星降る夜の贈り物(2023年アドベント企画 ノスクラ)0
「お前宛てに荷物を送った」
そんな簡潔なメッセージが届いたのは数日前のことだ。そして、今、目の前には大きな段ボール箱がどっしりと構えている。側面に貼られたラベルをみるに、壊れ物らしい。
カッターで傷を付けないように配慮しつつ、そっと蓋を開ける。すると、そこには真っ白な梱包材が存在を主張していた。当然といえば当然なのだが、肝心の中身を確認するべく、梱包材を取り払った。
やっとのことでお目見えしたのは、木製の家だった。二つ折りにされた状態であり、小さな鍵がついている。その鍵を外して広げると、一から番号が記された面が並んでいる。箱の厚みを考慮するに、沢山の小箱が収められているのだろう。まるで、今自分が住んでいるマンションのようだと思った。
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