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TRAININGむざこく30本ノック④延長戦1日目
桜にさらわれる
桜にさらわれる 皆さん、こんにちは。
同人作家「れいよし」こと零余子です。
私の勤め先はブラックもブラック、漆黒のような職場で、パワハラ上司ふたりを妄想の餌食にした小説をネットで公開したら、それがまさかの空前の大ヒット。
うっかり上司にバレてしまい、新刊を出す度にお説教を食らうという地獄が待っているのですが、楽しみにしてくれている読者の方がいらっしゃるので、これからも頑張って書きたいと思います。
さて、今回、いただいたお題ですが、「桜にさらわれる」ですね。
くぅー! 腐女子の好きなやつ!!
因みに皆さんは、どちらが攫われる方だと思います?
個人的にはやっぱり秘書かなって思ったんですよね。多分、そうお考えの方も多いかな……と思うんですよ。黙っていたら、ものすごく薄幸そうな薄命の美人に見えるじゃないですか。実際はゴリラなんですけど。まぁ、それはおいといて、ちょっとサムライみたいな高潔さや、凛とした佇まいが桜を思わせ、花吹雪と共に攫われちゃうような感じがしますよね。
2462同人作家「れいよし」こと零余子です。
私の勤め先はブラックもブラック、漆黒のような職場で、パワハラ上司ふたりを妄想の餌食にした小説をネットで公開したら、それがまさかの空前の大ヒット。
うっかり上司にバレてしまい、新刊を出す度にお説教を食らうという地獄が待っているのですが、楽しみにしてくれている読者の方がいらっしゃるので、これからも頑張って書きたいと思います。
さて、今回、いただいたお題ですが、「桜にさらわれる」ですね。
くぅー! 腐女子の好きなやつ!!
因みに皆さんは、どちらが攫われる方だと思います?
個人的にはやっぱり秘書かなって思ったんですよね。多分、そうお考えの方も多いかな……と思うんですよ。黙っていたら、ものすごく薄幸そうな薄命の美人に見えるじゃないですか。実際はゴリラなんですけど。まぁ、それはおいといて、ちょっとサムライみたいな高潔さや、凛とした佇まいが桜を思わせ、花吹雪と共に攫われちゃうような感じがしますよね。
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TRAININGむざこく30本ノック④30日目
元気よく破壊活動
元気よく破壊活動 鬼殺隊が産屋敷邸と刀鍛冶の里を巧妙に隠すようになった原因は黒死牟のせいである。
そこに至った理由は様々だが、兼ねてより巌勝が疑問に思っていたことが小さな火種となり、燻り続けたことが大きい。それがきっかけで鬼殺隊を壊滅状態に追い込み、鬼殺隊最大の功労者である継国縁壱を除隊、下手をすれば切腹の沙汰が下るところまで追い詰めたのだ。
そこまで巌勝を追い詰めた原因、まずは鬼殺隊の成り立ちだ。そもそも鬼殺隊は身内を鬼に殺された孤児の集まりであり、一部に煉獄家のような代々武門の出もいたが、多くは兵法のへの字も知らない農民の子ばかりで、それどころか隊士の識字率はかなり低かった。
このように学ぶ習慣がなく、戦略や戦術に疎い集まりの上、敵の総大将である鬼舞辻無惨も刀も握ったことのない貴族の出だと聞く。その戦法たるや驚くほどの戦下手であり、鬼のずば抜けた能力だけで押し勝っているだけであった。
2032そこに至った理由は様々だが、兼ねてより巌勝が疑問に思っていたことが小さな火種となり、燻り続けたことが大きい。それがきっかけで鬼殺隊を壊滅状態に追い込み、鬼殺隊最大の功労者である継国縁壱を除隊、下手をすれば切腹の沙汰が下るところまで追い詰めたのだ。
そこまで巌勝を追い詰めた原因、まずは鬼殺隊の成り立ちだ。そもそも鬼殺隊は身内を鬼に殺された孤児の集まりであり、一部に煉獄家のような代々武門の出もいたが、多くは兵法のへの字も知らない農民の子ばかりで、それどころか隊士の識字率はかなり低かった。
このように学ぶ習慣がなく、戦略や戦術に疎い集まりの上、敵の総大将である鬼舞辻無惨も刀も握ったことのない貴族の出だと聞く。その戦法たるや驚くほどの戦下手であり、鬼のずば抜けた能力だけで押し勝っているだけであった。
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TRAININGむざこく30本ノック④29日目
水族館
水族館 考えたら今までデートらしいデートをしたことがなかった。
仕事で知り合い、常に一緒にいるうちに次第にそういう仲になり、仕事柄国内外を共に飛び回っているので今更どこかに出掛けたいなど考えたことがなかった。その上、仕事中もプライベートも四六時中一緒にいるのだ。改めて出掛けることを目的とした外出をしたことがなかったのだ。
「デートしませんか?」
と黒死牟が提案した時は、何を今更と呆れた様子の無惨であったが、今朝は起こす前に起きており、ウォークインクローゼットの中であれやこれやと服を選んでいる。
最終的にシンプルな格好で落ち着くのだが、無惨が自分と出掛けるからと、いつも以上に服選びに神経質になっているのは嬉しかった。そんな自分の女々しさが嫌になるくらいに。
3131仕事で知り合い、常に一緒にいるうちに次第にそういう仲になり、仕事柄国内外を共に飛び回っているので今更どこかに出掛けたいなど考えたことがなかった。その上、仕事中もプライベートも四六時中一緒にいるのだ。改めて出掛けることを目的とした外出をしたことがなかったのだ。
「デートしませんか?」
と黒死牟が提案した時は、何を今更と呆れた様子の無惨であったが、今朝は起こす前に起きており、ウォークインクローゼットの中であれやこれやと服を選んでいる。
最終的にシンプルな格好で落ち着くのだが、無惨が自分と出掛けるからと、いつも以上に服選びに神経質になっているのは嬉しかった。そんな自分の女々しさが嫌になるくらいに。
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TRAININGむざこく30本ノック④27日目
黒死牟の前でだけ泣いてしまう無惨様
黒死牟の前でだけ泣いてしまう無惨様 あの鬼舞辻無惨が泣くなんて考えられない。
一番付き合いの長い黒死牟ですら「泣き顔を見たことがない」とさらりと答えた。
それもそうだろう。あの鬼舞辻無惨が涙を流すなんて想像できない。というより「泣かないで欲しい」と黒死牟は願っていた。
たとえそれが嘘でも演技の涙であったとしても、あの美しい鬼舞辻無惨の瞳から涙が零れ落ちることが許せなかった。
それは死の間際、人の想いが受け継がれることを思い知る場面であったとしても、鬼舞辻無惨は泣かない。そうであって欲しかった。
あの時、涙を流してしまえば、藻掻いた千年を己自身が否定してしまうことになる。
そう言う自分も消えゆく時に後悔と共に涙を流した。なんと情けないことか。鬼として生きた一生を否定してしまうことになる。
1537一番付き合いの長い黒死牟ですら「泣き顔を見たことがない」とさらりと答えた。
それもそうだろう。あの鬼舞辻無惨が涙を流すなんて想像できない。というより「泣かないで欲しい」と黒死牟は願っていた。
たとえそれが嘘でも演技の涙であったとしても、あの美しい鬼舞辻無惨の瞳から涙が零れ落ちることが許せなかった。
それは死の間際、人の想いが受け継がれることを思い知る場面であったとしても、鬼舞辻無惨は泣かない。そうであって欲しかった。
あの時、涙を流してしまえば、藻掻いた千年を己自身が否定してしまうことになる。
そう言う自分も消えゆく時に後悔と共に涙を流した。なんと情けないことか。鬼として生きた一生を否定してしまうことになる。
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TRAININGむざこく30本ノック④26日目
もう何度もキスしている仲なのに、「そっちからキスしてよ」と言われて固まる黒死牟
もう何度もキスしている仲なのに、「そっちからキスしてよ」と言われて固まる黒死牟 明日は早いから今夜は駄目です。黒死牟がそう言っているにも関わらず、無惨は黒死牟のパジャマを脱がせようと、しつこく絡んでくる。
「駄目ですって」
「一回だけだから」
そんな可愛い表情で迫られたら「仕方ないですね、一回だけですよ」と言いたくなる黒死牟だが、一回で済まないことは解っているし、一回で終わらせたくないし、でも明日は本当に朝から忙しくて……と頭の中でぐるぐると考えを巡らせていると、手の力が抜け、ついつい無惨のリードを許してしまう。
手首を掴まれ抵抗出来ない状態にされ唇を奪われた。足の間に割り入るように膝を捩じ込まれ、窒息しそうなくらい長いキスに頭がぼんやりしてきた。
唇が離れた瞬間、息継ぎをするように乱れた呼吸を整える。膝でぐりぐりと股間を刺激されているせいで、切ない声が黒死牟から漏れると、無惨は嬉しそうに笑って再び唇を奪う。今度は僅かに開いた口に舌を押し入れ、尖らせた舌先でくすぐるように黒死牟の舌を刺激してくる。混ざり合う唾液が黒死牟の口の端から垂れ、正になし崩しになりそうだったが、珍しく黒死牟が拒絶の意思を示した。
1229「駄目ですって」
「一回だけだから」
そんな可愛い表情で迫られたら「仕方ないですね、一回だけですよ」と言いたくなる黒死牟だが、一回で済まないことは解っているし、一回で終わらせたくないし、でも明日は本当に朝から忙しくて……と頭の中でぐるぐると考えを巡らせていると、手の力が抜け、ついつい無惨のリードを許してしまう。
手首を掴まれ抵抗出来ない状態にされ唇を奪われた。足の間に割り入るように膝を捩じ込まれ、窒息しそうなくらい長いキスに頭がぼんやりしてきた。
唇が離れた瞬間、息継ぎをするように乱れた呼吸を整える。膝でぐりぐりと股間を刺激されているせいで、切ない声が黒死牟から漏れると、無惨は嬉しそうに笑って再び唇を奪う。今度は僅かに開いた口に舌を押し入れ、尖らせた舌先でくすぐるように黒死牟の舌を刺激してくる。混ざり合う唾液が黒死牟の口の端から垂れ、正になし崩しになりそうだったが、珍しく黒死牟が拒絶の意思を示した。
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TRAININGむざこく30本ノック④24日目
なまぐさ神父の無惨様としぼ天使ちゃんの続編
なまぐさ神父の無惨様としぼ天使ちゃんの続編 この大雨で洪水が起こるから川沿いに住んでいる人間は避難した方が良い。
それは神のお告げではなく、人が死ぬところを見たくない、子供の純粋な正義感から来る助言であった。
ろくでもない親の元で生まれたのに、そんな正義感が備わっている自分は、根は悪い人間ではないのかもしれない。
母親は娼婦で、父親の顔なんて知るはずもない。生まれてすぐに教会に捨てられ、そこで育てられた。
教会とはいえ治安の悪い地域だ。他の子供も犯罪に巻き込まれた孤児や同じように娼婦の産んだ子など、まともな子がいない。だから神職も腐りきっていた。
女の子供は年頃になれば慰み者にされ、売春宿に二束三文で売られ、男は子供のうちから犯罪に手を染め、まともに育っても労働力にされるだけだった。勿論自分も男なので労働力にされるはずだったが、容姿に恵まれていたので男色趣味の金持ちのところに高額に売られることになっていた。
1685それは神のお告げではなく、人が死ぬところを見たくない、子供の純粋な正義感から来る助言であった。
ろくでもない親の元で生まれたのに、そんな正義感が備わっている自分は、根は悪い人間ではないのかもしれない。
母親は娼婦で、父親の顔なんて知るはずもない。生まれてすぐに教会に捨てられ、そこで育てられた。
教会とはいえ治安の悪い地域だ。他の子供も犯罪に巻き込まれた孤児や同じように娼婦の産んだ子など、まともな子がいない。だから神職も腐りきっていた。
女の子供は年頃になれば慰み者にされ、売春宿に二束三文で売られ、男は子供のうちから犯罪に手を染め、まともに育っても労働力にされるだけだった。勿論自分も男なので労働力にされるはずだったが、容姿に恵まれていたので男色趣味の金持ちのところに高額に売られることになっていた。
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TRAININGむざこく30本ノック④23日目
両片思いのむざこく
両片思いのむざこく<説明マロ>
両片思いのむざこく。ただし秘書は墓まで自分の気持ちを持って行くつもり。
無惨様はわりとわかりやすく秋波を送っているのに、秘書の自己評価が低過ぎて全く届かず、アンジャッシュ難攻不落状態に陥っている。アプローチをことごとく流され、さすがの無惨様も「こいつは本気で私に興味がないのでは?」と不安になってきたときに、偶然秘書の気持ちを知る。
無惨様が顔面偏差値の暴力を駆使し、逃げようがない状況に持ち込んで、ド直球で秘書を口説き落とす。晴れて秘書からも告白するが、その後も無惨様はキレ気味(八つ当たり気味)に口説き続ける。秘書が赤面+涙目で「わかりました。よくわかりましたから。もう許してください。」と言ってもやめない。
2418両片思いのむざこく。ただし秘書は墓まで自分の気持ちを持って行くつもり。
無惨様はわりとわかりやすく秋波を送っているのに、秘書の自己評価が低過ぎて全く届かず、アンジャッシュ難攻不落状態に陥っている。アプローチをことごとく流され、さすがの無惨様も「こいつは本気で私に興味がないのでは?」と不安になってきたときに、偶然秘書の気持ちを知る。
無惨様が顔面偏差値の暴力を駆使し、逃げようがない状況に持ち込んで、ド直球で秘書を口説き落とす。晴れて秘書からも告白するが、その後も無惨様はキレ気味(八つ当たり気味)に口説き続ける。秘書が赤面+涙目で「わかりました。よくわかりましたから。もう許してください。」と言ってもやめない。
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TRAININGむざこく30本ノック④22日目
無惨様からシボ様に、京都のイントネーションで「かわいらしいなぁ」と言っていただきたいです。議員でも始祖でも!
無惨様からシボ様に、京都のイントネーションで「かわいらしいなぁ」と言っていただきたいです。 黒死牟がお座敷遊びで使ったであろう額を他人の懐から回収した無惨は、誰に身請けされることもなく年季を明け、自力で置屋を出てきた。そもそも売られたわけではなく、趣味で潜入しているだけだから年季も何もないというのに適当な縛りを設けた方が俄然燃えると勝手に設定し、その上、黒死牟に金を奪われた為、上乗せしてその損失まで芸妓の仕事で取り返した。
例のお侍以外の客と枕を交わすこともなく、色ではなく芸を売る。無惨の三味線と美貌なら、この先いくらでも稼げるから残って欲しいと泣き縋る遣手婆を振り払い、慣れ親しんだ三味線と「あれ」だけを持って、着物や帯は半玉に渡して出てきたのだ。
「いいんですか? おねえさん」
「ええんよ、大事に使ってね」
1714例のお侍以外の客と枕を交わすこともなく、色ではなく芸を売る。無惨の三味線と美貌なら、この先いくらでも稼げるから残って欲しいと泣き縋る遣手婆を振り払い、慣れ親しんだ三味線と「あれ」だけを持って、着物や帯は半玉に渡して出てきたのだ。
「いいんですか? おねえさん」
「ええんよ、大事に使ってね」
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TRAININGむざこく30本ノック④20日目
女無惨様(女装可)×黒死牟
女無惨様(女装可)×黒死牟<説明マロ>
青い彼岸花の情報を得るために遊郭かどこかに潜入調査した無惨様、住み込みでの仕事で無限城を長期期間不在になり黒死牟が迎えに行く…みたいなシチュエーションでみてみたいです。無惨様はすっかり位の高い遊女になっていて買うには大金が必要だが、店主も「あんたみたいな侍風情にゃムリだよ!」て断ろうとするけど黒死牟は懐から大金を出して「これでも…?」と言って有無言わさず無惨様を買う黒死牟…とかどうでしょうか?ちなみに黒死牟が持っている金は無惨様の金庫から持ち出した金です。
************************
侍の時代が終わりを告げ、文明開化や何やらと言われる時代になっても未だお座敷遊びは盛んであり、花魁ではなく色を売らない芸妓が座敷に呼ばれる機会も多かった。
2158青い彼岸花の情報を得るために遊郭かどこかに潜入調査した無惨様、住み込みでの仕事で無限城を長期期間不在になり黒死牟が迎えに行く…みたいなシチュエーションでみてみたいです。無惨様はすっかり位の高い遊女になっていて買うには大金が必要だが、店主も「あんたみたいな侍風情にゃムリだよ!」て断ろうとするけど黒死牟は懐から大金を出して「これでも…?」と言って有無言わさず無惨様を買う黒死牟…とかどうでしょうか?ちなみに黒死牟が持っている金は無惨様の金庫から持ち出した金です。
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侍の時代が終わりを告げ、文明開化や何やらと言われる時代になっても未だお座敷遊びは盛んであり、花魁ではなく色を売らない芸妓が座敷に呼ばれる機会も多かった。
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TRAININGむざこく30本ノック④19日目
ただいま
ただいま 私は帰る場所を二度捨てた。
追い縋る妻子を捨て、かつての主の首を持ち、ここに辿り着いた。
この道を選んだことに後悔はないが、帰る場所がないということは自分の足跡が消えてしまったような一抹の寂しさがあった。
しかし、幾度も住まいを捨ててきた無惨は、この感情が理解できないようで「馬鹿馬鹿しい」と一蹴された。
「たとえ帰る場所があったとて、斯様に長く生きていては帰りを待つ者も生きてはいない。いずれにせよ我々には帰る場所などないのだ」
その通りである。
今まで潜伏先として世話になったところはいくつかあるが、そこの主は皆、疾うに亡くなっている。
人間という生き物は自分が食い殺さずとも、時がくれば自然と命が尽きるのだ。
1196追い縋る妻子を捨て、かつての主の首を持ち、ここに辿り着いた。
この道を選んだことに後悔はないが、帰る場所がないということは自分の足跡が消えてしまったような一抹の寂しさがあった。
しかし、幾度も住まいを捨ててきた無惨は、この感情が理解できないようで「馬鹿馬鹿しい」と一蹴された。
「たとえ帰る場所があったとて、斯様に長く生きていては帰りを待つ者も生きてはいない。いずれにせよ我々には帰る場所などないのだ」
その通りである。
今まで潜伏先として世話になったところはいくつかあるが、そこの主は皆、疾うに亡くなっている。
人間という生き物は自分が食い殺さずとも、時がくれば自然と命が尽きるのだ。
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TRAININGむざこく30本ノック④17日目
無から黒への態度が終始「月彦モード」のまま終わるむざこく
無から黒への態度が終始「月彦モード」のまま終わるむざこく 受付の女性に応接室へと案内され、彼が入って来るまでの間は、いつになく緊張していた。今をときめく人気議員の鬼舞辻無惨が私設秘書を募集していると聞き、軽い気持ちで応募したら書類選考で合格したのだ。
ソファの横で立って待っていると、ノックする音が聞こえ「はい」と返事した。
「お待たせ致しました、鬼舞辻です」
爽やかな眩しい笑顔。そう、人気の一因が「イケメンすぎる政治家」と言われる、その比類なき容姿の良さなのだ。しかも自らコーヒーを乗せた盆を持ってきたので、思わず「私が」と近付いてしまった。
「いやいやお気遣いなく。どうぞ、お掛け下さい」
「それでは失礼致します」
一礼して着席する。なんと議員自らコーヒーを持ってくるなど意外だった。先程案内してくれた受付の女性は何をしているのか……様々なことを考えるが、彼は慣れた手つきでカップをソーサーに乗せ、こちらに置いて、自分の分も置いた。
3187ソファの横で立って待っていると、ノックする音が聞こえ「はい」と返事した。
「お待たせ致しました、鬼舞辻です」
爽やかな眩しい笑顔。そう、人気の一因が「イケメンすぎる政治家」と言われる、その比類なき容姿の良さなのだ。しかも自らコーヒーを乗せた盆を持ってきたので、思わず「私が」と近付いてしまった。
「いやいやお気遣いなく。どうぞ、お掛け下さい」
「それでは失礼致します」
一礼して着席する。なんと議員自らコーヒーを持ってくるなど意外だった。先程案内してくれた受付の女性は何をしているのか……様々なことを考えるが、彼は慣れた手つきでカップをソーサーに乗せ、こちらに置いて、自分の分も置いた。
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TRAININGむざこく30本ノック④14日目
ジムに行くときのトレーニングウェアってどんなのを着ているのか
ジムに行くときのトレーニングウェアってどんなのを着ているのか「お願いですから、その格好で表に行くのはやめて下さい」
「何故だ」
最近買ったばかりのハイブランドのセットアップを着て、早朝の高級住宅街をジョギングするつもりの無惨だが、コットンジャージー素材の上下には全面ブランドロゴが印字され、色も落ち着いたダークブルーにすれば良いものの、人目を引くブラックとキャメルの組み合わせにしてしまったがために、そこにいるだけで目がチカチカするのだ。
「顔が良いから何でも似合う」
そんな問題ではない。確かに似合っているが、そんな問題ではないのだ。
恐らく、豪華なマンションのエントランスにこの姿で登場するだけで写真に撮られ、ネットのおもちゃにされ、いつの間にかアクリルスタンドとして発売され、一年くらいは揶揄われる未来が簡単に想像出来るので黒死牟は必死で止めた。
1406「何故だ」
最近買ったばかりのハイブランドのセットアップを着て、早朝の高級住宅街をジョギングするつもりの無惨だが、コットンジャージー素材の上下には全面ブランドロゴが印字され、色も落ち着いたダークブルーにすれば良いものの、人目を引くブラックとキャメルの組み合わせにしてしまったがために、そこにいるだけで目がチカチカするのだ。
「顔が良いから何でも似合う」
そんな問題ではない。確かに似合っているが、そんな問題ではないのだ。
恐らく、豪華なマンションのエントランスにこの姿で登場するだけで写真に撮られ、ネットのおもちゃにされ、いつの間にかアクリルスタンドとして発売され、一年くらいは揶揄われる未来が簡単に想像出来るので黒死牟は必死で止めた。
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TRAININGむざこく30本ノック④13日目
ビジパがにらめっこしたらシボ様が無惨様の顔の良さに耐えきれずに降参するまで何秒かかるか
ビジパがにらめっこしたらシボ様が無惨様の顔の良さに耐えきれずに降参するまで何秒かかるか「黒死牟様、質問があります」
「どうした?」
獪岳に尋ねられ、パソコンで文書作成をしていた手を止めた。
「黒死牟様はどうして常時サングラスを着用しているのですか?」
「これか?」
昼夜問わず、場面も問わず、あの黒いサングラスを常に着用している。もはやサングラスも黒死牟の一部になっているが、何故あのサングラスを着けているのか。
「お前は何故だと考える」
「はい、まずは面を割れないようにする。あとは夜目に強くなる、攻撃を受けた際の目の保護……この辺りでしょうか?」
獪岳の予想をすべて聞いて「惜しいが、どれも違う」とあっさり答えた。
「やはり他人には教えられない理由がおありで?」
「お前の挙げた理由も、今となってはメリットの部類に入るだろう」
1409「どうした?」
獪岳に尋ねられ、パソコンで文書作成をしていた手を止めた。
「黒死牟様はどうして常時サングラスを着用しているのですか?」
「これか?」
昼夜問わず、場面も問わず、あの黒いサングラスを常に着用している。もはやサングラスも黒死牟の一部になっているが、何故あのサングラスを着けているのか。
「お前は何故だと考える」
「はい、まずは面を割れないようにする。あとは夜目に強くなる、攻撃を受けた際の目の保護……この辺りでしょうか?」
獪岳の予想をすべて聞いて「惜しいが、どれも違う」とあっさり答えた。
「やはり他人には教えられない理由がおありで?」
「お前の挙げた理由も、今となってはメリットの部類に入るだろう」
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TRAININGむざこく30本ノック④12日目
ビジパが指相撲したらどうなるのか
ビジパが指相撲したらどうなるのか 学校帰りに事務所に寄った獪岳は、信じられない光景を見て固まった。
「何してるんすか、あの人たち……」
そう、また例のロクでもない大人代表の無惨と黒死牟が、右手を握り合い、向き合ったまま少しも動かないのだ。真剣に見つめ合っているが、いつものような卑猥な雰囲気はなく、じっと膠着状態が続いている。
どうやら指相撲をしているようで、あの二人があまりにも真剣な為、誰も笑うこともツッコむことも出来ず、かといって無視して帰るわけにもいかず、静かに勝負の行方を見守っていた。
綺麗に磨いた爪と白く輝くような指先の無惨と、がっつりと「武人の指」をした黒死牟の指先が向かい合っているのは何と無く不思議である。
普段、無惨に手を握られただけで真っ赤になる黒死牟が、こんな時だけ真剣な面持ちで無惨の親指をへし折りそうな勢いで挑み、対する無惨も黒死牟の親指を握り潰す気満々である。指相撲ってこんなに殺伐としてたっけ?
1225「何してるんすか、あの人たち……」
そう、また例のロクでもない大人代表の無惨と黒死牟が、右手を握り合い、向き合ったまま少しも動かないのだ。真剣に見つめ合っているが、いつものような卑猥な雰囲気はなく、じっと膠着状態が続いている。
どうやら指相撲をしているようで、あの二人があまりにも真剣な為、誰も笑うこともツッコむことも出来ず、かといって無視して帰るわけにもいかず、静かに勝負の行方を見守っていた。
綺麗に磨いた爪と白く輝くような指先の無惨と、がっつりと「武人の指」をした黒死牟の指先が向かい合っているのは何と無く不思議である。
普段、無惨に手を握られただけで真っ赤になる黒死牟が、こんな時だけ真剣な面持ちで無惨の親指をへし折りそうな勢いで挑み、対する無惨も黒死牟の親指を握り潰す気満々である。指相撲ってこんなに殺伐としてたっけ?
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TRAININGむざこく30本ノック④11日目
キリッと凛々しいままで、無惨様からめちゃくちゃかわいがられるシボ様。
キリッと凛々しいままで、無惨様からめちゃくちゃかわいがられるシボ様。 このところ無惨の機嫌が非常に良い。周囲はその気味悪さから余計に静かになっているが、当の本人は周囲の冷ややかな視線に気付かないほど舞い上がっている。
その理由は、新しく採用した秘書のことだ。
継国巌勝、産屋敷の私兵集団「鬼殺隊」の最高位である柱を務めた優秀な男である。何故、その男が、とお思いだろうが、スパイとして潜入中に何と鬼舞辻陣営に寝返ったのだ。
普通は警戒するだろう。二重スパイの可能性を皆が疑っているが、無惨はそんなことお構いなしだ。
まず、べらぼうに顔が良い。柱の中でも一等美しいと噂されていた月柱である。はじめ鬼舞辻事務所に来た時は、無惨を含め全員が見惚れるほどの美形だった。
次に能力が高い。こちらに来て日が浅いというのに、無惨が思ったことを瞬時に察し「どうぞ」と先回りする気働きが出来る。
1673その理由は、新しく採用した秘書のことだ。
継国巌勝、産屋敷の私兵集団「鬼殺隊」の最高位である柱を務めた優秀な男である。何故、その男が、とお思いだろうが、スパイとして潜入中に何と鬼舞辻陣営に寝返ったのだ。
普通は警戒するだろう。二重スパイの可能性を皆が疑っているが、無惨はそんなことお構いなしだ。
まず、べらぼうに顔が良い。柱の中でも一等美しいと噂されていた月柱である。はじめ鬼舞辻事務所に来た時は、無惨を含め全員が見惚れるほどの美形だった。
次に能力が高い。こちらに来て日が浅いというのに、無惨が思ったことを瞬時に察し「どうぞ」と先回りする気働きが出来る。
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TRAININGむざこく30本ノック④10日目
ボットちゃんの話(紗呼ver.)
ボットちゃんの話(紗呼ver.) 起動して数時間。動けるようになるまで数分かかるほど、私の中には莫大な情報が詰め込まれている。それは依頼主である「黒死牟」が他の研究員にすら知らせることなく、己の知りうる情報をすべて私の中に詰め込んだからである。
その中には「黒死牟」に関するものは履歴書程度の情報しか残っていない。下手すれば家族構成すら曖昧にしか残されていないのだが、ある人物に関する情報だけが恐ろしいまでに入力されている。
その情報を抱えたまま、私は初めて行く道程を迷うことなく歩く。子供の姿の機体ゆえ、歩幅が小さく歩く時間がどうしてもかかってしまうが、疲れることもないので小走りに目的地へと向かう。
鍵は預かっている。オートロックを解除し、呼び鈴を鳴らすことなく部屋に入った。
4589その中には「黒死牟」に関するものは履歴書程度の情報しか残っていない。下手すれば家族構成すら曖昧にしか残されていないのだが、ある人物に関する情報だけが恐ろしいまでに入力されている。
その情報を抱えたまま、私は初めて行く道程を迷うことなく歩く。子供の姿の機体ゆえ、歩幅が小さく歩く時間がどうしてもかかってしまうが、疲れることもないので小走りに目的地へと向かう。
鍵は預かっている。オートロックを解除し、呼び鈴を鳴らすことなく部屋に入った。
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TRAININGむざこく30本ノック④9日目
スワッピング
※注意※
過去の30本ノックで鬼の無惨様×秘書は未遂ですが、議員×鬼の黒死牟はがっつりとヤッてしまった話があります。その設定を引き続き使っております。 2679
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TRAININGむざこく30本ノック④8日目
不意打ちのキス
不意打ちのキス「えっ!?」
零余子は我が目を疑った。
職場だと言うのに、無惨が突然、秘書である黒死牟の腕を引っ張り、唇と唇を重ねる……そう、キスをしたのだ。
「……そんなことをしてもダメです」
「そこを何とか」
媚びるように笑って、無惨はもう一度キスをする。
零余子は脳内の時計を巻き戻した。
先日、ディーラーに新車の試乗に行き、どうしても新車に買い替えたいと、これまた職場でする話かよ、という話題で二人は揉めていた。
「駄目です。今の車、いくらしたと思っているのですか?」
「綺麗に乗っているので下取りに出せば良い値段になるだろう」
「無理です。外車の中古市場は飽和状態で売っても買い叩かれるのです。別にマイナーチェンジしかしてないのですから今のままで良いでしょう」
1378零余子は我が目を疑った。
職場だと言うのに、無惨が突然、秘書である黒死牟の腕を引っ張り、唇と唇を重ねる……そう、キスをしたのだ。
「……そんなことをしてもダメです」
「そこを何とか」
媚びるように笑って、無惨はもう一度キスをする。
零余子は脳内の時計を巻き戻した。
先日、ディーラーに新車の試乗に行き、どうしても新車に買い替えたいと、これまた職場でする話かよ、という話題で二人は揉めていた。
「駄目です。今の車、いくらしたと思っているのですか?」
「綺麗に乗っているので下取りに出せば良い値段になるだろう」
「無理です。外車の中古市場は飽和状態で売っても買い叩かれるのです。別にマイナーチェンジしかしてないのですから今のままで良いでしょう」
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TRAININGむざこく30本ノック④7日目
黒死牟の鼻血を舐めてキスする無惨様
黒死牟の鼻血を舐めてキスする無惨様「青い彼岸花?」
「ソウダ、フシノミョウヤク……ドコニアル」
片言の日本語で何度も「アオイヒガンバナ」と尋ねてくる。
自分以外にも探している者がいるのかと無惨はそっと瞼を閉じ、小さな溜息をこぼした。
「本当に存在するなら、私が教えて欲しいくらいだ」
「ウソダ、オマエガモッテイル!」
スーツの襟を掴み、激しく揺さぶってくる。おいおい、高かったのだから、乱暴に扱うなよ……と思いながら、無惨は相手を睨みつける。目出し帽を被っているので顔は解らないが、目元に妙に懐かしい面影がある。
「持っていないし、大体あれは不死の妙薬なんて可愛らしいものではない。そんなに欲しいなら他を当たれ」
男が奥歯を噛み締める音が聞こえる。それほどまでに不死の妙薬を求める理由は何だろう。
1936「ソウダ、フシノミョウヤク……ドコニアル」
片言の日本語で何度も「アオイヒガンバナ」と尋ねてくる。
自分以外にも探している者がいるのかと無惨はそっと瞼を閉じ、小さな溜息をこぼした。
「本当に存在するなら、私が教えて欲しいくらいだ」
「ウソダ、オマエガモッテイル!」
スーツの襟を掴み、激しく揺さぶってくる。おいおい、高かったのだから、乱暴に扱うなよ……と思いながら、無惨は相手を睨みつける。目出し帽を被っているので顔は解らないが、目元に妙に懐かしい面影がある。
「持っていないし、大体あれは不死の妙薬なんて可愛らしいものではない。そんなに欲しいなら他を当たれ」
男が奥歯を噛み締める音が聞こえる。それほどまでに不死の妙薬を求める理由は何だろう。
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TRAININGむざこく30本ノック④6日目
拘束プレイな夜
拘束プレイな夜 誘拐されるのは、いつぶりだろうか。
御存知の通り、代々政治家を輩出する名門の生まれであり、清濁一気呑みするようなご先祖たちが雪達磨のように莫大な財を築き続けたので、自分の代ともなると幼少期から「歩く身代金」状態である。富や名誉があるということは良いことばかりではなく、幾度となく危険な目に遭わされた。その上、類い稀な美貌を持っているが為に何回かに1回は猥褻目的での誘拐もあり、自分の身を守れるのは自分しかいないと武術を習得し、何度誘拐されても、すべて無傷で帰ってきていた。
そんな無惨の健気な努力のおかげで鬼舞辻家の警備体制がザル過ぎても改善されることはなく、誘拐は無惨が自分で何とかすると危機感のない環境で育ってしまった。
1573御存知の通り、代々政治家を輩出する名門の生まれであり、清濁一気呑みするようなご先祖たちが雪達磨のように莫大な財を築き続けたので、自分の代ともなると幼少期から「歩く身代金」状態である。富や名誉があるということは良いことばかりではなく、幾度となく危険な目に遭わされた。その上、類い稀な美貌を持っているが為に何回かに1回は猥褻目的での誘拐もあり、自分の身を守れるのは自分しかいないと武術を習得し、何度誘拐されても、すべて無傷で帰ってきていた。
そんな無惨の健気な努力のおかげで鬼舞辻家の警備体制がザル過ぎても改善されることはなく、誘拐は無惨が自分で何とかすると危機感のない環境で育ってしまった。
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TRAININGむざこく30本ノック④5日目
秘書のかっこいいアクションシーンがある話
秘書のかっこいいアクションシーンがある話キブツジムザンハアズカッタ
カエシテホシクバ3オクエンヨウイシロ
何とも言えない趣のあるレトロな脅迫状を見て、あの無惨が誘拐されるわけなんてないない! と普段なら皆で笑うところなのだが、目の前にはズタボロになったスーツ姿で童磨に手当されている黒死牟がいる。これはドッキリではない……と全員が真っ青な顔で脅迫状を見つめていた。
どうやら、車で移動中に横に並んだ車から出てきた目出し帽の男が襲撃。二人とも応戦するも黒死牟が負傷し、無惨は連れ攫われ、高級外車は大破……という悲惨な結果となった。
あの無惨が攫われ、あの黒死牟が傷を負う。そんな相手に敵うわけがないと全員が怯えている中で、黒死牟だけが悔しそうに唇を噛み締めている。
2005カエシテホシクバ3オクエンヨウイシロ
何とも言えない趣のあるレトロな脅迫状を見て、あの無惨が誘拐されるわけなんてないない! と普段なら皆で笑うところなのだが、目の前にはズタボロになったスーツ姿で童磨に手当されている黒死牟がいる。これはドッキリではない……と全員が真っ青な顔で脅迫状を見つめていた。
どうやら、車で移動中に横に並んだ車から出てきた目出し帽の男が襲撃。二人とも応戦するも黒死牟が負傷し、無惨は連れ攫われ、高級外車は大破……という悲惨な結果となった。
あの無惨が攫われ、あの黒死牟が傷を負う。そんな相手に敵うわけがないと全員が怯えている中で、黒死牟だけが悔しそうに唇を噛み締めている。
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TRAININGむざこく30本ノック④4日目
外でしてみたい無惨様(何を…?何でもOK)
外でしてみたい無惨様(何を…?何でもOK) 色々取り寄せた資料を見ながら、無惨はあれやこれやを頭で繰り広げ、ぶつぶつと何か呪文のように唱えている。
黒死牟はこういったことに全く興味を示さないので、無惨が「外でしたい」と言い出した時に「あぁ、そうですか」と素っ気無い返事しか出来ず、無惨の機嫌を損ねてしまった。
そこからは二人睦まじく相談するという過程は除外され、無惨が資料を用意し、必要な小道具を購入するという、単独での選択が始まっていた。
「どうしても屋外が良いのですか?」
「あぁ、見せびらかしたいだろう」
発想がやや悪趣味だと思うが、主導権が彼にある以上、黒死牟に拒否権はない。
「これなんて、どうだ? お前に似合うと思うが」
「そうですか。お任せします」
1730黒死牟はこういったことに全く興味を示さないので、無惨が「外でしたい」と言い出した時に「あぁ、そうですか」と素っ気無い返事しか出来ず、無惨の機嫌を損ねてしまった。
そこからは二人睦まじく相談するという過程は除外され、無惨が資料を用意し、必要な小道具を購入するという、単独での選択が始まっていた。
「どうしても屋外が良いのですか?」
「あぁ、見せびらかしたいだろう」
発想がやや悪趣味だと思うが、主導権が彼にある以上、黒死牟に拒否権はない。
「これなんて、どうだ? お前に似合うと思うが」
「そうですか。お任せします」
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TRAININGむざこく30本ノック④2日目
職場で手ックスするむざこく
職場で手ックスするむざこく ソファで資料を読んでいる無惨が、ポンポンとソファを叩いた。
「何ですか?」
「前に立っていられると気が散る。それに質問したい時に不便だから、横に座れ」
「御意」
何も考えず無惨の右隣に座る。もう一部用意していた資料を黒死牟も読み始めると、突然、膝の上に置いていた左手に無惨が右手を添えてきた。
「何か御用で?」
「別に」
無惨に手を握られることなど、今更珍しいことではない。利き手ではないので使えなくても特に不便とは思わないので、黒死牟は気にせず資料を読んでいた。
相手にしないでおこうと思っていたが、無惨は黒死牟の手の甲を人差し指で擦って遊び始めた。指の形をなぞってみたり、指の間を撫でてみたり、と遠慮なく黒死牟の手を触っている。
1447「何ですか?」
「前に立っていられると気が散る。それに質問したい時に不便だから、横に座れ」
「御意」
何も考えず無惨の右隣に座る。もう一部用意していた資料を黒死牟も読み始めると、突然、膝の上に置いていた左手に無惨が右手を添えてきた。
「何か御用で?」
「別に」
無惨に手を握られることなど、今更珍しいことではない。利き手ではないので使えなくても特に不便とは思わないので、黒死牟は気にせず資料を読んでいた。
相手にしないでおこうと思っていたが、無惨は黒死牟の手の甲を人差し指で擦って遊び始めた。指の形をなぞってみたり、指の間を撫でてみたり、と遠慮なく黒死牟の手を触っている。
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TRAININGむざこく30本ノック③延長戦最終日
ラストダンスを踊るビジパ
ラストダンスを踊るビジパ 静かな夜だった。
最近、無限城の中で板張りの広間を作り、アーチ型の天井に合わせ輸入したばかりの華やかなシャンデリアを設置し、窓はステンドグラス、柱には唐草模様の細工が施されている。
壁紙も輸入した最高級の物を使い、政府肝煎りの迎賓館よりも豪華なダンスホールがこの地下深い無限城には作られているのだ。
無惨はそこでひとり、手に入れたばかりの蓄音機で音楽を流す。
手回しのゼンマイ式で西洋の音楽を流す。ワルツという曲調を好むようで、機嫌の良い時は流した音楽に合わせて歌っている姿を黒死牟は何度も見かけていた。
掠れたレコードの音と軋むゼンマイの音。
本当に静かな夜だった。
「黒死牟」
無惨に呼ばれ、足元に跪く。
1562最近、無限城の中で板張りの広間を作り、アーチ型の天井に合わせ輸入したばかりの華やかなシャンデリアを設置し、窓はステンドグラス、柱には唐草模様の細工が施されている。
壁紙も輸入した最高級の物を使い、政府肝煎りの迎賓館よりも豪華なダンスホールがこの地下深い無限城には作られているのだ。
無惨はそこでひとり、手に入れたばかりの蓄音機で音楽を流す。
手回しのゼンマイ式で西洋の音楽を流す。ワルツという曲調を好むようで、機嫌の良い時は流した音楽に合わせて歌っている姿を黒死牟は何度も見かけていた。
掠れたレコードの音と軋むゼンマイの音。
本当に静かな夜だった。
「黒死牟」
無惨に呼ばれ、足元に跪く。
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TRAININGむざこく30本ノック③延長戦
黒死牟の髪を結ってあげる無惨様
黒死牟の髪を結ってあげる無惨様「黒死牟、黒死牟」
「ここに……」
無惨に呼ばれ部屋に向かうと、無惨は芸妓姿で化粧をしている最中だった。
「ご無礼を」
「良い、私が呼んだのだ」
玉虫色の笹紅を引き、鏡の前でその仕上がりを確かめている。そんな後ろ姿をぼんやりと見ていると、無惨は鏡越しに黒死牟を睨んだ。
「何をしている。お前もさっさと女になれ。一緒に座敷に行くぞ」
「畏まりました……」
逆らうことは出来ず、不得手だが女の姿になった。無惨よりやや小さい体格となったので、無惨の着物を借りることにする。その中でも今日無惨が纏っている着物より少々地味な着物を選ぶ。
化粧も多少は慣れた。と言っても、白粉を叩いて、紅を引くくらい。無惨の後ろにいるだけなので、その程度で良いと言われている。
1821「ここに……」
無惨に呼ばれ部屋に向かうと、無惨は芸妓姿で化粧をしている最中だった。
「ご無礼を」
「良い、私が呼んだのだ」
玉虫色の笹紅を引き、鏡の前でその仕上がりを確かめている。そんな後ろ姿をぼんやりと見ていると、無惨は鏡越しに黒死牟を睨んだ。
「何をしている。お前もさっさと女になれ。一緒に座敷に行くぞ」
「畏まりました……」
逆らうことは出来ず、不得手だが女の姿になった。無惨よりやや小さい体格となったので、無惨の着物を借りることにする。その中でも今日無惨が纏っている着物より少々地味な着物を選ぶ。
化粧も多少は慣れた。と言っても、白粉を叩いて、紅を引くくらい。無惨の後ろにいるだけなので、その程度で良いと言われている。
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TRAININGむざこく30本ノック③延長戦
俊國様に叱られる猗窩座が羨ましい黒死牟
俊國様に叱られる猗窩座が羨ましい黒死牟 日の出が数時間後に迫った頃、無惨が猗窩座に下弦の鬼の援軍に行くよう命じた。
そのことは黒死牟の脳にも届いており、柱を含めた鬼狩り数名など上弦の鬼なれば楽勝だろうと黒死牟は特段気にせず、業務連絡として聞き流していた。
実際、炎柱を葬り、日没後に無惨の元に報告に行くのだが、柱一人を殺したくらいで浮かれるなと無惨に叱責される結果となった。
「猗窩座、猗窩座」
低く静かな声からは確かな怒りが滲み出ている。その迫力たるや、視界を猗窩座と共有し、その場にはいない黒死牟ですら全身が震えるほどの凄みであった。
指一本触れることなく猗窩座の体に衝撃を与える無惨の恐ろしさ、そして必死に姿勢を保ち、込み上げる血を吐きながらも無言で耐えた猗窩座も見事である。その場を立ち去った後、黒死牟は敢えて猗窩座に声は掛けず、そっと視界を閉じた。
2133そのことは黒死牟の脳にも届いており、柱を含めた鬼狩り数名など上弦の鬼なれば楽勝だろうと黒死牟は特段気にせず、業務連絡として聞き流していた。
実際、炎柱を葬り、日没後に無惨の元に報告に行くのだが、柱一人を殺したくらいで浮かれるなと無惨に叱責される結果となった。
「猗窩座、猗窩座」
低く静かな声からは確かな怒りが滲み出ている。その迫力たるや、視界を猗窩座と共有し、その場にはいない黒死牟ですら全身が震えるほどの凄みであった。
指一本触れることなく猗窩座の体に衝撃を与える無惨の恐ろしさ、そして必死に姿勢を保ち、込み上げる血を吐きながらも無言で耐えた猗窩座も見事である。その場を立ち去った後、黒死牟は敢えて猗窩座に声は掛けず、そっと視界を閉じた。
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TRAININGむざこく30本ノック③延長戦
社畜無惨様×居酒屋の店員巌勝
社畜無惨様×居酒屋の店員巌勝 過労死が他人事ではないと思い始めたのは、ここ1~2年のことだ。
こんなはずではなかった。お決まりの台詞を思い浮かべながら、毎日何とか終電に間に合うように仕事を切り上げることを考えている。
大学卒業後、第一志望の外資系大手証券会社に就職した。資産運用業務に配属されるまでは自分の目標通りだった。
必死に働いて自身の資産を形成し、富裕層の人脈を作り、得た知識やコネクションを使って30歳までにリタイアして、自分も悠々自適の投資家生活を送ることが夢だった。しかし、そうはいかない。
仕事の合間に語学の勉強は必須である。入社前からTOEICで高得点を叩き出していたが、英語は出来て当たり前。中国語や他の言語習得も求められ、入社時に証券業務に関する資格は全て取ることが必須であった。それに加えて独学で公認会計士の試験にも合格した。
2661こんなはずではなかった。お決まりの台詞を思い浮かべながら、毎日何とか終電に間に合うように仕事を切り上げることを考えている。
大学卒業後、第一志望の外資系大手証券会社に就職した。資産運用業務に配属されるまでは自分の目標通りだった。
必死に働いて自身の資産を形成し、富裕層の人脈を作り、得た知識やコネクションを使って30歳までにリタイアして、自分も悠々自適の投資家生活を送ることが夢だった。しかし、そうはいかない。
仕事の合間に語学の勉強は必須である。入社前からTOEICで高得点を叩き出していたが、英語は出来て当たり前。中国語や他の言語習得も求められ、入社時に証券業務に関する資格は全て取ることが必須であった。それに加えて独学で公認会計士の試験にも合格した。
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TRAININGむざこく30本ノック③延長戦
俊國くんとみちか♀さんのおねショタ
俊國くんとみちか♀さんのおねショタ あ、私、逮捕される。
みちかの脳裏を過ったのは、自分が児童に対し猥褻な行為をして逮捕されるショッキングな見出しの週刊誌記事だった。
それもそうだろう。自分は今、裸の児童と共にベッドで寝ているのだから。
勿論、自分も裸で。
この児童は誰か。
勿論、見知らぬ子供ではない。
この子は自分が受け持っている人気子役の俊國だ。
ンマー! 寝顔も可愛いわ! と感動していたが、問題は俊國が全裸で、しかも自分も全裸で、ひとつのベッドで寝ているのだ。
え、なんで!? と、みちかは何度も自分の体と俊國を交互に見る。
まさか、本当にこの幼気な美少年に猥褻な行為をしたのでは……と真っ青になっていると俊國が目を覚ました。
3054みちかの脳裏を過ったのは、自分が児童に対し猥褻な行為をして逮捕されるショッキングな見出しの週刊誌記事だった。
それもそうだろう。自分は今、裸の児童と共にベッドで寝ているのだから。
勿論、自分も裸で。
この児童は誰か。
勿論、見知らぬ子供ではない。
この子は自分が受け持っている人気子役の俊國だ。
ンマー! 寝顔も可愛いわ! と感動していたが、問題は俊國が全裸で、しかも自分も全裸で、ひとつのベッドで寝ているのだ。
え、なんで!? と、みちかは何度も自分の体と俊國を交互に見る。
まさか、本当にこの幼気な美少年に猥褻な行為をしたのでは……と真っ青になっていると俊國が目を覚ました。
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TRAININGむざこく30本ノック③延長戦
七夕
七夕 7月7日、雨。
年に1度しか会えないのに、自分たちが会う時は毎年雨だった。
窓ガラスを叩く雨をぼんやりと眺めながら、それは、まるで誰かの涙に思えて、愛しい彼との逢瀬を責められている気がしていた。
「いいかげん、このシステムをなくせないものか……」
無惨はベッドの上で唇を尖らせる。
彼は鷲座の一等星アルタイルを守護星に持つ、彦星の転生者である。
そして、そんな彼の腕の中で甘えているのは巌勝。彦星と対になる、琴座のベガを守護星に持つ織姫の転生者……であったら良かったのだが、彼はどの星座の守護も持たない、ただの一般人である。
本来、無惨には妻である「織姫」がいた。二人の仲人役の白鳥座デネブの守護を受けた鵲もいたのだが、事もあろうに無惨は巌勝に一目惚れをしたのだ。
2663年に1度しか会えないのに、自分たちが会う時は毎年雨だった。
窓ガラスを叩く雨をぼんやりと眺めながら、それは、まるで誰かの涙に思えて、愛しい彼との逢瀬を責められている気がしていた。
「いいかげん、このシステムをなくせないものか……」
無惨はベッドの上で唇を尖らせる。
彼は鷲座の一等星アルタイルを守護星に持つ、彦星の転生者である。
そして、そんな彼の腕の中で甘えているのは巌勝。彦星と対になる、琴座のベガを守護星に持つ織姫の転生者……であったら良かったのだが、彼はどの星座の守護も持たない、ただの一般人である。
本来、無惨には妻である「織姫」がいた。二人の仲人役の白鳥座デネブの守護を受けた鵲もいたのだが、事もあろうに無惨は巌勝に一目惚れをしたのだ。
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TRAININGむざこく30本ノック③延長戦
まだ付き合ってないむざこくでセックスしないと出られない部屋
まだ付き合ってないむざこくでセックスしないと出られない部屋「無惨様、無惨様!」
先に目覚めた巌勝は意識のない無惨を揺すり起こした。
「継国……?」
がばっと起き上がり、無惨は巌勝の腕を掴んだ。
「ここは?」
「解りません……どこにも出入り口がなくて……」
安全を確保する為に部屋中見て回ったが、簡素なワンルームマンションのような部屋で、ご丁寧にシャワーブースと洗面台、トイレまで設置されているのに窓と出入り口だけが存在しないのだ。
扉は全てスライド式でドアノブが存在せず、無惨と巌勝はスーツ姿のままだが、ベルトやネクタイは外されている。首吊りなどの自殺を防ぐ為だと勘付いた無惨は舌打ちする。
しかも部屋の隅々に監視カメラも設置されており、スマホや護身用のピストルも全て回収されていた。
3306先に目覚めた巌勝は意識のない無惨を揺すり起こした。
「継国……?」
がばっと起き上がり、無惨は巌勝の腕を掴んだ。
「ここは?」
「解りません……どこにも出入り口がなくて……」
安全を確保する為に部屋中見て回ったが、簡素なワンルームマンションのような部屋で、ご丁寧にシャワーブースと洗面台、トイレまで設置されているのに窓と出入り口だけが存在しないのだ。
扉は全てスライド式でドアノブが存在せず、無惨と巌勝はスーツ姿のままだが、ベルトやネクタイは外されている。首吊りなどの自殺を防ぐ為だと勘付いた無惨は舌打ちする。
しかも部屋の隅々に監視カメラも設置されており、スマホや護身用のピストルも全て回収されていた。
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TRAININGむざこく30本ノック③延長戦
お互いの浴衣(または襦袢)姿にドキッとするむざこく
お互いの浴衣(または襦袢)姿にドキッとするむざこく これは未だ付き合っていない頃の無惨と黒死牟の話。
地方への応援演説の帰り、台風により公共交通機関が全てストップしてしまった。黒死牟は1本早い便で帰った方が良いと何度も無惨に言っていたが、ギリギリまで候補者の演説に同行し、有権者と笑顔で握手していた。
ぽつりぽつりと降り出した雨は一気に暴風雨に変わり、そのまま高速道路は一部土砂崩れにより通行止め、電車も新幹線も止まり、本日中の復旧は絶望的だと言う。タクシーもなかなか捕まらない状態で、タクシー待ちの列にいる間に見つけた旅館は、1室だけ空いている状態だった。
「同じ部屋でも構わんだろう?」
「はい」
無惨に言われ断る理由はないが、黒死牟はちょっとだけドキドキしていた。
3620地方への応援演説の帰り、台風により公共交通機関が全てストップしてしまった。黒死牟は1本早い便で帰った方が良いと何度も無惨に言っていたが、ギリギリまで候補者の演説に同行し、有権者と笑顔で握手していた。
ぽつりぽつりと降り出した雨は一気に暴風雨に変わり、そのまま高速道路は一部土砂崩れにより通行止め、電車も新幹線も止まり、本日中の復旧は絶望的だと言う。タクシーもなかなか捕まらない状態で、タクシー待ちの列にいる間に見つけた旅館は、1室だけ空いている状態だった。
「同じ部屋でも構わんだろう?」
「はい」
無惨に言われ断る理由はないが、黒死牟はちょっとだけドキドキしていた。
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TRAININGむざこく30本ノック③延長戦
明治〜大正あたりのいいとこのお坊っちゃん月彦✕女中のみちかさん♀
明治〜大正あたりのいいとこのお坊っちゃん月彦✕女中のみちかさん♀ 今日も良い天気だ。
洗いたての白いシーツを物干し竿に掛け、皺を伸ばしていると軽やかな足音が聞こえた。
「みちかさん」
「……若旦那様……」
洗濯を干す、この僅かな時間、この家の一人息子である月彦と会える貴重な時間であった。
すらりとした長身の美男子で、旧制高等学校の制服である詰襟姿がとても凛々しく、みちかは名前を呼ばれるだけでも恥ずかしくて顔を真っ赤にして俯いていた。
毎朝、登校するこの時間にみちかが洗濯を干していることに気付いた月彦は、必ずここを通ってから家を出ているのだ。
「みちかさん、今日も有難う」
にっこりと微笑む笑顔は爽やかな朝の太陽のようで、みちかの顔は益々赤くなる。
「行ってきます」
「行ってらっしゃいませ」
3904洗いたての白いシーツを物干し竿に掛け、皺を伸ばしていると軽やかな足音が聞こえた。
「みちかさん」
「……若旦那様……」
洗濯を干す、この僅かな時間、この家の一人息子である月彦と会える貴重な時間であった。
すらりとした長身の美男子で、旧制高等学校の制服である詰襟姿がとても凛々しく、みちかは名前を呼ばれるだけでも恥ずかしくて顔を真っ赤にして俯いていた。
毎朝、登校するこの時間にみちかが洗濯を干していることに気付いた月彦は、必ずここを通ってから家を出ているのだ。
「みちかさん、今日も有難う」
にっこりと微笑む笑顔は爽やかな朝の太陽のようで、みちかの顔は益々赤くなる。
「行ってきます」
「行ってらっしゃいませ」
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TRAININGむざこく30本ノック③延長戦
転生後記憶なし無惨様✕記憶あり黒死牟
転生後記憶なし無惨様✕記憶あり黒死牟 終業時刻のチャイムが鳴る。巌勝は退勤の打刻を済ませ、パソコンの電源を落とした。
「お疲れ」
巌勝の声掛けに全員が「お疲れ様でした」と挨拶する。ただひとり、社長の月彦を除いては。
「社長、キリの良いところで……」
「あぁ、解っている。先に帰ってくれ」
「畏まりました。お先に失礼します」
巌勝は頭を下げる。貴重な週末の定時。ハメを外して遊びたいと皆が浮き足立っているのに、ボスが一番働き者なので困る……と誰もが帰りにくそうにしているので、巌勝がこう言って事務所を出てくれると他のスタッフも続いて出やすいのだ。
土日が休みの為、本当はもう少し一緒にいたかったのだが……と巌勝は思うが、月彦の側近として他のスタッフへの気配りをするのは自分の役目だと思っていた。
2824「お疲れ」
巌勝の声掛けに全員が「お疲れ様でした」と挨拶する。ただひとり、社長の月彦を除いては。
「社長、キリの良いところで……」
「あぁ、解っている。先に帰ってくれ」
「畏まりました。お先に失礼します」
巌勝は頭を下げる。貴重な週末の定時。ハメを外して遊びたいと皆が浮き足立っているのに、ボスが一番働き者なので困る……と誰もが帰りにくそうにしているので、巌勝がこう言って事務所を出てくれると他のスタッフも続いて出やすいのだ。
土日が休みの為、本当はもう少し一緒にいたかったのだが……と巌勝は思うが、月彦の側近として他のスタッフへの気配りをするのは自分の役目だと思っていた。
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TRAININGむざこく30本ノック③29日目
ちょるさんとこの不良な学生パロ二人のむざこく
ちょるさんとこの不良な学生パロ二人のむざこく「おー、随分と派手にやらかしたなぁ……」
この場には不似合いな呑気な声。飄々とした雰囲気で校舎裏に現れた男に巌勝は身構えた。
先に手を出したのは地面に倒れている3年生たちである。1年の途中で転校してきた自分に対し、不愉快な絡み方をしてきたので拳で解らせただけだ、と説明しようかと思ったが、その男はその3年生を踏み、蹴り、軽やかな足取りでこちらにやってきた。
薄暗い校舎裏では顔ははっきりと解らない。しかし、口許に笑みを浮かべていることは解った。
「お前も吸うか?」
懐から煙草を取り出し、こちらに渡してくる。
会釈して受け取り、巌勝は煙草を咥えた。箱の中に入っていた使い捨てライターを拝借し、煙草を付けて、煙を深く吸い込んだ。
4494この場には不似合いな呑気な声。飄々とした雰囲気で校舎裏に現れた男に巌勝は身構えた。
先に手を出したのは地面に倒れている3年生たちである。1年の途中で転校してきた自分に対し、不愉快な絡み方をしてきたので拳で解らせただけだ、と説明しようかと思ったが、その男はその3年生を踏み、蹴り、軽やかな足取りでこちらにやってきた。
薄暗い校舎裏では顔ははっきりと解らない。しかし、口許に笑みを浮かべていることは解った。
「お前も吸うか?」
懐から煙草を取り出し、こちらに渡してくる。
会釈して受け取り、巌勝は煙草を咥えた。箱の中に入っていた使い捨てライターを拝借し、煙草を付けて、煙を深く吸い込んだ。
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TRAININGむざこく30本ノック③28日目
挿入なし、触手とオモチャと前戯だけで黒死牟さんをイかせようとする無惨様。
ねちこいめのtkb攻め必須
※タイトルほどエロくないのでR18つけてないです。
挿入なし、触手とオモチャと前戯だけで黒死牟さんをイかせようとする無惨様。ねちこいめのtkb攻め必須 黒死牟は変則的な間隔で正体を失くす時がある。
敵味方見境なく技を繰り出して、辺り一面を血の海に変えていく。こうなると誰も止められない。厄介だと察した十二鬼月は早々に姿を消し、逃げ遅れた雑魚の鬼たちが次々と肉塊へと変えられる。
逃げ遅れるのも仕方無いだろう。獣が吠えるような低い唸り声を上げながら技を繰り出す姿に総毛立ち、足が竦んで動けないのだ。
「いいかげんにしろ」
すらりとした洋装の美形が血みどろの上に立つ。黒死牟の刃の切っ先は細く尖った鼻先でぴたりと止まった。
それは黒死牟の意思で止めた。どれだけ正体を失くしても、鬼舞辻無惨、そう、主にだけは歯向かってはいけないということは解るのだ。
無惨の登場で雑魚たちは「救われた」と思ったが大きな間違いである。黒死牟は器用にも無惨だけを避け攻撃を繰り出す。そして、無惨も「黒死牟にも勝てない鬼が役に立つはずもない」と止めもせず冷ややかに見ている。
2103敵味方見境なく技を繰り出して、辺り一面を血の海に変えていく。こうなると誰も止められない。厄介だと察した十二鬼月は早々に姿を消し、逃げ遅れた雑魚の鬼たちが次々と肉塊へと変えられる。
逃げ遅れるのも仕方無いだろう。獣が吠えるような低い唸り声を上げながら技を繰り出す姿に総毛立ち、足が竦んで動けないのだ。
「いいかげんにしろ」
すらりとした洋装の美形が血みどろの上に立つ。黒死牟の刃の切っ先は細く尖った鼻先でぴたりと止まった。
それは黒死牟の意思で止めた。どれだけ正体を失くしても、鬼舞辻無惨、そう、主にだけは歯向かってはいけないということは解るのだ。
無惨の登場で雑魚たちは「救われた」と思ったが大きな間違いである。黒死牟は器用にも無惨だけを避け攻撃を繰り出す。そして、無惨も「黒死牟にも勝てない鬼が役に立つはずもない」と止めもせず冷ややかに見ている。
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TRAININGむざこく30本ノック③27日目
超やきもち妬きの黒死牟と素直に「お前が一番」と言えない表せない無惨様
超やきもち妬きの黒死牟と素直に「お前が一番」と言えない表せない無惨様 十人に聞けば十人全員が「あんな男、好きになっちゃ駄目だよ」と言うだろう。自分の惚れた相手は、そういう男なのだ。そんなこと、言われなくても解っている、と黒死牟は常に思っていた。
彼のスーツをクリーニングに出す前に、ポケットの中に何か残っていないか確かめると、胸ポケットから華奢なゴールドのフープピアスが出てきた。
浮気をするのは結構だが、こういう行儀の悪い女はやめて欲しい、と黒死牟は心底思っている。無惨が左手薬指に嵌めている指輪が見えないのだろうか。会う時には外しているのかもしれないが。
悪い男に惚れた自分が悪いと思っているが、ピアスをジッパー付きの小さな保存袋に入れた。だが、自分は問い詰めて良い立場の人間ではない。彼と戸籍上では何の結びつきもなく、契約関係があるとすれば、彼は雇用主であり、自分は従業員。それだけだ。
1958彼のスーツをクリーニングに出す前に、ポケットの中に何か残っていないか確かめると、胸ポケットから華奢なゴールドのフープピアスが出てきた。
浮気をするのは結構だが、こういう行儀の悪い女はやめて欲しい、と黒死牟は心底思っている。無惨が左手薬指に嵌めている指輪が見えないのだろうか。会う時には外しているのかもしれないが。
悪い男に惚れた自分が悪いと思っているが、ピアスをジッパー付きの小さな保存袋に入れた。だが、自分は問い詰めて良い立場の人間ではない。彼と戸籍上では何の結びつきもなく、契約関係があるとすれば、彼は雇用主であり、自分は従業員。それだけだ。
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TRAININGむざこく30本ノック③26日目
むざこくにちょっかいを掛けて楽しむカガヤ様
※カガヤ様は二人の反応を面白がって楽しんでいるだけで本気でNTRする気は無し
【注意!】かが→むざ要素を含みます。
むざこくにちょっかいを掛けて楽しむカガヤ様 ツーッツーッツーッ……。
また無惨に着信拒否された。ここ半月、毎朝4時に電話を掛けていたら、遂に拒否されたのだ。
初めからこうしていれば良いのに、無惨は変に律儀なところがあって、ご丁寧に半月様子を見て、やっと着信拒否にしたのだ。
「ふふっ、可愛いなぁ……」
電源を切るなり何なり出来るのに、何故か毎朝4時に出てしまう。恐らく「掛かってきた電話は取り敢えず出る」という習性があるのだろう。
だったら次は非通知で掛けるか、と思い、頭に184を付けて発信する。
「ヤッホー! 無惨!!」
「おはようございます、耀哉様」
「あれ、巌勝?」
「黒死牟でございます」
無惨のスマホに掛けたはずなのに出たのは黒死牟こと巌勝だった。
3105また無惨に着信拒否された。ここ半月、毎朝4時に電話を掛けていたら、遂に拒否されたのだ。
初めからこうしていれば良いのに、無惨は変に律儀なところがあって、ご丁寧に半月様子を見て、やっと着信拒否にしたのだ。
「ふふっ、可愛いなぁ……」
電源を切るなり何なり出来るのに、何故か毎朝4時に出てしまう。恐らく「掛かってきた電話は取り敢えず出る」という習性があるのだろう。
だったら次は非通知で掛けるか、と思い、頭に184を付けて発信する。
「ヤッホー! 無惨!!」
「おはようございます、耀哉様」
「あれ、巌勝?」
「黒死牟でございます」
無惨のスマホに掛けたはずなのに出たのは黒死牟こと巌勝だった。
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TRAININGむざこく30本ノック③24日目
「主に対して不敬だろうか…」とか思いつつもどうしても欲しがる身体に我慢が出来ず頑張ってアレコレたどたどしく下手なお誘いを掛ける黒死牟になかなかノッてくれない無惨様
やきもきする黒死牟
それを見透かし内心ニヤニヤしながら「可愛い奴め、さて、次はどう出るかな?」と年上の余裕を見せつつ実はアタックしてくれる黒死牟に満更でもない無惨様(略)
「主に対して不敬だろうか…」とか思いつつもどうしても欲しがる身体に我慢が出来ず… 勤務時間、黒死牟が真剣な表情でスマホを向かい合っていると、それは何やら大変なことが起きたのだろう、と誰もが思う。実際、黒死牟にとっては一大事なのだ。
彼が必死で検索している情報。
「彼をその気にさせる方法」
検索バーにそう打ち込んで、すべての検索結果に目を通しているのだ。
そうか、男性は甘える系の仕草に弱いのか……と己が男であることを忘れ、20代の女子たちのクチコミを真剣に見ている。
今日は何故か妙にムラムラする。朝から黒死牟はずっと「その気」なのだが、こういう時に限って無惨は何も仕掛けてこないのだ。
今晩は絶対にセックスしたい。その一心で、確実に無惨に抱いてもらえる方法を考えているのだ。
だが、そもそも、こちらから無惨を誘うなど無礼だろうか……という迷いも未だ払拭出来ずにいる。なので、ストレートに「セックスしませんか?」と誘うには気が引けるので、無惨からの誘いで自然な流れでセックスするよう仕向ける準備をしているのだ。
2379彼が必死で検索している情報。
「彼をその気にさせる方法」
検索バーにそう打ち込んで、すべての検索結果に目を通しているのだ。
そうか、男性は甘える系の仕草に弱いのか……と己が男であることを忘れ、20代の女子たちのクチコミを真剣に見ている。
今日は何故か妙にムラムラする。朝から黒死牟はずっと「その気」なのだが、こういう時に限って無惨は何も仕掛けてこないのだ。
今晩は絶対にセックスしたい。その一心で、確実に無惨に抱いてもらえる方法を考えているのだ。
だが、そもそも、こちらから無惨を誘うなど無礼だろうか……という迷いも未だ払拭出来ずにいる。なので、ストレートに「セックスしませんか?」と誘うには気が引けるので、無惨からの誘いで自然な流れでセックスするよう仕向ける準備をしているのだ。
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TRAININGむざこく30本ノック③22日目
焼きそば
焼きそば それは休日の昼前の出来事だった。
「今日の昼飯は焼きそばでいいか?」
「え?」
無惨の世界からは縁遠い食べ物の名称が出てきたので、黒死牟はスマホを持ったまま固まってしまった。
「嫌いか?」
「いえ、そうではなく……」
昔、カップ焼きそばの湯切りをする際、誤って麺をすべてシンクに落として以来、カップ焼きそばは絶対に食べないと言っていた無惨なので、カップ焼きそばを提供するつもりはないだろう。そもそも無惨が自宅でインスタント食品を食べているところ見たことがない。あれは仕事中の時間がない時に食べるものだ、と言っていたので、食に対する意識はめちゃくちゃ高いのだ。
そんな無惨が焼きそば……あまりのギャップに黒死牟はぼんやりとしていると「お前は何もしなくて良いから、まぁ、そこに座って見ていろ」とソファに座らされた。
2123「今日の昼飯は焼きそばでいいか?」
「え?」
無惨の世界からは縁遠い食べ物の名称が出てきたので、黒死牟はスマホを持ったまま固まってしまった。
「嫌いか?」
「いえ、そうではなく……」
昔、カップ焼きそばの湯切りをする際、誤って麺をすべてシンクに落として以来、カップ焼きそばは絶対に食べないと言っていた無惨なので、カップ焼きそばを提供するつもりはないだろう。そもそも無惨が自宅でインスタント食品を食べているところ見たことがない。あれは仕事中の時間がない時に食べるものだ、と言っていたので、食に対する意識はめちゃくちゃ高いのだ。
そんな無惨が焼きそば……あまりのギャップに黒死牟はぼんやりとしていると「お前は何もしなくて良いから、まぁ、そこに座って見ていろ」とソファに座らされた。
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TRAININGむざこく30本ノック③21日目
カラダから始まるむざこく
カラダから始まるむざこく どうして俺は上司と一緒にラブホテルにいるのだろうか。
黒死牟は大きなベッドに腰掛け、ずっと悩んでいた。
しかも上司は男、衆議院議員の鬼舞辻無惨である。
酔った無惨を自宅に送り届ける、なんてことは日常茶飯事なのだが、今日はそれほど酔った感じでもない。寧ろ、素面に近いくらい冷静だ。
「晩飯でも食って帰ろう」
そう誘われ、車の鍵を取ろうとしたら止められた。何故か車を出さず、事務所の近くの店に行くことになる。
「今日はお前も飲め」
その為だったようで、その言葉に甘えて二人で飲んだが、二人とも泥酔と呼ぶほど飲んだ記憶はない。
支払いを済ませた無惨が「少し歩こう」と言うので、日付の変わった夜の街を二人で並んで歩いた。週末なので夜遅い時間だが人通りは多い。ただ、陽気な酔っ払いが多いようで、自分たちが並んで歩いていても誰も気付かないようだ。
2367黒死牟は大きなベッドに腰掛け、ずっと悩んでいた。
しかも上司は男、衆議院議員の鬼舞辻無惨である。
酔った無惨を自宅に送り届ける、なんてことは日常茶飯事なのだが、今日はそれほど酔った感じでもない。寧ろ、素面に近いくらい冷静だ。
「晩飯でも食って帰ろう」
そう誘われ、車の鍵を取ろうとしたら止められた。何故か車を出さず、事務所の近くの店に行くことになる。
「今日はお前も飲め」
その為だったようで、その言葉に甘えて二人で飲んだが、二人とも泥酔と呼ぶほど飲んだ記憶はない。
支払いを済ませた無惨が「少し歩こう」と言うので、日付の変わった夜の街を二人で並んで歩いた。週末なので夜遅い時間だが人通りは多い。ただ、陽気な酔っ払いが多いようで、自分たちが並んで歩いていても誰も気付かないようだ。