吹の喜びよ 「これは、お前を思って作ったものだ」 そうして唐突に差し出されたのは、卵の殻だった。 癖毛の彼の来訪は久方ぶりだった。屋敷に招き入れたのは、日がとっぷりと暮れてからだったが、彼の近況報告やら最近仕入れた知識やらに耳を傾けていると、あっという間に時間が過ぎていった。 そして、僅かに欠けた月が輝きを増し、時計の長針と短針が重なった頃、彼は鞄から小さな箱を取り出した。机に乗せられたのは、菓子の類が詰め込まれていそうな、厚紙で出来た箱だ。彼は土産と称して、使い魔の猫のための食べ物や小物を持ち込むことがあるが、それらとは趣が異なっているようだ。かといって、中身の想像がつくかと言えばそうではない。彼の唐突な行動に対して、腕を組みながら構えるくらいしかすることはなかった。 3465 ケミカル飲料(塩見 久遠)DONEミキとクラ♀。クマのぬいぐるみがきっかけでミッキが恋心を自覚する話。クラさん♀が魔性の幼女みたいになってる。これからミキクラ♀になると良いねと思って書きました。蛇足のようなおまけ付き。2023/4/8にTwitterにアップしたものに一部修正を加えています。魔法にかけられて 「それでは、失礼します」 深めに礼をして、現場を後にした。ファミリー層向けイベントのアシスタントということで、テンションを高めにしたり、予想外の事態に見舞われたりと非常に忙しかったが、イベント自体は賑やかながらも穏やかに進行した。主催している会社もイベント担当者もしっかりとしており、臨時で雇われているスタッフに対しても丁寧な対応がなされた。むしろ、丁寧過ぎるくらいだった。 その最たるものが、自分が手にしている立派な紙袋だ。中には、クマのぬいぐるみと、可愛らしくラッピングされた菓子の詰め合わせが入っている。 「ほんのお礼ですが」 という言葉と共に手渡された善意であるが、正直なところ困惑しかない。三十代独身男性がこれを貰ってどうしろというのだろうか。自分には、これらを喜んで受け取ってくれるような子どもや家族もいなければ、パートナーだっていないのだ。そして、ぬいぐるみを収集、愛玩する趣味も持っていない。 6361 ケミカル飲料(塩見 久遠)DONEミキとクラ。寝ている間に髭が生えるミッキと魔が差したクラさん。やや、仄暗いかもしれない。書いている人はミキクラと思っています。2023/4/6にTwitterにアップしたものの再掲となります。薄明を遠ざける 夜明け前に、ふと目が覚めた。頭はすっかり冴えていて、眠気が戻ってくることはなさそうだ。隣からは規則正しい寝息が聞こえてくる。寝返りの要領で彼の方に向き直ると、薄明りでも彼の顔がよく見える。相変わらず両目の下の隈は色濃く、頬の窪みは深い。気配に聡い彼のことなので、起こしてしまうかもと思いつつ、そっと頬に手を伸ばした。 すると、彼の肌に掌が触れるかどうか、というところで、チクチクとした感触に阻まれた。髭だ。そういえば、以前、彼に現代の剃刀を触らせてもらったことがある。軽くて扱いやすそうだった。とはいえ、今の自分には無用なものだ。頬に触れる枕カバーのサラサラとした質感を心地よく感じながら、思いを馳せる。 655