世和「よし、これで終わりな。帰ろうぜ」
樹「ありがとう。世和くんのおかげで無事終わったね」
世和「俺だけじゃねーよ。3人でやったおかげ」
紺碧「でもなんで今日来てくれたんだ?最初は俺と樹さんで受ける予定だったのに」
世和「おん?朱優に言われたんだよ。今日はお前らの助っ人やってこいって」
樹「え…じゃあ朱優くんもしかして今日1人で依頼やってるんですか…?」
世和「いや?俺たちの依頼は先に終わらせてきた」
紺碧樹「はぁ!?」
樹「せ、世和くん今日何件こなしたんです…?」
世和「えーと、まず朱優と2件行っただろ。んで、お前らと3件行って…」
紺碧「ご、5件…」
樹「なんか…すみませんでした」
世和「何で謝るんだよ?」
紺碧「激務すぎるだろ。ちゃんと断ってくれよ」
世和「別に依頼の後予定もなかったしよくね?」
紺碧樹「よくない!!!」
世和「な、なんでだよ…?」
紺碧「朱優も世和のことこき使いすぎじゃないか…?」
樹「世和くん、いくら優しいからって断ることも大事ですよ?」
世和「いやいやいや、ちょっと待った。俺は断れなくて来たんじゃねーよ?」
紺碧「ならなんで…」
世和「いやな、いつもやってることだし朱優の手伝いしようとしたんだよ。そしたら邪魔だから手伝うならお前らの方手伝ってこいって言われたんだよ」
紺碧「じゃ、邪魔って…」
樹「…何を手伝おうとしたんです?」
世和「普通に事務所であいつがやってる事だよ。よく手伝ってるし大体のことわかってんだけどなぁ…」
樹「あ〜…そういうことか」
紺碧「樹さんどうしたんです?」
樹「ふふ、朱優くんなりの優しさなんだろうなって」
世和「え、なんだよそれ」
樹「世和くん、いつも朱優くんの手伝いしてるでしょう?」
世和「ああ、まあな。依頼のときはいつも朱優に頼ってるとこあるし、俺も他に手伝えることにねぇかな…って」
樹「うん。それでね、きっと朱優くんも世和くんのことを思ってこっちに行かせたんだろうなって思うよ」
世和「…どういうこと?」
樹「これは僕の憶測も入るけど…いつもやってることより、違うことやった方が世和くんも楽しいと思ったんだと思うよ」
世和「…はぁ、何だよそれ。実際こっち入って楽しかったけどさ?俺は早く終わればあいつも花と3人でゆっくりできると思って手伝ってたのに…」
樹「ふふ、お互いがお互いのこと思ってたんだね」
紺碧「なんか…そこのバディのそういう話、新鮮だな」
樹「ふふ、そうだね。いつもの2人は言葉を交わさなくても通じ合ってるって感じだから」
世和「え?俺たちそう見えてたの?」
樹「あれ?違った?」
世和「や…うーん…俺は単に朱優の言う通りにしてただけだからなぁ」
紺碧「まず朱優ってさ、あんま人の事頼んなくね?」
世和「あ〜…そうだな。あいつ、自分でできることはなんでも1人でやろうとするよな」
樹「僕もそう思う。でも世和くんはそんな朱優くんをわかって手伝って」
紺碧「朱優は朱優で世和のことは遠慮なく頼ってる」
樹「ふふ、そうだね。ちょっとレベルの高い要求も世和くんならできると信じているから」
世和「…へへ。なるほどな」
樹「あ、世和くん嬉しそう」
世和「なぁ、これって朱優に聞いていいこと?」
紺碧「いや…やめた方がいいんじゃないか?」
樹「朱優くん、照れて答えてくれないと思うよ?」
世和「あ〜…だよなぁ。いざ聞いてみて真顔で否定されたら普通にへこむしなぁ…」
樹「ふふ、でしょう?だからこれは僕たちだけの秘密ってことで…」
世和「うーん…あ、じゃあ今度模擬戦でも仕掛けて俺が勝ったら正直に言ってもらうってのは?」
紺碧「世和も意外と物騒なこと考えるんだな…」
世和「言ってもわかんねーやつは力でわからせてやることも大事だって教わった」
樹「はは…誰の影響を受けたんだか…」
紺碧「しかも世和ならできそうなんだよなぁ…」
世和「よし!帰ったら朱優に模擬戦挑んでやるかー!」