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    syako_kmt

    むざこく30本ノック用です。
    成人向けが多いと思うので、20歳未満の方はご遠慮下さい。

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    むざこく30本ノック④延長戦
    3日目
    幼少巌勝くんを引き取ることになった無惨さまが自分好みに育てようと試みるお話

    #むざこく30本ノック
    random30Knocks
    #むざこく
    unscrupulousCountry

    幼少巌勝くんを引き取ることになった無惨さまが自分好みに育てようと試みるお話 鬼舞辻無惨30歳。ある日突然、10歳男児の父親になった。

     人生、何が起こるか解らない。勿論、身に覚えのあることは沢山してきたが、子供が出来たなんて一度も聞いたことはなく、認知してくれと迫られたことはない。
     この子は純粋に赤の他人であり、縁もゆかりもない子供だ。
     友人が突然うちにやってきて「暫く預かって欲しい」と子供を置いて姿を消したのだ。
     そう言えば、最近店が上手くいっていないと言っていた。夜逃げするのに子供が邪魔だったのだろう。置いていった鞄を見ると母子手帳まで入っていたので、これは本気で迎えに来る気がないな……と眩暈がした。
    「えっと……巌勝君」
    「はい」
     動揺するこちらとは正反対に、落ち着いた子供だった。両親どちらにも似ず、めちゃくちゃ美形だし、利口そうな顔をしている。
    「暫くおじさんちで過ごすみたいだけど、小学生だよね?」
    「はい、そうです。今まで私学に通っていましたが、恐らく、そこにはもう通えないでしょう。最近、父の会社が倒産したそうです」
     そこまで解っていたのか……と、子供につらい現実を見せる友人に殺意が沸いた。とはいえ、理解しているのなら隠すことも出来ない。
    「一旦、住民票を移して、こっちの学校に通う? あ、でも赤の他人のところで養育するって出来るのかな?」
     無惨が色々考えていると、巌勝はプリントアウトした養子縁組に関する資料をランドセルから取り出した。
    「鬼舞辻さんさえご迷惑でなければ、僕を養子にしていただけませんか? このまま夜逃げした親が迎えに来るとは思えませんし、何かと不便なことが多くなります。18歳まで面倒を見ていただけたら、その後は絶対にご迷惑をおかけしません」
    「いや、ちょっと待って……私は独身だから養親になる条件を満たせない場合があって……」
     と話をすると、冷静だった表情が突然不安そうになり、涙ぐんで俯いたのだ。
    「……そうですよね……まだ独身なのに、僕がいたら邪魔ですよね……」
    「いや、そういう意味ではなくて! 解った! うちの顧問弁護士に手続きさせるから、今日は旨いモノでも食いに行こう!」
     そう言って、顧問弁護士に連絡し、養子縁組の手続きを開始した。
     調べると巌勝は退学の手続きをしていなかったので、これまで通り私学のおぼっちゃん学校に通い続けることになった。少々高い学費など何でもない。無惨はいくつかの会社を経営し、30歳時点で総資産は数億円といわれた敏腕経営者である。
     結婚を意識した相手もいないし、ひとり暮らしに退屈してペットでも飼おうかと思っていた矢先なので、あまり手のかからない巌勝が家にいるのは特に問題無かった。
     それに、兎にも角にも巌勝の顔が良かった。
     どんな服を着せても似合うし、礼儀正しく、所作も美しい。その上、養子縁組が完了してからは無惨のことを「お父様」と呼ぶのだ。
     お父様……若い頃にやんちゃして、何度も家を飛び出し、クソジジィと父親を呼ぶ世界を生きてきた無惨にとって、とてつもなく新鮮な言葉であり、少しはにかみながら「お父様」と言ってくる巌勝は妙な色気があって、心臓が跳ね上がる。
     そんな巌勝に良い暮らしをさせてやりたいと無惨は今まで以上に仕事に打ち込んだ。家を空けることが多くなったので、ハウスキーパーを入れることを提案したが、何故か巌勝は反対した。
    「僕はお父様と二人の生活が良いです……家事なら、僕、頑張りますから」
    「いや、お前は学業に専念しなさい。家事をしてもらうだけだから、別に私たちが一緒に過ごす時間に入ることはない」
    「そうですか、なら大丈夫です」
     巌勝がにっこりと笑うと無惨は安心する。その度に、なんだか巌勝に転がされていないか? と違和感を持っていたが、どうにもこうにも巌勝は無惨を手懐けるのが上手すぎる。
     無惨も無惨で、巌勝を「一流の男に育てる」と張り切っており、子供の頃から本物に触れる機会を沢山与え、ピアノ、バイオリン、剣道、空手、英会話……と様々な習い事をさせ、日に日に無惨の分身のようになっていた。
     そのせいか、他人から見た時に巌勝は無惨の実子に見えるほど、よく似ており、仕草や話し方もよく似ているので本当の親子に見えると言われた。
    「何より、お二人とも美形ですからねぇ……」
     女性陣はうっとりと二人を見つめる。引き取ってから数年、巌勝は無惨に勝るとも劣らない美形に育ち、微笑むだけで失神しそうになる女性がいるほどであった。
    「女遊びはほどほどにしておくように」
    「私のことですか? ふふっ……お父様ほどではありませんよ」
     嫌味を言う巌勝も美しい。生意気にも無惨の真似をして一人称を「私」と言うようになったが、子供の頃から大人びていた巌勝には非常に似合っており、「僕」や「俺」と言うよりもしっくり来ている。
     そんな巌勝の指摘通り、まだまだ三十代で男盛りの無惨だが、数々の女性から誘いを受けてはいるものの「息子がおりますので」とその誘いをすべて断っていた。かつて自由奔放に過ごしていた頃からは考えられない変貌ぶりである。
     かといって、純粋に父親になったかというと、実はそうでもないのだ。
     目線が同じ、いや少し巌勝の方が高くなるほどに成長したことを喜ばしく思うのは、父親の想いだけではないと気付いていた。
     こいつが恋人だったら良いのに、と何度も考えた。自分が丁寧に育てたせいか、最も居心地の良い相手になってしまい、それ以上に見た目が好み過ぎて、何度も「自分は父親、自分は父親」と言い聞かせてきたのだ。
     こんな疚しい気持ちが巌勝に伝わっていないか、無惨はいつもヒヤヒヤしていたが、優雅な笑顔で見つめてくる巌勝を見て、きっと大丈夫だろうと胸を撫で下ろした。

     しかし、その日はやってきた。
     眠っていると、妙に体が重い。誰かが自分の上に乗っていることに気付き、急いで起き上がろうとしたが、強い力で押さえ付けられた。
    「私のことをそういう目で見ているのに、手を出さないお父様が悪いんですからね」
     自分の上に乗っている人物、それは巌勝であり、薄暗い室内でほんのりと白い肌が光っているのが解る。そう全裸で自分の上に乗っているのだ。
    「何度お父様を思って自分の体を慰めたことか……今夜、やっと長年の夢が叶います」
     紅潮した頬、乱れた息遣い、そういう淫らな子は大好きだが、そんなことを教えた覚えはない。動揺していると巌勝はにっこりと微笑む。
    「光源氏計画ですよ。お父様は無意識に私を自分好みに育て上げたのです。私もお父様のことは誰よりも知っていますよ」
     口をぱくぱくしていると巌勝はそっとキスしてくる。巌勝から微かに香るシャンプーの匂いが好きなのだが、好きで当然だ。自分の好きなものを巌勝に買い与えているのだ。そうやって考えると、巌勝のことを子供ではなく、自分好みのお人形として世話していたのかと、物凄く罪深いことをしていたのではないかという罪悪感に襲われた。
     抵抗することも出来ず、巌勝がパジャマのボタンをひとつずつ外す姿を、固唾を飲んで見守っていた。
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    TRAININGむざこく30本ノック④延長戦
    7日目
    シンプル、カジュアル、ラフなペアコーデで、公開用のオフショットを撮影するむざこく
    シンプル、カジュアル、ラフなペアコーデで、公開用のオフショットを撮影するむざこく 無惨と黒死牟が仕事上だけでなく私生活でもパートナーであると公表してから、どれくらいマスコミに囲まれ、あることないこと書かれるかと心配していたが、取り立てて大きな生活の変化はなかった。
     職場は二人の関係を元から知っていたし、世間も最初は騒ぎ立てたものの「鬼舞辻事務所のイケメン秘書」として有名だった黒死牟が相手なので、目新しさは全くなく、何ならそのブームは何度も来ては去っている為、改めて何かを紹介する必要もなく、すぐに次の話題が出てくると二人のことは忘れ去られてしまった。

     そうなると納得いかないのが無惨である。
    「わざわざ公表してやったのに!」
     自分に割く時間が無名に近いアイドルの熱愛報道よりも少ないことに本気で立腹しているのだ。あんな小娘がこれまたションベン臭い小僧と付き合っていることより自分たちが関係を公表した方が世間的に気になるに決まっていると思い込んでいるのだが、職場内だけでなく国内外でも「あの二人は交際している」と一種の常識になっていた上に、公表を称えるような風潮も最早古いとなると、ただの政治家の結婚、それだけなのだ。
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    TRAININGむざこく30本ノック③
    13日目
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう 今日もやっと1日が終わった。
     朝から晩まで、あの鬼上司2人に扱き使われたのだ。
    「おい、零余子!」
    「はい!」
    「零余子!」
    「はいー!!!!」
     多分、この数年で確実に親より名前を呼ばれている。これまで割と要領良く生きてきたので、こんなに怒鳴り散らされることはなかった。
     初めは鬼舞辻事務所に就職が決まり大喜びした。
     今をときめくイケメン政治家、鬼舞辻無惨の下で働けるなんて……その上、彼は独身。もしかして、もしかする、未来のファーストレディになれるようなルートが待っているかもしれない!? と馬鹿な期待をして入職したのだが、それは夢どころか大きな間違いだった。
     毎日怒鳴り散らされ、何を言っても否定され、無惨だけでも心がバキバキに折れそうなのに、これまたイケメンの秘書、黒死牟が更にエグイ。まず行動原理が「無惨様のため」なので、無惨の怒りを買った時点で、どんな言い訳をしても通用しない。こちらに非が無くても、無惨に怒鳴られ、黒死牟にネチネチと嫌味を言われ、最悪のコンボが待っている。
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